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中村憲剛の「KENGOアカデミー」

中村憲剛さん独占インタビュー!「相手を観て、プレーすることの大切さ」

公開:2023年12月19日 更新:2023年12月18日

先頃、日本代表(A代表)のロールモデルコーチとして参加することが発表された、中村憲剛さん。サカイクでは『KENGO Academy』のDVDを製作し、大好評を博しています。

JFA 公認S級コーチ資格取得に向け、忙しい日々を送っている中村憲剛さんに、サカイクは独占インタビューを敢行しました。

テーマは「相手を観て、サッカーをすることの大切さ」です。圧倒的な攻撃力で一時代を築いた、川崎フロンターレのサッカーは、どのようなイメージの元、ピッチで表現されていたのでしょうか?(取材・文 鈴木智之)

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■相手を観てプレーする

 中村憲剛さんが川崎フロンターレでプレーしていた頃、大切にしていたのが「相手を観てプレーすること」だったそうです。それは「チームとしての共通認識でもあった」と言います。

 フロンターレ時代、中村憲剛さんと小林悠選手のホットラインから、いくつものゴールが生まれました。パスの出し手と受け手の関係性は、まさに阿吽の呼吸でした。

一般的に、スルーパスを出すときは、パスの出し手と受け手がイメージを合わせることが大切だと言われています。中村憲剛さんは「その関係性が重要なのは大前提」として、観るべきは「相手チームの選手の動き」だと言います。

「相手の守備が届かないところにパスを出して、パスの受け手も、そこがパスを受ける場所だとわかっていれば、パスは通ります。ボールを持っている選手に対して、相手選手がパスコースを消しに来たり、インターセプトを狙うために動き出すので、相手選手が動いたら、その逆を突けば味方にパスが通るんです」

■スペースに対する考え方

では、どうすれば「相手チームの選手が守ることのできない場所」にパスを出すことができるのでしょうか? ポイントになるのが「スペース」に対する、考え方のすり合わせです。 

「ペナルティエリアに、相手チームのディフェンスが4人いたときに『スペースがない』と感じるか。それとも『相手選手の背後、GKとの間に、わずか1メートルだけどスペースがある』と思えるかどうか。それにより、プレーの選択と求められる技術の質は変わります」

中村憲剛さんがプレーしていた頃の川崎フロンターレでは「30センチや1メートルなど、わずかなスペースであっても、パスの出し手と受け手が『スペースがある』と思えば、そこにパスを通して、受ける」という考え方があったそうです。

「『背後のスペース』というとどうしても高めに設定されたディフェンスラインの背後にある広大なスペースをイメージしがちなんですが、僕の中では30センチでも1メートルでも、背後は背後です。ペナルティエリアの中で、相手の4バックが並んでいるときに『DFの背後や間に30センチ、スペースがある』とお互いに感じることができれば、そこにパスを出して、チャンスにつなげていました」

■中を攻めるから外が空く

守る方が「スペースが狭くても、パスを通してくる相手なんだ」と認識すると、ゴールに直結する、中央のスペースを守る意識が当然強まります。「そうすると、外のスペースが空きます。だから僕は、大学生を指導しているときに『真ん中を覗いて攻めよう』と提案しています。

真ん中を攻めると、相手が中を締めざるを得ないので外が必然的に空いてきます。最初から、外から攻めようとすると、守備側は180度をケアすればいいので、プレーは限定しやすいですし、守備のスイッチも入れやすくボールを奪いやすくなります。でも真ん中から攻めれば、注意を払わなければならないエリアは前後左右360度あるので、守る方は難しくなりますよね」

中央から攻めると、相手の意識が中央に寄っていきます。そのようにして、相手同士の距離を狭くさせてしまえば、外のスペースは自然と空いていきます。

「そのイメージの共有が、フロンターレの武器のひとつであったことは間違いありません。『この隙間、普通のチームだったら通さないけど、俺らはそこを普通に通すよ』と。そうすることで、相手が中央に寄り、サイドの家長昭博や三笘薫、山根視来が、高い位置でプレーできたわけです」

その際に意識していたのが「プレーの優先順位」だそうです。「一番いいのは、相手の最終ラインの裏にボールを出して、FWが抜け出して得点を取ること。シンプルなやり方ですが、もっとも手数をかけずに、相手ゴールに迫ることができます。ただ、守る側もそれを一番やらせたくないので、出させないためにハイプレスをかけてきたり、背後のスペースを消すためにリトリートしてくるわけです」

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■大事なのは「プレーの優先順位」

現在、S級ライセンス取得の過程で、母校・中央大学で指導をする中村憲剛さん。日々、選手たちと接する中で、感じることがたくさんあると言います。

「トレーニングをしていて、上手く行かないときは、プレーの優先順位の原則を忘れていることが多いんです。僕自身、指導を始めた頃は、ボールを繋ぐことに意識が行き過ぎたこともありました。でも、やっていく中で『やっぱり、相手の背後を狙うことは必要だね』と共通認識を持ちながらプレーすることで、相手が困るプレーは増えるなと思いました」

指導者として「ボールを保持し、パスを繋いで攻める、攻撃的なスタイル」を実現するために、大切なのは「相手を観ること」であり、だからこそ、「相手を観て、サッカーをしましょうと伝えている」と言います。

「相手を観るという観点でお話しすると『KENGO Academy』のDVDでは、『どうすれば、相手のことを長い時間、観ることができるか』という視点で、たくさんのことをお伝えしています。そのためには技術も当然必要で、ボールをしっかりと扱うことができれば、顔が上がり、結果として周囲を観る時間が増えます」

中村憲剛さんは「DVDでは、相手をどう攻略するのか。その基礎の基礎となる部分の話をしているので、まずはそこから入ってほしい」と話し、こう続けます。

「サッカーは足でボールを扱うスポーツなので、ミスは起きるのですが、そのミスをどれだけ減らすことができるか。それが大切です。ボールを自由に操ることができると、周りを観る時間もできて、プレーの幅も広がります」

■中村憲剛さんによる実演と解説

KENGO AcademyDVDでは、中村憲剛さん自身が実演し、「相手とどう駆け引きすれば、有利な状況を作り出すことができるのか」など、実際の試合で起こりやすいシーンを解説しています。

「このインタビュー記事と合わせて、DVDを観てもらうと、より理解が深まると思います。ぜひ興味のある人は、DVDを観てみてください!」

12月20日(水)13時までのご購入者に限り、中村憲剛さんによるメッセージカードのプレゼント中です。「駆け引き上手の選手」になるために、DVDを観て、イメージトレーニングをしてみてはいかがでしょうか?

きっと、サッカー選手として大きく成長するためのヒントを、たくさん得られるはずです!

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