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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019

ナイジェリア選抜が初優勝!中国やタイのアジア勢も躍進。『ワーチャレ』は欧州の強豪に「挑戦」ではなく「勝つ」が目標の大会に

公開:2019年9月 1日 更新:2019年9月 2日

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9月1日、ガンバ大阪の本拠地でもあるパナソニック スタジアム 吹田で、ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019の準決勝、3位決定戦、決勝戦が行われ、ナイジェリア選抜が初出場、初優勝を果たしました。

(取材・文:鈴木智之、写真:吉田孝光)

 

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初出場で優勝を挙げたナイジェリア選抜。試合を重ねるごとにファンを増やしていった(C)吉田孝光

 

■日本人指導者が率いる中国チームが見せた堅い守備

準決勝第1試合は、広州富力足球倶楽部(中国)対トヨタ・タイランド(タイ代表U-12)。前日のラウンド16でFCバルセロナを破ったトヨタ・タイランドですが、開始早々に失点すると、4分にもゴールを奪われます。終了間際に1点を返しましたが、反撃もここまで。堅い守備をベースに鋭い速攻を仕掛けるチーム同士の一戦を制したのは、広州富力でした。

日本人指導者が多く在籍し、日本式指導で選手を育成する広州富力。U-12の監督を務めるのは、ガンバ大阪のアカデミーで長く指導した足高裕司氏です。足高氏は「日本人の良さである規律や献身性、課題に対して地道に努力することなどをベースに、中国の選手たちを指導しています」と語ります。

サッカー面では整備された守備が特徴で、3-4-3と5-4-1を使い分けるスタイルを駆使。「選手が理解してピッチで表現してくれました。(中国の選手は)戦術的に対応できるという印象を与えられたと思います」と、子どもたちの成長に目を細めていました。

 


■「はじめて体験する」アフリカ勢のすごさはフィジカルだけにあらず

準決勝第2試合は、ナイジェリア選抜とJFA大阪府トレセンU-12が対戦。ナイジェリアの圧倒的なスピードと身体能力に対し、大阪府トレセンも持ち味のドリブルとパスワークで勝負を挑みますが、"ナイジェリアの大黒柱"10番のオグボナヤ・スンダイ・エイケ選手にミドルシュートを2発決められ、2対1で敗戦。大阪府トレセンの中村晋祐監督は「大阪の子たちの力をもっと発揮させてあげたかった。リーチの長さ、球際の強さは初めて経験した感覚でした。子どもたちが今後成長するための、良い経験になったと思います」と、試合を振り返りました。

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急遽決まったバルセロナ対バイエルンのフレンドリーマッチ 両チームとも高レベルのプレー続出(C)吉田孝光

 

FCバルセロナ対バイエルン・ミュンヘンのフレンドリーマッチ(1−0でバルセロナが勝利)、トヨタ・タイランド対大阪府U-12トレセンの3位決定戦(トヨタ・タイランドが2対1で勝利)を経て、いよいよ決勝戦。広州富力対ナイジェリア選抜の試合は、前半はナイジェリアの10番オグボナヤ・スンダイ・エイケ選手のドリブルと精度の高いパス。チームメイトから"メッシ"と呼ばれる7番のドリブル突破からチャンスを作りますが、堅い守備で勝ち上がってきた広州富力の守備を崩すには至りません。

後半に入ると、広州富力の足高監督が「相手が一段、ギアを上げてきました」と語るように、攻撃的なプレースタイルで客席の声援を受けるナイジェリアが攻勢に出ます。後半20分にはオグボナヤ・スンダイ・エイケ選手のチャンスメイクから、アブドルワヒード選手が決めて先制。その後もナイジェリアは「我々の方が能力が上なので、マンツーマンが有効」(ナイジェリア・アラビ監督)という得意のマンツーマンディフェンスで広州富力を封じ込め、初出場初優勝の栄誉を手にしました。

 

■もはや欧州の強豪に「挑戦」ではなく「勝つ」が目標の大会に

大会MVPに選ばれたのは、ナイジェリアの10番オグボナヤ・スンダイ・エイケ選手。レアル・マドリーのアザールに憧れ、「得意なプレーはドリブル。将来はヨーロッパで活躍する選手になりたい」と話す彼は、中盤の底でのゲームメイク、ドリブル突破、強烈なシュートで観衆を大いに沸かせました。圧巻だったのは、準決勝のロングシュートでの2得点。その能力は、過去のワールドチャレンジでMVPを獲得した、FCバルセロナの歴代のタレントと比べても遜色ありません。

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速い、ジャンプ力があるなどフィジカル面だけでなく、堅い守備や、緩急をつけたボール運び、戦術理解の高さも光ったナイジェリア選抜(C)吉田孝光

 

ちょうど決勝戦の前日、ワールドチャレンジの第1回大会で活躍した、FCバルセロナのアンスー選手がトップチームの試合でゴールを決め、クラブ最年少ゴール記録を樹立しました。同大会に出場した久保建英選手は日本代表に選ばれ、第2回大会以降に出場したバルセロナの選手たちは、マンチェスター・シティやパリ・サンジェルマン、ユベントス、レアル・マドリーなどと契約し、プロの道を歩み始めています。ワールドチャレンジの先は、世界のビッグクラブへと続いているのです。

さらには「欧州の強豪にチャレンジする大会」ではなく、欧州の強豪にチャレンジして、勝つことへと目標が変化しつつあることを感じさせる大会でもありました。ベスト4に残ったのがアジア3、アフリカ1という図式からも、参加国が増えたことで力が拮抗するとともに、全体のレベルが上がってきていることがわかります。

ジュニア年代最高レベルの試合が、日本で見られるワールドチャレンジ。今大会で輝きを放った選手たちの中から、第2、第3のスターが生まれてくることでしょう。

 

【結果】U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2019 公式ホームページ>>

 

▼これまでの大会の記事はこちら

【2018年】3連覇狙うバルサが日本チームに大苦戦
【2017年】「ソルティーロ世界選抜」躍進の影に本田圭佑の哲学
【2016年】バルサ選手のふるまいに世界中が大絶賛
【2015年】バルサに勝った東京選抜が見つけた世界との差
【2014年】バルセロナに0-9で負けたチームが学んだこと
【2013年】久保建英選手が「バルサの選手」として出場

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取材・文:鈴木智之 写真:吉田孝光

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