考え・自分で行動する力を伸ばす ~サンガつながり隊よっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」~

2018年12月 6日

「はい」「いいえ」で応えられないから考える力が育つオープン・クエスチョンとは

京都サンガでは「サンガに関係する全ての人々の心を明るくすると同時に、サッカーを通じて地域を振興し、連帯を深めること」を理念としています。この理念をもとに「子ども」に焦点を当て、「子どもまんなかプロジェクト」と題し、2012年から「サンガつながり隊」という活動を行っています。

これまで福中善久コーチの「エガオノミカタ」としてお送りしてきたコラムがリニューアル。よっしぃコーチの「みんながつながり隊っ!」としてお送りしますのでお楽しみに。

好評だった初回に続き、第二回目のコラムをどうぞ。

「オープン・クエスチョン」という言葉をご存知ですか?

簡単にご説明すると、「今日の練習は楽しかった?」→「うん」、「ごはんにする? それともお風呂にする?」→「ごはんにする」という感じで「Yes」「No」のような2択をさせる質問を「クローズド・クエスチョン」と言います。

これに対して「オープン・クエスチョン」とは、「What?」「Why?」「How?」など、いわゆる「5W1H」で問いか けるもので、「Yes」「No」では答えられないような質問方法を指します。

この「オープン・クエスチョン」は、考える力を育んだり、コミュニケーションを豊かにする素晴らしいものなのです。

<<前回:「練習は好きだけど試合は楽しくない」という子をなくすために指導者が気を付けること

「うん」「ううん」で応えられない質問が子どもを育てます。

■ステップ1.「Yes」「No」だけで返事が終わらない問いかけをしてみましょう!

小さな子ども対象のイベントなどで、「みんな、今日は楽しかったかな?」「楽しかった~!」というようなやりとりがよくありますよね?

イベントの盛り上げを考えると決して悪いものではないのですが、「オープン・クエスチョン」なら「今日の練習はどうだった?」→「楽しかった」→「何が楽しかったの?」→「紅白戦でゴールできたのが楽しかった」...というように、次々と質問が派生し、子どもの情報や考え方をたくさん引き出すことができます。

一方、子どもも「うん」「ううん」と条件反射的に答えて終わるのではなく、考えを整理したり、言葉を選んだりしながら答える必要があるので、「考える力」が自然と育ちます。

■ステップ2.子どもの答えを評価・否定せず、まずは受け止め、認めてあげましょう!

時には「本当にそうなのかな?」と感じる答えが返ってくることがあるかも知れません。

でも、「今日は頑張ってたくさんシュートを打ったよ」という子どもの答えに疑問を持っても、「もっといっぱいシュートチャンスあったでしょ?」と評価したり、「見てたけど、そんなにシュート打ってた?」と否定したりするのではなく「頑張ったんだ!」とか「お~! いいね」と、まずは受け止めて(飲み込んで)あげてください。

それによって、子どもは「自分の話を聞いてくれるんだ」という安心感を得られるのです。あくまで話しやすい空気を常につくってあげるためのことだと考えてください。 何から何まで受け入れようとする(信じようとする)と、こちらが精神的に辛くなってきますからね。

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