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インタビュー

周りから『成長した』と認めてもらえる1年にしたい――原口元気(浦和レッズ)

2013年2月26日

キーワード:浦和レッズ

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小学生時代は全日本少年サッカー大会で全国優勝し、中学進学と同時に浦和レッズジュニアユースに入団した原口元気選手。当時、なかなか身長が伸びず成長の早い子たちに抜かれて、スピードでも当たりの強さでも負けてしまい、気持ちも焦っていたそうです。そこからどのように克服していったのか、指導者や保護者はどのように関わっていたのかをお聞きしました。
 
 
<<前編:ドリブルだけは誰にも負けない気持ちが強かった小学生時代
 
 

■自転車で往復2時間かけて練習場に通ったジュニアユース時代

――その時期、成長を促すために、何か特別なことは行いましたか?
 
「とくにはありませんが、バランスのよい食事は心がけていましたし、そこは親も気にかけてくれていました。浦和レッズのジュニアユースも練習が終わってすぐに食事が摂れるようおにぎりを用意してくれました。僕は自宅から練習場まで片道1時間程度かけて通っていたんです。練習が終わって帰ると22時を過ぎる。練習後30分以内に食事を摂るのがいいと言われているので、チームが準備してくれていた食堂で夕食を摂った後に帰っていました」
 
――往復2時間をかけて練習に通っていたんですね。
 
「学校が終わって走って家に帰り、自転車を飛ばしてやっと練習に間に合う。そしてまた練習後、自転車に乗って帰ると、家に着くのが22時半。大変だったけれど、毎日が楽しかったですね。でも、勉強との両立は大変でした」
 
――どのように両立させていたのですか?
 
「普段は練習がハードだったので、あまり勉強はできなかったけれど、テスト期間は集中して勉強する。やると決めたらやるタイプでした。テスト1週間くらい前から勉強スケジュールを立てて、しっかりと勉強していました。それを行っていなかったら、多分、ビリ争いを繰り広げていたでしょうね(笑)」
 
――ご両親からは「勉強しなさい」と言われましたか?
 
「両親は、高校では僕を進学校に行かせたいと思っていたようで、中学3年の始めの頃は、『ここからしっかり勉強すれば、受験に間に合う』と考えていました。ただ、さすがに秋頃になると、あまりにも練習がハードなので、進学校に行くのは無理だなと悟ったようで、最後は半ば諦めていました。ただ、テストの点数が悪いときは、練習への参加を禁じられたことはありましたね」
 
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■子どもはプロになりたい、もっとうまくなりたいと強く思うだけでいい

――ジュニア世代の時期に、原口選手がもっとこうしておけばよかったと感じていることはありますか?
 
「小さい頃はなんとなくボールをキープすることができていたので、蹴る前に周りを見ることをあまり必要としなかったんですが、今になって“あの時もっとしっかりとやっておけばよかったな”と、後悔することはあります。ですから、これから、とくに中盤でプレーしたいと思う人は、ボールを蹴る前にパッと周りを見る習慣をつけてほしいですね」
 
――ジュニア世代は指導者の存在もとても重要だと思います。
 
「よく選手同士でも小さい頃どんな練習をしたかということを話すのですが、例えば(山田)直輝は『常に周りを見ろ』と言われ、僕は『ドリブルをしろ』とよく言われていました。それが結局、今の自分自身のプレースタイルにつながっているということを考えると、幼い頃の指導は大事だなと痛感します。また、指導によって、その子どもが、どのような選手になっていくのかも、ある程度決まってくるんじゃないのかなと思いますね」
 
――指導者の存在は非常に重要だということですね。
 
「幼い頃は、まだサッカーそのものを深く理解しているわけではないし、うまくなりたいという気持ちが強ければ強いほど、大人の言うことをしっかりと聞く。周りに影響を受ける年齢でもあると思うのですが、だからこそ、身近な指導者の存在が重要なんです」
 
――原口選手もジュニア世代の頃は、そこまで深く考えることはできていませんでしたよね?
 
「もちろんですよ。ただサッカーをするのが楽しいというだけで、次の試合に勝とうとか、そういうことしか考えていませんでした。でも、子どもは強烈にプロになりたいとか、強烈にサッカーがうまくなりたいとか、そう思うだけでいいと思うんです。当然ながら、まだ経験がない分、いい答えは見つからない。周りの人が言い過ぎてもよくない時はあるけれど、ある程度、方向性は示してあげることは大事なことですよね」
 
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■夢は大きく、たどり着かない目標でも強く願う事で努力することができる

――サカイクは『考える力』をテーマにしていますが、考える力を養うためにはどうしたらいいと思いますか?
 
「僕はよく『お前の考えは甘い』と言われました。自分ではいろいろと考えて言葉を発したつもりでも、『甘い』と言われ、中学の頃は“なんだよ、うるさいな!”と感じたこともありました。まさに反抗期(笑)。自分の中でより考えるようになったのは、高校生くらいになってからですね。その都度、自分が必要だなと感じたら、必然的に考えるんじゃないかなと僕は考えています」
 
――親御さんはどのようにフォローしたらいいと思いますか?
 
「たとえば、ただ『考えが甘い』と言うのではなく、『将来何になりたいの?』『じゃあ、それになるためにはどうしたらいいと思う?』と、子どもが自然と考えられるように対話を持ちながら、そういう環境を作っていくことが、とても大事だと思います」
 
――ジュニア世代の子どもたちへメッセージをお願いします。
 
「夢や目標はすごく大きなものにしてほしい。そうすれば、その想いが自然と行動にも現れると思うから。たとえ、たどりつかないという目標でも、強く願うことで、努力をすると思うから。僕も『プロになりたい』『日本代表になりたい』と誰よりも強烈に思っていたからこそ、努力してこられたと思います」
 
――2013年の原口選手の目標を教えてください。
 
「今年はリーグ戦やカップ戦に加え、アジアチャンピオンズリーグにも参加します。クラブ単位で海外のチーム、選手と戦えることはすごく貴重な経験だと思いますし、僕にとってもいい刺激、いいチャンスになると思っています。どのポジションでも、とにかくしっかりと試合に出られるよう万全の準備をし、周りから成長したなと思われる1年にしたいですね」
 
 
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原口 元気//
はらぐち・げんき
FW。1991年5月9日生。埼玉県熊谷市出身。浦和レッドダイヤモンズ所属。2003年の第27回全日本少年サッカー大会で、江南南サッカー少年団の主力選手として優勝し、中学進学と同時に浦和レッズジュニアユースに入る。ユースチーム昇格1年目からサテライトの試合に出場(2007年は4試合、2008年は2試合)。2008年5月23日付けで2種登録選手としてトップ登録され、2009年1月30日に日本人でクラブ史上最年少で浦和レッズとプロ契約を締結した。
 
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取材・文/石井宏美 写真/新井賢一

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