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2017年1月 6日

失点後も焦らず、ひたむきに。同点・逆転劇を生んだ佐野日大指揮官の言葉

キーワード:選手権高校サッカー

第95回全国高校サッカー選手権大会
準々決勝 佐野日大 2(0-0、2-1)1 駒澤大高
2017年1月5日(金) 12:05キックオフ/千葉県・フクダ電子アリーナ/観客4,532人/試合時間80分
 
<得点者>
佐野日大
梅澤峻(後半26分)
長崎達也(後半40+2分)
 
駒沢大高
米田泰盛(後半22分)
 
3回戦で山梨学院に4得点を奪った駒澤大高の攻撃を、これまでどおり5バックで跳ね返し、FW⑦野澤陸をターゲットにカウンターを仕掛ける佐野日大。そのプランは後半途中まで見事にはまっていたが、駒澤大高は後半22分にGK①鈴木怜のロングキックからヘディングを2本つないで、途中出場のMF⑲米田泰盛が反転から豪快なミドルシュートを突き刺した。これで試合の流れが駒澤大高に傾いたかに思われたが、諦めない佐野日大は自陣のFKからGK①中村一貴のキックを⑦野澤がペナルティーエリアの手前でDFと競り、⑥飯淵玲偉がヘッドで裏に出したボールを③梅澤峻がスライディングで流し込み同点。そして80分では決着つかず、PK戦になりかけた後半アディショナルタイムに、セカンドボールを中央で素早くつなぎ⑩長崎達也が劇的な逆転ゴール。佐野日大が初のベスト4進出を決めた。(取材・文:河治良幸(サッカージャーナリスト)、写真:松岡健三郎)
 
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■失点後も焦らず、ひたむきに。同点・逆転劇を生んだ佐野日大指揮官の言葉

後半22分に喫した失点は、佐野日大のプランを大きく崩したものかに思われた。それまで5バックが見事にはまり、駒澤大高のパワフルな攻撃をほぼ完璧に封じていたからだ。しかし、駒澤大高が⑲米田泰盛に続き、⑱菊地雄介を投入した直後で守備の確認がうまくできていない状況で、相手GKのロングキックからDFラインの手前でヘッドパスをつながれた。このとき、佐野日大の左SBを担う③梅澤峻は中央に絞って⑱菊地に対じしたが、反転する相手に対して「もう1歩寄せることができなかった」(③梅澤)。手前からミドルシュートを決められた。
 
残り20分を切ったところでリードを許した佐野日大。だが駒澤大高の選手たちがバックスタンドの応援団に駆け寄り、喜びを爆発させる間に佐野日大はキャプテンの④福田一成が手をたたきながら「まだ行けるぞ」という意志をチームメートに示し、すぐに前を向いた。そして、それまでと同じく前線の⑦野澤陸にボールを当て、後ろの選手が追い越しに走るという攻撃を繰り返す。
 
その象徴的なシーンが後半24分、⑦野澤が競ったこぼれ球を駒澤大高DFがGKに戻すと、⑩長崎達也が猛ダッシュで追いマイボールにした。結局駒澤大高②高橋勇夢のクリアでCKとなったが、その2分後に同点ゴールがもたらされた。⑦野澤の背後でセカンドボールを拾いにいった途中出場の⑪大熊啓太がハーフウェーラインの手前でファウルを受ける。そこから佐野日大は全体を押し上げると、GK①中村一貴のキックを前線で粘り強くつないで同点ゴールに結びつけたのだ。
 
「1点目までは海老沼(秀樹)先生もぜんぜん大丈夫と試合前から言っていたので、1点取られても冷静にと言われていたので、そこに関しては下がることもなく、逆に点を取りに行くぞと自分たちのモチベーションも上がったと思います」。一条(奈良)との3回戦から連続得点となる同点弾を決めた③梅澤が振り返るように、リードされた後も慌てず、ひたむきに、自分たちのできる攻撃を前向きにやり切る形が同点劇につながったのだ。
 
「守ってカウンターというよりも、前に出て行く準備を後ろでして、いい形でボールを奪ったら預けて前を向いて行こうという」。海老沼秀樹監督は現在のスタイルをそう表現する。だから選手たちにも「守備をしてるんだけど、攻撃の準備のための守備なんだよ」と言い聞かせてきた。試合の終盤になっても海老沼監督のその教えを忠実に実行する選手たちはセカンドボールを相手DFがクリアしかけたところでMF②小林拓海がボールを奪い、⑪大熊啓太とのワンツー突破から⑩長崎が逆転ゴールを決めた。
 
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取材・文:河治良幸(サッカージャーナリスト)、写真:松岡健三郎

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