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U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2018

2018年8月27日

決勝で大会最高のパフォーマンス 準決勝まで苦戦続きだったバルサのプレーがガラッと変わった理由

キーワード:アーセナルガンバ大阪ジュニアサッカーワールドチャレンジバルセロナヴィッセル神戸

8月26日(日)、大会最終日を迎えたU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジは会場を万博記念競技場に移し、準決勝2試合、3位決定戦、決勝の4試合を行いました。

注目の決勝は、準決勝でクラブ・ティファナをPK戦の末下したFCバルセロナと、JFAトレセン大阪を同じくPKで破ったアーセナルFCの対決。

試合は開始早々、アーセナルが先制し、3連覇を目指すバルセロナが追いかける展開になりますが、3連覇を目指すバルセロナがSBデル・カスティーヨ選手のゴールですぐに同点に追いつくと、パスを受けて素早くターンしたFWマルク・ギウ・パス選手のゴールで逆転に成功。準々決勝、準決勝と引き分けPK戦で勝ち上がるなど、過去のこの大会のような圧倒的な強さを見せられなかったバルセロナが決勝の舞台で躍動しました。

対するアーセナルも、大会MVPに輝いた11番のマイォルス・ルイス・ケリー選手を中心にバルサゴールを脅かしますが、相手陣内での華麗なパスワークやゴール前での鮮やかなパス交換など、本来の"バルサらしさ"を発揮するバルセロナに一歩及ばず。FCバルセロナが、本大会3連覇、5度目の優勝を果たしました。アーセナルは二度目の出場で準優勝、JFAトレセン大阪U-12に勝利したクラブ・ティファナが3位に輝きました。

大会得点王は6得点を挙げた名古屋グランパスU-12の杉浦駿吾選手、大会MVPには、突破力のあるドリブルでアーセナルの攻撃の軸として存在感を見せたマイォルス・ルイス・ケリー選手が輝きました。

また今大会から設置され、対象チームがLa Liga(スペインリーグ)最高峰の大会で、ローマやPSGなど欧州の強豪チームも参加するTorneo Internacional La Liga Promisesの参加権を獲得できるモスト・インプレッシブチーム(印象に残ったチーム)には、ヴィッセル神戸が選出されました。

(取材・文:大塚一樹、写真:吉田孝光)

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3連覇を果たしたバルセロナ(C)吉田孝光

■決勝で大会最高のパフォーマンスを見せたバルセロナ

「相手がアーセナルということもあって負けられなかった」

試合後、バルセロナのキャプテン、アレクシス・オルメド・ヴィラ選手は試合後のインタビューでこう答えました。チームを率いるダビド・サンチェス・ドメネ監督も決勝で素晴らしい動きを見せた選手たちのモチベーションの一つに「相手がアーセナルだったこと」を挙げています。

準々決勝、準決勝と相手の素晴らしいサッカーになかなか思うようなプレーができなかったバルセロナでしたが、大会最終日、優勝をかけた決勝戦でようやく"バルサらしさ"が戻ってきました。バルセロナとアーセナル、両トップチームはヨーロッパの強豪クラブとしてお互いを意識する存在。選手たちを大きく変えたのは、負けられないというライバル心だったのかもしれません。

「特に何かを変えたわけではない」
サンチェス監督は、戦術的に何かを変えたわけではないと決勝戦を振り返りましたが、前線の選手たちはこれまでの試合より明らかに相手のゴールの近くでプレーし、プレッシャーを受けながらも素早いボール回しでフリーの選手をつくっていく"バルサスタイル"のサッカーを繰り広げました。

「チームとしてはまだ始動したばかり。プレシーズンの準備段階なんだ」と繰り返していたサンチェス監督も「決勝戦はバルサの選手としてのプレーができていた」と選手に賛辞を送りました。

過去の大会で大差での勝利や、圧倒的な個の力、華麗なパスサッカーを見せつけ、日本のサッカー界に衝撃を与えてくれたてきたバルセロナだけに、今年のチームのスコアや試合内容は見るもの、そして何よりバルサの選手たちにとっても決して満足の行くものではなかったはずです。しかし、ヨーロッパの強豪クラブ、アーセナルを破って3年連続の優勝、大会ベストパフォーマンスを決勝戦で見せつけ、完勝で連覇を達成。大会を終えてみればやはり主役はバルセロナだったということになります。

毎年恒例になった8月の日本でのこの大会は、新たなシーズンを迎えるバルセロナにとっても最高の"準備期間"になったようです。

■さまざまな世界を体感させてくれた海外クラブたち

今大会は準優勝のアーセナルFC、北米予選を勝ち抜いて出場したメキシコのクラブ・ティファナなど、多くのチームがバルセロナとはまた違う意味での"世界"を見せてくれました。アーセナルは2007年生まれの3人を含む、現地学年での"一学年下"の選手が5人いる混合チームで健闘し、クラブ・ティファナは日本基準でいう"早生まれ"選手が10人を占め、パワフルなサッカーを展開します。(1/1~4/1生まれ 大会規定が2006年1/1以降生まれなので、参加者の中では少しお兄さん。身体が強かったり、経験値が少し多い)

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2度目の出場で準優勝を果たしたアーセナルFC (C)吉田孝光

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パワフルなプレーで躍進したクラブ・ティファナ (C)吉田孝光

育成年代の強化が進む中国の選手たちも、体格や体の強さといった日本の選手とはまたひと味違った持ち味を発揮して好成績を収め、日本勢も準決勝に進んだJFAトレセン大阪U−12がアジリティの高い動きで相手を翻弄し、体格で勝る外国勢にもドリブルの仕掛けで打開するなど、特徴を発揮しました。

「12歳以下のバルセロナと戦える」からはじまったジュニアサッカーU−12ワールドチャレンジは、文字どおり「ワールドチャレンジ」を実践する場として選手たちの目標の舞台になっています。より多くの選手に世界を感じるチャンスを与える意図で設けられている街クラブ枠や街クラブ選抜などもその役割を十分に果たし、この大会でバルセロナや世界のライバルたちとプレーすることを目標に練習に励むジュニア選手も増えていると聞きます。

「今大会の特徴は引き分けが多かったこと。それだけ大会全体のレベルが上がったということでしょう。バルサと言えども苦戦する試合がありました」
U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2018の実行委員長で、株式会社Amazing Sports Lab Japanの代表取締役である浜田満氏が閉会式で語った大会総括が、ワールドチャレンジの成長、発展を象徴しているのではないでしょうか。

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文:大塚一樹、写真:吉田孝光

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