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第96回全国高校サッカー選手権大会
準々決勝 矢板中央 1(0-0、1-0) 0 日本文理
2018年1月5日(金)12:05キックオフ/埼玉県・浦和駒場スタジアム/観客4,711人/試合時間80分
試合は前半に動いた。前半36分、交代投入されたばかりのFW⑲大塚尋斗が抜け出してシュート。GKがはじいたこぼれを、MF⑭山下純平が冷静に蹴り込んで、矢板中央が先制に成功する。以降、攻撃的なカードを次々と切り、追加点を奪いにいくが、度重なる決定機をモノにできなかった。だが、キャプテン稲見哲行を軸に、守備陣が最後まで集中を切らさず、攻撃の嫌な流れを断ち切ったことで、日本文理に反撃のスキを与えず。1−0で矢板中央が準決勝進出を決めた。
【取材・文:安藤隆人(サッカージャーナリスト)、写真:木鋪虎雄】
■「16人がレギュラー」の矢板中央 攻め切って、8年ぶりのベスト4進出!
矢板中央の今年のチームの武器は「選手層が厚くなったことで、いろんなバリエーションが持たせられるようになった」(高橋健二監督)ことだ。チームの中心的存在だったMF⑩飯島翼が控えに回るなど、多くの選手が台頭。⑥稲見哲行と⑦松井蓮之、⑨久永寿稀也(3年)の柱となる3年生も安定感が増したことで、チームの組織力はワンランクもツーランクも上がった。
プリンスリーグ関東参入戦では昌平と日本航空を下して、来季のプリンス関東昇格を決めるなど、調子を上げて選手権に突入。結果、準々決勝まで駒を進めた。
埼玉スタジアムでの準決勝を掛けた、この日本文理との一戦でも、安定した力を発揮した。守備はCB⑥稲見とボランチの⑦松井が中心となって固めると、攻撃はFW⑨久永がけん引。
前半34分に高橋監督は早くも交代カードを切る。190センチの長身FW⑪望月謙に代えて、181センチのFW⑲大塚尋斗を投入。今年の必勝リレーとなりつつある『⑪望月→⑲大塚』を即座に決断すると、これがズバリ的中した。
直後の前半36分、縦パスを受けたMF⑭山下純平がさらに縦に浮き球のパスを送ると、これを⑲大塚が長い足を伸ばして、鮮やかなトラップ。そのままDF1人をかわしてゴールに迫ってシュート。これは日本文理GK㉕相澤ピーターコアミに阻まれるが、こぼれを⑭山下純が押し込んで、矢板中央が先制に成功する。
日本文理はエースMF⑩久住玲以、1トップの⑮亀山来駆を軸に反撃を試みるが、徐々に矢板中央の前への圧力に押し込まれ始める。後半、高橋監督はさらに攻撃のカードを切る。後半11分、左サイドバックの③内田航太郎に代えて、MF⑳板橋幸大を投入。左サイドハーフの⑧江口隼人を左サイドバックに下げ、⑳板橋を左サイドハーフに配置。
ドリブラーの⑳板橋は投入直後からキレのあるドリブルで左サイドを活性化。後半12分、右クロスをGKがはじいたこぼれ球に反応し、強烈なシュート。これはGK㉕相澤のファインセーブに阻まれた。さらに後半13分には左サイドで仕掛けて正確なクロスを供給。中央で⑨久永が合わせたが、これはバーをたたいた。
さらに攻め手を強める矢板中央は、後半19分に⑨久永に代えFW⑱山下育海を、後半29分には⑭山下純に代えてMF⑩飯島を投入。高橋監督は次々と交代カードを切り、「攻め切って勝つ」姿勢を前面に出した。
後半32分には⑱山下育が決定的なシュートを放つが、これはゴールライン上にいた相手DFにクリアされる。後半40分には、⑲大塚がカウンターからGKと1対1になりシュートを放ったが、バーの上。
追加点こそ挙げることはできなかったが、最後まで日本文理のカウンターにも慌てずに対応し、矢板中央が1−0で日本文理を押し切っての勝利を手にした。
「ウチのレギュラーは11人ではなく、交代枠5枚を含めた16人がレギュラーだと思っている」。試合後の高橋監督のこの言葉が、今年のチームを象徴していた。これで矢板中央は2009年度以来の8年ぶりのベスト4進出。チーム史上初のファイナリストに向けて、『16人のレギュラー』が歴史を塗り替える偉業にチャレンジする。
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