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運動能力

運動オンチはいない!運動神経はトレーニングで改善する

2014年3月13日

キーワード:親子運動神経

「生まれつき“運動オンチ”な子どもはいません。子どもの運動神経は、彼らのパーソナルトレーナーとも言える親次第で良くも悪くもなります」
 
そう断言するのは、卓球の福原愛選手やテニスのクルム伊達公子などのトップアスリートから市井の人々に至るまでを、フィジカルとメンタルの両面からサポートする中野ジェームズ修一さん。
 
親ならば誰でも、子どもの運動神経について考えたことがあるのではないでしょうか。かけっこで友だちから出遅れるわが子を見て「親である自分の運動神経が悪いのだから仕方ない」と思ってしまうケースも少なくないと言います。そんな「運動神経は生まれ持ったもの」という親の思い込みに、中野さんは苦言を呈します。
 
今回はパーソナルトレーナーとして第一線で活躍をする中野さんに、子どもの運動神経を改善する方法を伺ってきました。
 
中野ジェームズ修一さん
 

■好きなスポーツだけでなく、左右対称のスポーツもやろう!

 左右対称のスポーツは、運動神経を改善するうえだけでなく成長期の子どもの体に、非常に効果的です。その中でも、水泳は身体に余計な負荷をかけることなく、全身をくまなく鍛えることができると、中野さんは推奨しています。
 
「“サッカー選手になりたい”とう夢を描く子どもたちには、その夢しか見えていません。親の役割は、その夢に向かうための小さな階段を築いてあげることです。小さな階段とは一か月、一週間、一日単位の目標です。その意味でも、左右対称のスポーツを取り入れることは大切です。さらに言えば、骨格形成が不十分な成長段階でテニスや野球のような左右のバランスの偏ったスポーツをプレーしすぎると、子どもの骨の成長に負担をかけることに繋がります。『サッカー+水泳』『野球+水泳』など、複数のスポーツを組み合わせることをおすすめします」(中野ジェームズ修一さん、以下同)
 
 

■走る動作を身につけよう

走る動作はあらゆる運動の基本。運動神経の悪い子どもの共通点として挙げられるのが、走る動作が下手なことだと中野さんは言います。
 
「ブレることのない体作りのためには、バランスの良い走りを身に付けるべきです。そのためにきついトレーニングをする必要はありません。ペースはゆっくりでも構いませんので、とにかく“走る”という動作に慣れることが大切です。走る動作に慣れれば、必然的にバランスの良い走りを身に付けることになります。それがゆくゆくは、運動神経をバランスよく改善ことに繋がるのです」
 
 

■まずはこれから! 楽しみながらできるトレーニング

一度にたくさんのトレーニングに挑戦するのは、少しハードルが高いかもしれません。そこで『ハンドウォーク競争』『エアランニングマン』『レッグリフト&ボールキック』といったいくつかのトレーニングから始めるのがおすすめです。
 
「特に雑巾がけの体勢をとって進む『ハンドウォーク競争』は、体の基盤である足腰を中心に、体全体の運動能力を高めるトレーニングの一つです」
 
“足首のバネがない”“股関節を曲げて膝を持ち上げられない”“体の重心をどこに置いていいかわからない”などの現代の子どもたちが苦手な運動を自然と身につけることができます」
 
ハンドウォーク競争
ハンドウォーク競争
親子ともに雑巾がけの体制をとります。ひじを伸ばし、片方のひざを曲げ、もう片方のひざは伸ばします。
ハンドウォーク競争
スタートとゴールを決めて競争してみましょう。ひざは床につかないよう注意。
 
エアランニングマン
エアランニングマン
子どもはイスの端に手をつき、脚を前後に開きます。お父さんは腰に手を当ててしっかりと支えましょう
エアランニングマン
「1、2、1、2」と速めのかけ声とともに子どもの腰を軽く持ち上げ、空中を走るように脚を交差させながら軽くジャンプしてもらいます。この動作をリズミカルに繰り返しましょう
 
レッグリフト&ボールキック
レッグリフト&ボールキック
仰向けの状態でお父さんの足首を持ってもらい、両脚を浮かせてください
レッグリフト&ボールキック
両脚でボールを蹴りに行く~脚を下げる。この動作を連続で繰り返します。また、これは逆上がりのときの脚を上に持ち上げる動作の練習の一つであり、通常の腹筋運動ではないので、反動を使っても構いません。
 
NG
レッグリフト&ボールキック
脚を浮かせる際、脚を下げすぎないよう注意しましょう。脚を下げすぎると、子どもの腰椎が過剰に反ってしまい、不良姿勢の原因にもなります。
 

■子どもと一緒に親もトレーニングをする

子どもの運動神経が改善しない原因は日常生活にあることも多く、子どもの行動は親の生活環境によって左右されます。
 
たとえば、休日は家でだらだらとテレビばかり見ている家庭や必ずエレベーターやエスカレーターを使って楽をしている親と一緒にいる子どもは、親の行動を真似します。これでは基礎体力などつきようもありません。親子で「階段を駆け上がる競争をする」そんなことでも運動とコミュニケーションが取れるのではないでしょうか?
 
「まずは、子どもと一緒にできるトレーニングを習慣化しましょう。私がペアエクササイズと呼ぶそのトレーニングは、“片脚バランスキャッチボール”など親子で楽しみながらできるものばかりです」
 
子どもにやらせるのではなく、親子一緒に楽しく運動をしていくことを心がけましょう。
 
からだジャンケン
からだジャンケン
お父さんは手だけで、子どもはバランスボールの上に乗り、全身を使ってジャンケンをしましょう。グーは全身を内側に丸め込むように
からだジャンケン
チョキは手と脚を前後に開きます
からだジャンケン
パーは両手を大きく開くように。つま先だけ浮かし、かかとは床につけましょう。
 
片脚バランスキャッチボール
片脚バランスキャッチボール
片脚立ちをしながら、キャッチボールをします。上げた方の足の裏を軸足のひざの内側にしっかり付けましょう。
片脚バランスキャッチボール
逆の脚も同様に。バランスをとりながら何度か繰り返しましょう。ボールを両手でキャッチしても構いません。
 
パスゲーム
パスゲーム
仰向けの状態で寝そべり、バランスボールを両脚で挟みます。
パスゲーム
脚だけを使って、床にボールを落とさないよう注意しながら、互いにパスし合いましょう。この動作を何度か繰り返します。
 

■“自信”が子どもを成長させる

“これをすれば絶対に◯◯ができる”というトレーニングはどんな競技においても存在しません。たとえば、サッカーでシュート練習を1万回やったら“絶対に”ゴールが決まるということはないです。
 
「しかし、1万回の練習をした自信がゴールに結びつくことはあります。子どもがスポーツをするときに重要なのは、その自信ではないでしょうか」
 
「“自分はこれだけ練習を積み重ねたのだから”と自信を持つこと。親の立場から言えば、自信を持たせること。直接的ではないかもしれませんが、これも運動神経を高めるうえではとても大切です。
 
中野さんが提唱する方法で早い段階から子どもの運動神経を改善ことができれば、どんなスポーツをする場合においても活きてくるでしょう。 
そればかりか、子どもが大きくなり、成人した後にも効いてきます。疲れにくい体や長時間保つ集中力、健康的な体の維持などにも繋がるのです。
その意味でも、子どものパーソナルトレーナーである親が担うところはとても大きいのではないでしょうか。
 
 
 
中野ジェームズ修一
フィジカルとメンタルの両方を指導できる日本では数少ないスポーツトレーナー。「モチベーション」を原点とする独自の指導法で、プロテニスプレーヤーであるクルム伊達公子氏卓球の福原愛氏などトップアスリートから高齢者まで多くのクライアントの指導に携わり、現在、予約待ちと言われるほど絶大な支持を得ている。
有限会社スポーツモチベーションHP
 
遠藤由次郎

ライター&エディター。4年半の書籍編集者を経てフリーに。様々な媒体で執筆中。ライフワークは、海外でのフルマラソン。 趣味多数。

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ライター/遠藤由次郎 写真/『子どもの運動神経をグングン伸ばすスポーツの教科書』より引用

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