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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2018

ジュニア年代最高峰のバルセロナとアーセナルが行う「攻守の切り替え」の違いとは?

公開:2018年12月14日 更新:2020年3月24日

■「ハイプレス」でボール奪取を試みるバルセロナと「バランス重視」のアーセナル

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続いては「攻撃から守備への切り替え」です。フォントコーチは守備のトランジションについて、大切なのは「ボールを奪われた直後にすばやくプレスを掛けて奪い返すのか。それとも、ポジションに戻ってバランスをとるのか。どちらかを選択し、実行に移すことです」と言います。

フォントコーチは「バルセロナはボールを失った瞬間、すぐにプレスをかけ、できるだけ速く奪い返すスタイルです。アーセナルはボールを失ったらポジションに戻り、整った状況で守備をすることを考えています」と前置きした上で、バルセロナの守備から攻撃への切り替えについて説明します。

「バルセロナの攻撃は、パスを使って、敵陣深くまで相手を押し込むスタイルです。そのためボールを奪われた直後、すぐに奪い返すことができると、相手ゴールの近くで攻撃を再開することができるのでチャンスになります。バルセロナには有名な『6秒ルール』があり、ボールを奪われたら、そのエリアで6秒間プレスを掛けることで奪い返します。もし奪い返すことができなければ、ポジションに戻って、突破されないようにします。空いているスペースを埋めることで、ピッチ内のバランスをとるのです」

攻撃同様、守備でも個人の判断が連なり、チームとして動く。それがバルセロナの考え方です。個々が適切な判断をし、それがチームとして連なるからこそ、数的優位を活かすことができ、結果として局面で優位に立つことができるのです。

アーセナルの攻撃から守備の切り替えへは、攻撃時同様、個人の働きが重視されます。

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「アーセナルはボールを奪われたらポジションに戻り、自分のゾーンにボールが入ってきた時に、プレスに行けるように準備をしています。集団よりも個の力で奪い返す方法です。これは私の考えですが、選手個人の意識だけでプレーするのではなく、一人がプレスに行ったらもう一人がカバーするといったように、チームとしてサポートしながら奪いに行くと、良い守備ができると思います」

さらに、こう付け加えます。

「アーセナルの選手はボールを奪われた直後、反応が数秒遅れる場面がありました。一人がプレスに行っていても、もう一人が行っていないことがあり、それは『自分の近くにボールがあるとき』しか、守備への意識が持てていないからだと思います」

講習会では記事で紹介した部分以外にも、バルセロナ、アーセナルの戦い方についての解説が、映像を使って行われました。会場に詰めかけた育成年代の指導者や、ワールドチャレンジに出場していた選手と同年代の子ども達も参加し、熱心にメモをとっていました。

ボールを蹴って走ることだけが、サッカーの上達法ではありません。プレーについて考えること、プレーのコンセプトを知ること、頭を働かせてプレーのイメージを作りあげることも、立派なサッカーの練習のひとつです。U-12年代の最高峰の選手達が、どのようなプレーをしているのかを知ることは、とても有意義な体験だったのではないでしょうか。


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取材・文/鈴木智之 写真/サカイク編集部、新井賢一

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