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U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2013特集

バルサ黄金時代を築いた指導者が語る「アカデミー」での育成とは

2013年9月14日

キーワード:イングランドジュニアサッカーワールドチャレンジスペインバルセロナ育成

FCバルセロナの優勝で幕を閉じたU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2013。決勝戦で敗れはしたものの、リバプールFCアカデミーもイングランドらしい力強さ、激しさとテクニックが共存したプレーを見せてくれました。リバプールのアカデミー・テクニカル・ダイレクターをつとめるのがロドルフォ・ボレル氏。
 
かつてはFCバルセロナの下部組織で14年に渡って指導し、メッシやピケ、セスクらがいた黄金世代の監督を務めていた人物でもあります。元FCバルセロナ監督、グアルディオラも師事するボレル氏に、アカデミーでの仕事について聞いてきました。
 
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■アカデミー・テクニカル・ダイレクターとは? 

「日本のみなさん、こんにちは。リバプールFCのアカデミー・テクニカル・ダイレクター、ロドルフォ・ボレルです。今回は私が長年携わっている、選手の育成について話をさせて頂きたいと思います。まず、私の肩書でもあるアカデミー・テクニカル・ダイレクターの説明をさせてください」
 
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「私の仕事は、アカデミーに関するすべてのことです。なかでも重要なのが、『リバプールのアカデミーはどのような方向へ進むべきか』という、ロードマップを作ることでもあります。私がリバプールへ移籍したときに、クラブから期待されたのが、アカデミーの「スタイル」を作ることでした。
 
これまでは、トップチームの監督が変わるごとにサッカーのスタイルが変わり、アカデミーの方針も変わっていました。しかし、それでは効率的な強化ができないということに、クラブは気がついたのです。トップチームの監督と一緒になって、アカデミーをどうしていくかを決めることが、私の重要な仕事です。トップチームのフォーメーションやスタイルが模範となり、そこにあわせてアカデミーを作っていくのです」
 
 

■チームのスタイルに合った選手を見つけ育てる

「同時に、私はアカデミーのトレーニングメソッドを作成し、どのようなプレースタイルを採用するかという監督業的なこともしています。クラブとしての哲学、プレースタイル、すべてを加味して、リバプールはどのようなサッカーをしていきたいのかを決めていきます。その後、標榜するプレースタイルを実現するために、どのフォーメーションを採用するかを考えます」
 
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「いまは(1)-4-3-3のフォーメーションが良いと考えています。我々は育成年代からトップチームまで、同じフォーメーションで戦います。下部組織から4-3-3でプレーすることで、選手がトップチームに上がったときに、すぐに適応することができます。
 
工場の製造ラインのように、下から上へと選手が送り込まれるのです。これはバルサと同じ考えです。私は14年間、バルセロナの下部組織で指導をしてきました。私がいた時に、その考えができました。
 
その意味では、私は『工場長』なのかもしれません。自分の持っている製造スタイルに合わせて、合致する特徴を持った選手をみつけだし、指導をします。サイドバックの選手を例に上げると、スピードがあり、縦への突破力を持っている選手。さらには周りと連携することができ、クロスボールを上げることのできる選手です」
 
 

■スタイル、フォーメーションに必要なトレーニングを行う

「私はチームのスカウトに、この条件にあった選手を見つけてきてもらうようにリクエストします。この作業をすべてのポジションで行い、チームが確立されていきます。ただし、イングランドには16歳以下の選手に関して、「クラブまで1時間15分以内に通える子どもでないと所属することができない」というルールがあります。これはスペインと大きく異なる点です。近隣にはプレミアリーグのたくさんのクラブがあり、選手を奪い合っている状態です。選手の獲得については、難しい状況にあるのは間違いないでしょう」
 
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「サッカーのスタイル、フォーメーションが決まったところで、各ポジションに必要なスキルをトレーニングしていきます。たとえば、最終ラインからビルドアップするチームを作りたいのであれば、テクニックがあってボールをつなぐことのできる選手が必要になります。そこで、トレーニングを通じてポゼッションゲームなどの練習を行います。
 
年齢によって何を重視するかは変わりますが、小さいうちはテクニックを重視します。年齢が上がるに連れて、戦術面に力を入れていきます。たとえば、小さい時に英語を習うとします。大人になってから習うよりも吸収は早いですよね。同じように、サッカーも小さい時に技術を身につけることが重要です。しかし、12歳になると8人制から11人制へ変わるので、戦術も身につけておかなければいけないと考えています。そのため、技術と並行して戦術も教えていきます。もちろん12歳以下でも、たとえばサイドに広がるなど、ベーシックな戦術は教えます」
 
世界でも有数の育成指導者であるロドルフォ・ボレル氏。次回は彼の育成哲学と日本サッカーに対する印象に迫ります。
 
▼この記事の続きはこちら
日本の育成課題は『守備』にある。グアルディオラの恩師が提言
 
 
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ロドルフォ・ボレル//
スティーブン・ジェラードはじめ、数多くのスター選手を輩出してきたイングランドの名門クラブ、リバプールFCのアカデミー・テクニカル・ダイレクターを務める。元々、FCバルセロナの下部組織(カンテラ)で14年に渡って指導した経験を持ち、バルサのカンテラで最もタイトルを獲得した監督としても知られる。
 
 

■FCバルセロナの元コーチが教える「サッカー選手が13歳までに覚えておくこと」

FCバルセロナの選手や世界のトッププロをサポートしてきたスペインの世界的プロ育成集団「サッカーサービス社」が監修した選手が見て学べるU-13世代の選手向け教材。彼らが分析した「Jリーグ」の試合映像をもとに、攻守の個人戦術からグループ戦術まで、選手のサッカーインテリジェンスを磨く32のプレーコンセプトを解説。将来、プロや海外で活躍することを目指す選手必見の教材。
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【U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2013特集】
 
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【表彰セレモニー】歓喜に沸くFCバルセロナ。日本中が注目した4日間
【大会結果レポート最終日】6試合30得点1失点でバルサが優勝!
 
 
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取材・文/鈴木智之、写真/新井賢一

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