1. サカイク
  2. コラム
  3. インタビュー
  4. 子どもたちを様々な面から理解して、人としての成長を促すACミランの指導メソッド

インタビュー

子どもたちを様々な面から理解して、人としての成長を促すACミランの指導メソッド

2012年10月24日

キーワード:育成

22-thumb-600x400-579.jpg
 
世界でも有数の人気クラブ、ACミラン。ここ日本では愛知と大分にACミランサッカースクールが常設されています。今回はこのACミランのスクール部門責任者であるミケーレ・フェラリスさんにミランの育成哲学などについてお聞きしました。
 
 
<<前回の記事(「ACミラン」のプロジェクト)を読む
 
 
――新しいミランのプロジェクトの中心に子どもたちが据えられていました。子どもを中心にした意味を教えてください
 
「子どもたちに様々なサービスを提供したいというのが新しいミランの基本コンセプトです。ミランのファンはもちろん、まだファンではない子どもたち、イタリアの子ども、外国の子どもたち・・・・・・。育成や選手養成というよりも、ミランをサポートしてくれるファンになってもらうという、マーケティングの意味からも子どもたちからの声援や応援は大切だと考えています。もうひとつ、“ミラン・ラボ”のようなサービスでも表現されていると思いますが「身体と心によいことをする」というのがミランのクラブとしての哲学です。育成の核となる“ミラン・アカデミー”で指導者を育て、ミランの哲学を子どもたちに伝える“良き指導者”を育成する。コンセプトの中心にいる子どもたちへのアプローチとして“ミラン・アカデミー”での指導者養成は非常に重要ですね」
 
20121022-3-4-003-thumb-600x400-579.jpg
 

■プレーヤーとしてだけでなく、人間としての成長を促すのがミラン流

――アカデミーでは指導者にどんな教育をしているのですか? またミラン・ジュニアやスクールではどのような哲学で指導しているのか教えてください。
 
「まずアカデミーでの指導者への教育ですが、子どもたちを指導するには多くの知識や経験が必要です。当然、年齢によってアプローチも違ってきます。概略的な話になりますが、サッカーの技術やテクニックだけではなく、子どもたちをよく理解し、導ける能力、たとえば児童心理学を学ぶ、医学的、栄養学的知識を身につけるだとか、指導に当たってのベースの部分をとても大切にしています。日本ではそんなことはないと思うのですが、欧米では子どもの肥満が社会問題になっています。そういった問題もトレーニングの中だけでなく毎日の食事に気を配らなければいけませんし、それに対処する正しい知識が必要です。
 
肥満と同じく、街で育った子どもたちの体力低下というのも問題です。友達が作れないといった、社交面の問題も最近はよく見られるようになりました。ミランではプレーヤーとしてだけでなく、人間として成長するための教育に力を注いでいます。アカデミーでは体力面、精神面での成長を適切に促すことのできる指導を身につけるために、様々なプログラム、カリキュラムが組まれているのです」
 
――日本でもスクールを開校して指導されています。日本の子どもたちはいかがですか?
 
「とてもいいですよ。愛知と大分でスクールを開校しましたが、かなり多くのみなさんにご参加いただいて、指導内容、プログラムに関しても生徒さんから満足の声をいただいています。このような反響をいただけることは私としてもとてもうれしいです。大分校は5月に開校したばかりですが、これからさらに発展していくと思います。
 
ミランスクールでは、コーチ陣にミラン独自のトレーニングマニュアルを準備しています。コーチからの指導を通じて、ミランのビジョンがわかっていただけるのではないかと思います。先ほどお話ししたように、やはり子どもたちの指導においては、コーチの能力が非常に重要だと考えています」
 
20121022-3-4-004-thumb-600x400-580.jpg
 
――日本の他にもアジア各国でスクールを開いているそうですね
 
「ええ、もちろんです。香港、マカオ、オーストラリアのシドニー、クウエート、11月にはインドネシアのジャガルダ、中国でも近々スクールを開く予定になっています」
 

■厳しい外人枠をはねのけ、ミランで日本人選手が活躍する日が来るかも?

――スクールの拠点を置くことと、スカウトは別だと思うのですが、お隣のチームには日本人の長友選手もいます。ミランで日本人選手が活躍する可能性については、いかがでしょう?
 
「せっかくの質問ですから正直なお話をさせてもらいましょう(笑)。セリエAにはEU以外の選手の制限枠があります。この厳しい枠を勝ち抜くには相当な実力が必要です。現在ミランのトップチームではやはり強力なFW選手、特に南米の選手が第1選択肢になっています。もちろん将来、これを読んでいるみなさんがこの1枠に入ってくるような選手になってくれれば、ACミランで日本人選手が活躍する日も来ると思いますよ」
 
 この日の朝、来日したばかりのミケーレさんでしたが、日本の子どもたちとサッカーをするお子さんを持つ親御さんのためにと、快くインタビューに応じてくれました。ひとつひとつの質問に、丁寧に答えてくれたミケーレさん。ACミランの哲学、理念はすでに開校しているサッカースクールなどを通じて日本にもすでに伝わっています。こうしてまかれた種が、いつの日か欧州の舞台で戦うトップチームで花開く日が来るかもしれません。
 
ACミランサッカースクール愛知
ACミランサッカースクール大分
1
取材・文/大塚一樹

関連記事

関連記事一覧へ

インタビューコンテンツ一覧へ(139件)

コメント

  1. サカイク
  2. コラム
  3. インタビュー
  4. 子どもたちを様々な面から理解して、人としての成長を促すACミランの指導メソッド

Pickup

サッカースクール検索サイト ケリなび

週間記事ランキング

  1. 試合を想定した練習で止める、蹴る、運ぶなど個人技術を磨く! ブラジル名門クラブの「パス&コントロール」トレーニング
    2017年6月16日
  2. 次のプレーを考えず、ボールが来るととりあえず蹴ってしまう子どもたち。プレーの判断をどう指導したらいい?
    2017年6月16日
  3. 【必見】毎日コツコツうまくなるサッカー自主トレーニングメニュー
    2012年6月26日
  4. 「運動中は水飲むな」は昔の話! 現役時代とこんなに違う、お父さんコーチに知ってほしいサッカー今昔物語
    2017年6月20日
  5. 新しいクラブで試合に出られない プレーが消極的な息子をどう支えたらいいの問題
    2017年6月22日
  6. 結成7年で強豪チームに。甲府U-12が取り組む「試合に生きるトレーニング」とは?
    2017年2月 1日
  7. ボールを奪うための準備が課題の子どもたち 相手にボールが渡る前の動きをどう指導すればいい?
    2017年6月23日
  8. 【速く走るための参考にしたい記事】ふくらはぎやアキレス腱の使い方をマスターしてスピードアップ!
     
  9. 1対1に自信がつく! ディフェンスで大事な3つの姿勢
    2012年4月27日
  10. すぐ速く走れるようになる!陸上メダリストの為末選手伝授の速く走る方法
    2013年6月13日

一覧へ