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インタビュー

FC東京・森重真人 自分の武器を磨いて自信を持ってプレーしたい

2013年10月 4日

キーワード:FC東京日本代表

昨日に続き、今月の欧州遠征に挑む日本代表に選出されたFC東京の森重真人選手のインタビューをお届けします。中学生以降のチームや勉強の事、支えてくれたご家族のお話など、たくさんの思い出を振り返りながら語っていただきました。
 
<<試合が楽しみで毎日ワクワクしてた子どもの頃
 
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■ユースよりも高校でプレーしたほうがプロに近づくと考えた

――その頃、サッカーと勉強の両立はどのように行っていましたか?
 
「中学生の頃は、勉強の方に関しても、指導者から厳しく言われていましたね。テストの結果は、毎回(指導者に)見せなければならなかったですし、そこでダメであれば、勉強合宿に参加しなければなりませんでした。僕も、何度か勉強合宿に参加して勉強しましたね(笑)」
 
――日々の生活の中では、どのように勉強していましたか?
 
「学校の後はすぐに練習に向かい、練習が終わって自宅に帰ってくる頃には遅い時間になっていたので、普段は宿題をする程度で、ほとんど勉強する時間はありませんでした。高校時代はテスト前になると、よく先生に“どこが出るのか?”と聞いていました。“ここからここまでの間で出すから”と言われれば、そこは集中的に頑張って勉強していましたね。(高校時代は)赤点を取ると丸刈りというルールもあったので、最低限の勉強はやっていたような気がします。丸刈りになった記憶がないので、多分、一度も赤点を取ったことはないと思います」
 
――もう少し勉強しておけばよかたなと、今になって感じることはありますか?
 
「英語をやっておけば、今頃はもう少しネマ(ネマニャ・ヴチチェヴィッチ)とも話せたのかなとか、国語をやっておけば、ヒデ(高橋秀人選手)のように、難しいことも話せたのかなとは思いますね(笑)。しかし、勉強に全力を注ぐ分まで、僕はサッカーを頑張ったんだなと、ポジティブにとらえています」
 
――その高校時代ですが、強豪・広島皆実でプレーしました。
 
「高校1年生で試合に出られれば、プロの方々が注目してくれると考えていたので、まずは1年生から試合に出ないと、という気持ちがありましたね」
 
――サンフレッチェ広島のジュニアユースからユースに昇格したいという気持ちも強かったと思うのですが、残念ながら昇格できませんでした。それが発奮材料になりましたか?
 
「僕はユースよりも、高校でプレーした方が、プロになりやすいのではないかな、と考えていましたね。そういうように考えていたので、ユースに昇格できなかったことに関して、深く落ち込むことはありませんでしたし、何ごとにも前向きに取り組むことができていたと思います。ただ、高校時代、広島ユースと試合をする時は、多少なりとも意識をしていましたし、“お前らには絶対に負けないぞ”という気持ちでプレーをしていましたね」
 
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■共働きで自分のサッカーを支えてくれた両親

――森重選手がサッカーを続けることに関して、ご両親はどのようにサポートしてくれましたか?
 
「両親は何も言わず、自分がやりたいことをやらせてくれました。両親ともに働いていましたし、それほど裕福だというほどの家庭ではありませんでした。それでも、お金の面に関してもそうですし、スパイクが必要になった時は購入してくれるなど、サッカーを続けることに関しては、できる限りの後押しをしてくれました。当時は何も考えずサッカーをしていましたが、こうやってプロになり、いろいろと考えるようになって、あらためて両親に対して感謝しなければならないと痛感します。本当に自分がやりたいサッカーを、思う存分、自由にやらせてくれましたからね」
 
――森重家の教育方針があれば教えてください。
 
「基本的にはもうほとんど自由にやらせてもらっていたような気がします。さすがに、人様に迷惑をかけるようなことがあれば、みっちり怒られましたけど」
 
――これまでの間で、ご両親、または指導者からかけられた言葉の中で、印象に残っているものはありますか?
 
「2年ほど前に、小学生時代の監督が東京に来る機会があり、食事をすることになったのです。確か、僕が東京に移籍して1年目のシーズンが終了後した年末年始の頃だったのですが、その年はパフォーマンスもよくなく、イエローカードもたくさん受けていたんです。さらに成長していかなければならないという時期に、監督からこんな話をされました。『自分たちの小学校や地域から、プロ選手が生まれたことはすごくうれしい。ただ、あれがうちの小学校でやっていた森重だぞと言えるようなプレーはしていない。今のままでは、胸を張って、“これが森重だぞ”と、子どもたちには言えないぞ』と。その頃の自分は、ファウルや荒いプレーが多く、調子の波もあった。そういう話をされて、あらためて、自分一人でサッカーをしているわけではないと痛感しましたし、改めて、いろいろな人の支えがあってこそ、ここまで来ることができたのだと感じました。その言葉は今の自分の成長につながっているのではないかと思います」
 
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■どうすればできるようになるか、しっかり考えることが大切

――さて、サッカーにおいて大切と言われる “考える力”はどうすれば養うことができると思いますか?
 
「中学生くらいの頃は“あのプレーなら自分にもできる”と思って、いろいろチャレンジしていたことが、考えることにつながっていたのかもしれません。高校時代であれば、もう少し足が速くなりたいから、陸上部の先生に『どうしたら速く走れるのか』『どのようなトレーニングをしたらいいのか』と尋ねたこともありましたが、それも考えるということだったのかもしれません。ただ。当時はまだ、それが“考えること”だとは思っていませんでしたし、自分の中でも?考えながらやっているな”というような認識はなく、まさに無意識の中でとっていた行動でした。ただ、やはり今のように、自分には何が不足していて、何が必要なのかを考えてやれていれれば、もっとレベルアップできていたと感じますし、僕はできませんでしたが、それが幼い頃からできれば、それほどすごいことはないと思いますね」
 
――そのような面で言えば、“上手くなりたい”というように、目標や目的を持つことは大事だと思われますか?
 
「そうですね。目標や目的を達成するためには、自分が何をしなければならないのかを考え、そして具体的に実行していくわけです。それはプロになってもみんなやっていることですが、早いうちからそれに気づくことができ、実行することができれば、すばらしいことですよね」
 
――子どもが考える力を養うために、親御さんはどのようにフォローすればよいでしょうか?
 
「サッカーのプレーそのものに関しては子供に自由にやらせてそれ以外の部分、例えば、感謝することや整理整頓、汚れた服を洗ってもらうことが当たり前ではないこと、スパイクを毎日磨いて大事にするなど、サッカー以外の部分で大切なことを教えてあげる。その時は気づかなくても、成長すればするほど、自分がなぜそういう言葉を言われていたのか気づくと思いますし、気づいた時には、より自分で考えるようになっているのではないかなと思います」
 
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■サッカーを楽しいと思うまで、練習を続けてほしい

――悩みを抱えるジュニア世代にアドバイスを送るとしたらどんな言葉を送りますか?
 
「サッカーを続けていて、うまくいかず、やめたいと思うこともあるかもしれませんが、そこで諦めないでほしいですね。何か1つ“これ!”という自分の武器があれば、それを磨いていけばいい。“あの子にはできるのに、自分にはできない”と悲観的になるのではなく、“自分にはこれがあるんだ!”と自信を持ってほしい。弱点を悲観するよりも、長所を伸ばすことを考えてほしいですね。大人になれば、弱点の克服の仕方もわかってくると思いますし、幼い頃は、それ以上に、サッカーを楽しんでやり続けることが大事だと僕は考えています」
 
――では最後に、ジュニア世代の子供たちへのメッセージと森重選手の今後の抱負をお聞かせください。
 
「やはり、サッカーは楽しくないと続けられないと思いますので、楽しいと思うまで練習してほしいですね。また、結果がついてくるか、こないかというのは、まだこだわるべき年代ではないと思いますし、それ以上に、それまでの過程を大切にしてほしいですね。(目標に関しては)まだシーズンは続いていますので、1戦1戦を大事に戦い、できる限り高いところを目指してチャレンジしていきたいですし、リーグ優勝、ACL(アジアチャンピオンズリーグ)を狙って、最後まであきらめず戦っていきたいと思います」
 
 
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森重 真人//もりしげ・まさと
1987年5月21日生まれ。広島県出身。FC東京所属。中学時代はサンフレッチェ広島ジュニアユースでプレー。広島県の広島皆実高校では、1年生から試合に出場し活躍した。2006年、大分トリニータに加入し、同年10月にはU-19日本代表に選出され、AFC U-19に出場。日本の準優勝に貢献し、翌2007年のU-20W杯カナダ大会でベスト16入り。同年のシーズン後半からは、大分でレギュラーとして活躍。2008年には北京五輪に出場した。その後、2010年にFC東京へ移籍。守備の要として、今やなくてはならない存在に。今季からはFC東京で主将に指名され、7月には2009年1月以来、約4年半ぶりとなる日本代表に復帰。東アジアカップ中国戦で国際Aマッチ初出場を果たし、日本代表の優勝に貢献した。
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取材・文/石井宏美 撮影/新井賢一

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