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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019

ワーチャレでベスト4に進出した、JFA大阪府トレセンU-12の「選手を選ぶ基準」

公開:2019年9月10日

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ナイジェリア選抜の優勝で幕を閉じたU-12世代の国際大会「U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ 2019」ですが、この大会ではアジアのチームの躍進も目立ちました。

JFA大阪府トレセンU-12は、大会に向けた準備はしていないながらも、各ポジションにテクニックに優れた選手を揃え、ワールドチャレンジでベスト4に進出。準決勝でナイジェリア選抜に1対2で敗れましたが、試合終了間際に怒涛の攻撃で1点を奪うなど、堅守を誇る相手に一矢報いました。

この大会のために集まった、チームとしての練習もゼロの急造チームなのにグループリーグではバルセロナにスコアレスドロー、上位リーグでもJクラブに圧勝する強さを見せたJFA大阪府トレセンU-12。

大阪府トレセンでは、選手を選ぶ際の基準はどのようなものなのでしょうか? 監督にお話を伺いました。

(取材・文:鈴木智之、写真:吉田孝光)

 

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急造チームながらピッチ上では選手同士が声を掛け合ってお互いのプレーをフォローするなどチームとしての団結も感じられました(C)吉田孝光

 

■技術と判断力に加えて高く評価されるのは「サッカー理解」

ワールドチャレンジに出場したJFA大阪府トレセンU-12は、大阪府下から選手たちを選抜して構成されたチームで、Jクラブはセレッソ大阪を始め、街クラブからたくさんの選手が集まっています。(ワールドチャレンジに出場した、他の大阪のクラブ所属の選手は不参加)

チームをまとめる中村晋祐監督は、トレセンに選手を選ぶ基準を次のように語ります。

「まずは技術と判断力。それに加えて、ここ数年でトレセンスタッフの中で話に挙がるのがサッカー理解の部分です。サッカーというスポーツは相手よりたくさん点を取ったチームが勝ちます。ゴールを守る、ゴールを奪うことを目的に、瞬間的な状況の中で、的確に判断できる選手を選んでいます」

JFA大阪府トレセンU-12の選手はフィールドプレイヤーが24人、ゴールキーパーが6人の計30人。試合数や試合時間、ポジションを考慮して選ばれたのが、ワールドチャレンジの選手たちです。

彼らはトレセンで一緒にトレーニングしているとはいえ、チームとして大会に向けて練習しているわけではありません。しかし、ナイジェリア選抜との準決勝では、各自の高いボールコントロールスキルをベースに、相手の強烈なプレスをドリブルやパスでかいくぐるなど、随所にきらりと光るプレーを見せていました。中村監督は言います。

「トレセンとして、『こういう時はこういうプレーをしなければいけない』という決まりはなく、大切なのは状況に応じて的確な判断をすること。トレセンは大阪府下のチームから集まってきた子たちなんですが、大阪の4種年代のレベルの高さは、日頃のチームの指導力の賜物だなと感じます。それはベンチにいながら感じていました」

中村監督は「今回は私が監督なので、このメンバーを選ばせてもらいましたが、他の監督であれば、選ばれている選手もいると思います。メンバー選考の議論が盛んになるぐらい、大阪には素晴らしい選手がたくさんいます」と、レベルの高さに目を見張ります。

 

■ナイジェリアとの試合で受けた洗礼

ナイジェリアとの準決勝を振り返り、中村監督は「初めて経験したことがたくさんあった」と感想を口にします。

「テレビや雑誌で目にする、身体能力やリーチの違いとは、これかと。球際のプレッシャーなどは、子どもたちは初めて経験した感覚だと思います。パスを受けようとしても、相手の寄せが速くて強烈なので、勇気を持ってプレーできなかった部分もあったと思います」

これこそが、ワールドチャレンジの洗礼と言えるでしょう。ナイジェリアのような強烈なスピードとパワーを備えたチームは、日本のU-12年代にはありません。海外勢と試合をすることで得られる経験、強烈な体験こそが、この大会の醍醐味でもあります。

「子どもたちがこれから大きく成長するための、良い経験だったのではないかと思います。ハーフタイムには、『急に身体能力上がるわけではないので、ボールの状況に合わせてラインを上げよう』といったことは伝えました。これからも状況判断サッカー理解については、トレセンで伝えていかなければいけないと思います。相手がどうであっても、ゴールはピッチの同じ場所にあって、ボールは一つですから」

ナイジェリア選抜との準決勝で、印象に残る場面がありました。JFA大阪府トレセンU-12のFWの選手に対し、ナイジェリアのセンターバックの選手がマンツーマンでマークについていました。ボールとは関係ないところでも、体をぶつけて相手の自由を奪うという徹底ぶりです。

その様子を見た、大阪府トレセンのベンチメンバーたちは、ピッチサイドのウォーミングアップスペースで「相手は全部ついてくるから、動いておとりになれ!」「ボールから離れろ!」など、口々にアドバイスを送ります。その内容は監督の指示のように的確で、普段から考えてプレーしていることを伺わせる場面でした。

 

■普段はチームの中心でも... 世界のレベルを知るいい機会

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JFA大阪府トレセンU-12の監督を務めた中村晋祐さん、アフリカ勢の身体能力は「予想より上だった」と印象を語りました(C)吉田孝光

 

中村監督は「バルセロナ戦では守る時間が長くなり、ナイジェリア相手にも苦しい時間が続きました。そのような経験は大阪府トレセンとしてはしていないので、サッカーを学ぶいい機会だったんじゃないかなと思います」と振り返ります。

ワールドチャレンジではグループリーグでFCバルセロナに引き分け、準決勝では優勝したナイジェリア選抜に健闘した、JFA大阪トレセン。チームとしては活動していないながらも、地元大阪の声援を受けて躍動しました。

「トレセンは、選ばれた子達が一同に介して、高いレベルで活動できる場所です。ワールドチャレンジでは、普段対戦することができないようなチームと試合ができました。自分のチームでは中心でプレーしている選手がほとんどですが、世界はもっと先に進んでいる、高いレベルにあるという刺激を受ける場として、とても良い経験になったと思います」

バルセロナ、ナイジェリア選抜と、世界トップレベルのチームと対戦した、JFA大阪トレセンの選手たち。かけがえのない経験を活かし、さらに羽ばたいて行くことに期待しましょう。

 

【全試合結果・詳細】U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019 公式ホームページ>>

 

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【2018年】3連覇狙うバルサが日本チームに大苦戦
【2017年】「ソルティーロ世界選抜」躍進の影に本田圭佑の哲学
【2016年】バルサ選手のふるまいに世界中が大絶賛
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【2014年】バルセロナに0-9で負けたチームが学んだこと
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取材・文:鈴木智之 写真:吉田孝光

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