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こころ

保護者同士の「困った」の解決で、子どものサッカーはもっとよくなる

2013年5月 2日

キーワード:メンタル悩み

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子どものサッカーチームで、保護者の役割はとても大きいもの。それだけに行き違いやお互いの理解不足などから、保護者間の悩みやトラブルが起きやすくなります。しかしそうした状況を「保護者同士は仕方ない、関係ない……」とあきらめず、互いのメンタル強化という視点で解決の道を探ると、「子どもたちのサッカーにも、とてもいい影響があります」という話を高妻先生にお聞きしました。
 
 

■アメリカで起きた保護者問題が日本でも

保護者同士の人間関係のもつれ、また保護者がコーチや監督と接するときの誤った考え方や行動。こうした状況は20年以上前にアメリカでも起きていたと高妻先生は言います。
 
「自分の子どもをプロスポーツ選手にしたいと願う保護者の言動が、子どもの練習やコーチの邪魔をして、結果的にその子の成長を妨げていました。よくある例が保護者の役割を超えて、子どものプレーやチームに干渉しすぎるケースです」。
 
実際に『サカイク』のアンケートでも、このような悩みや意見は寄せられています。
 
【こんな「困った」があります】
 
・パパコーチの奥様までコーチのような態度・発言は改めたほうが良いと思いますが、コーチのご機嫌が損なわれると困るので言えません。
 
・とにかく顔を出したがる。試合中でもコーチングしている監督・コーチにあいさつに行き、子どもがやるべきことを先回りして手を出してしまう。
 
「これはコーチの役割と保護者の立場が明確でない、また監督もチームをしっかりマネジメントできていないことが原因でしょう。そこで保護者だけで話し合っても、感情論になりかねません。監督も交えた保護者会を開いて、『技術指導はコーチの役割、保護者は応援役』と立場を再確認するべきだと思います。その際にはチームが保護者に求めること、つまり『保護者がやっていいこと、やってほしいこと、反対にやるべきでないこと』について例を挙げて分かりやすく説明して、理解を深める機会にしてほしいですね。」
 
また保護者会はチームから一方的に告げるだけではなく、保護者の立場からも意見や希望を言う機会にしてほしいと高妻先生。
 
「ただしその場で意見交換をして方針に納得したら、保護者はサポート役に徹することが大切。メンタルを強く持ち、言いたいことを少し我慢して、ネガティブでなくポジティブに応援してください。そうすれば子どもは指示の混乱もなく、ポジティブな応援でのびのびと活躍できるでしょう。当然本人の技術も向上して、チーム全体の雰囲気もよくなると思います。」
 
【解決へのポイント】
保護者会で監督を交えて、コーチと保護者の役割分担を再確認する。その場に限って保護者から監督やコーチに対する意見や希望もOK。
 
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■チームの方針を守るという約束

逆にチームに無関心、または役割分担をしてくれない、といった不満もあるようです。
 
【こんな「困った」があります】
 
・運営上、手伝いや雑務と言った形でのサポートが必須なのに、全く関わろうとせず、声をかけても、逃れることばかり考えている方もいる。
 
・送迎、その他試合にはほとんど見に来ない、保護者会にも参加しない。
 
「保護者の皆さんは本当に大変だと思いますが、さまざまな当番のお願いはチーム運営に必要なことです。それに関わるルールが守れないのは、チームの方針に従っていないのですから、監督から該当する人にきちんと話してもらうべきでしょうね。本来はチームの方針や考え方を最初に説明して、どんな協力が必要なのかにも合意して入るようにしてほしいのです。チーム側もそうした説明責任は大切になってくると思います。」
 
協力の度合いはチームの目的によっても違うでしょう。例えば「うちのチームは試合での勝利より、みんなで成長し合うサッカーをめざしている。だからこそ保護者も練習や試合準備に協力して、その成長を見守ってほしい」という考え方もあるでしょう。
 
「試合に勝つことも重要です。しかしのびのび楽しいサッカーをめざすチームでも、子どもは十分に成長できると思います。練習してうまくなったと努力をほめる、レギュラー争いで子どもが自分の力不足を実感する。チームで起きる出来事をしっかりと受け止め、その経験を勉強や将来の仕事でも生かせるよう、人間形成の場にしてほしいですね。そのためには保護者の皆さんが子どものメンタルを理解して、『結果ではなく努力をほめる』など適切なサポートをしていただくことが大事です。」
 
【解決へのポイント】
監督から「何のために役割分担があるのか」と方針を説明。納得できないなら、チームへの参加を再検討してもらう場合も。
 
 
参考文献:『今すぐ使えるメンタルトレーニング コーチ用 』『野球選手のメンタルトレーニング 』『基礎から学ぶ!メンタルトレーニング 』(ベースボールマガジン社)
 
【この記事を読んだ人にはこちらもオススメ!】
連載:「子どもを伸ばす親は、これをする」高妻教授の保護者メンタル強化論
その応援は逆効果!子どもを育てるのは、保護者のこんな言葉
 
 
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高妻容一(こうづまよういち)//
1955年生まれ。東海大学体育学部教授。国際メンタルトレーニング学会、国際応用スポーツ心理学会など多数の学会に所属。1994年にはスポーツ心理学を背景としたメンタルトレーニングの組織「メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会」を設立し、日本でのメンタルトレーニングの正しい理解と情報交換を目的に活動を続けている。近著に『子どもの本番力を120%引き出す方法』(PHP研究所)など。
 
メンタルトレーニング・応用スポーツ心理学研究会のご案内】
●会員/メンタルトレーニングに興味のある人ならどなたでも
●会費/入会金、年会費、なし 参加費は各支部会で徴収するところもあります。
●参加/ 開催日に直接参加してください。予約はいりません。
 
◎東海大学(本部)
毎週月曜日 19:30~21:30 開催(担当 高妻 容一)
東海大学15号館4階第1会議室(小田急線東海大学前下車徒歩15分)
参加費:無料
ただし、大学の休暇期間中は、お休みになります。
 
◎関東支部
毎月第4金曜日(不定期) 18:00~21:00 開催(担当 高妻 容一)
青山学院大学 (開催日程と教室は下記よりご確認ください) JR山手線渋谷駅下車徒歩15分
参加費:一般500円 学生200円
 
◎静岡県支部
毎月第2金曜日(不定期) 18:00ー20:30 開催(担当 高妻 容一)
東海大学付属翔洋高等学校 (開催日程と教室は下記よりご確認ください)
参加費:一般1000円 学生・高校生300円 中学生以下200円 
 
※詳しい日程や開催教室はコチラよりご確認ください
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取材・文/山辺孝能 写真/新井賢一(ダノンネーションズカップ2013より)

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