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バルセロナ発!賢い選手を育てる指導法

10年後、目指すべき選手像にたどりつくための育成とは?

2013年5月30日

キーワード:スペイントレーニングバルセロナ知のサッカー練習育成

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日本の熱心な指導者、選手、保護者のみなさん、こんにちは。サッカーサービスのダビッド・エルナンデスです。我々は2011年から日本を訪れ、育成年代の選手やJリーガー、様々なカテゴリーの指導者に向けて、サッカーに対する哲学、選手育成に対する考え方をお伝えしてきました。またこうして、日本のみなさんに我々の考えを聞いてもらう場を頂き、とても光栄に思っています。
 
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■育成年代においては3つの発達段階がある

今回は私の指導の原点である『シダーフ』での経験をお話ししたいと思います。シダーフとはスペイン語で『サッカーのハイパフォーマンスセンター』を表す単語の頭文字をとったもので、サッカーのプレーを向上させるための育成機関です。
 
私がシダーフを設立したのは1998年のことでした。設立の目的は、10年という期間を費やし、様々なコンセプトの元にトレーニングを行った場合、選手たちにどのような効果が出るのかを見極めることでした。また、どのような方法で選手にアプローチすれば、10年後に目指すべき選手像にたどりつけるかどうかも、研究の重要なポイントでした。
 
当時、私の知る限りではスペインでそのような研究をしていた人はいませんでした。当時はいまよりもっと試合に勝つこと、大会で結果を残すことに意識が向いていて、長いスパンのもとで育成に目を向けるクラブは少なかったのです。当然、我々の活動に理解を示してくれる人も少なく、ここに関わる同志の自費によりセンターを設立しました。
 
シダーフでは9歳の少年を集めることから始めました。ゴールは10年後、彼らが19歳のときです。シダーフは試合や大会で勝つことが目的ではないので、トレーニングを中心に活動しました。シダーフには私の他に監督やコーチがいたのですが、彼らとともにどのような方法で練習をすれば効果的なのかを分析し、それを元にトレーニングを実施しました。その結果をさらに深く分析し、選手たちがどのようにして成長していくかに意識を傾けました。
 
シダーフで行った様々なチャレンジから、多くの研究成果を得ました。それは「育成年代においては3つの発達段階があり、段階に合わせた指導をすることが重要」というものです。
 
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■エゴの強い年代に戦術的要素を求めるのか?

詳しく説明しましょう。人間には年齢に応じた発達の段階があり、サッカーでは6~8歳をカテゴリー1、9~14歳をカテゴリー2、14歳から18歳をカテゴリー3と分けることができます。ただし、例外もあるので年齢だけを基準としているわけではありません。
 
カテゴリー1(6~8歳)によく見られる特徴は『エゴイスティック』です。サッカーにおけるエゴとは、ボールに対する独占欲のことを言います。この年代の選手の多くが、ボールを持つと好き勝手にドリブルをしたり、シュートを打ったりと自己中心的なプレーをします。彼らに『サッカーを理解しよう』と言っても、聞く耳を持ってはくれません。ボールの周りに集まり、攻撃でも守備でも「自分のやりたいプレー」をすることだけを考えています。
 
そのような状況の子どもにパスの仕方、サポートの仕方を説明しても、積極的に理解しようとはしてくれません。一方で、ドリブルやシュートについては興味を示すので、ドリブルであれば。『ボールを取られないために気を付けること』などを教えます。それは「スペースがあるときはボールを離しても良いが、相手が近くにいるときには、自分の足元にボールを置いたほうがいい」というようなことです。このような指導内容であれば、子どもたちは集中して、指導に興味を示してくれるでしょう。なぜなら私が指導している内容が、自分がしたいプレー(ドリブル)に直結するからです。
 
この年代の子に戦術的な要素を求めるのは、あまり良いことではありません。ボールを持ったら離さないのは、その子のせいではないのですから。重要なのは子どもの発達段階の特性をうまく利用すること。私はシダーフでの取り組みを通じて、そのことに気がつくことができ、現在の指導に役立てています。
 
 
次回は、さらにこの理論について詳しくご説明します。お楽しみに。
 
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ダヴィッド・エルナンデス・リヘロ// David Hernández Ligero
現在、サッカーサービス社においてテクニカル・ディレクターとしてクラブコンサルティングを担当。カタルーニャサッカー協会副テクニカル・ディレクターやVic大学「フットボール方法論」教授などを歴任し、プジョルのパーソナルトレーナーを務めた経験を持つ。
 
 
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取材・文/鈴木智之 写真/新井賢一 取材協力/株式会社Amazing Sports Lab Japan

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