あなたが変われば子どもは伸びる![池上正コーチングゼミ]

2017年7月28日

サイド攻撃主体のチームなのに縦ばかり... 中へのドリブルや斜めのパスをどう教えればいい?

今回は、子どもたちにサイドから中へのドリブルや楔のパスを覚えさせたいお父さんコーチからの質問です。中々得点までの上手く持っていけない現状に、結果を求めない方が良いのか、サイドからの攻撃方法を根気強く教えて結果を求めた方が良いのか……。
 
これまでジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんはどのようなアドバイスを授けたのでしょうか。(取材・文:島沢優子)
 
<<同じチームのコーチと指導法が違うギャップをどう埋めればよいのか
 
<お父さんコーチからの質問>
こんにちは、約4年ほど息子のチームを指導している父親です。チームの年代はU-12です。
 
うちのチームはサイド攻撃を主としているのですが、縦ばかりであまり中へドリブルで切れ込んだり、斜めに楔のパスを入れたりできません。
 
結果、コーナー付近で3人の相手に囲まれたりして、時々抜け出してクロスまで行くのですが、時間がかかりすぎるためか、中はしっかり固められ、得点にいたりません。
 
頭ごなしに伝えても、「分かってるよ。そんなに簡単じゃない。もう一人のコーチはそれでいいと言っている」となかなか上手くいきません。
 
サイド攻撃の基礎はできているから、結果は求めないほうがいいのか、それとも根気強く中に切れ込むドリブルや斜めの楔を教えて結果を求めたほうがよいのか、ご指南ください。
 
 
<池上さんのアドバイス>
気を悪くされたらすみません。
 
12歳以下でサイド攻撃を「チームのスタイル」と決めてしまっていること自体、少し問題かもしれません。コーチの方は子どもたちに良かれと思って懸命にご指導されていると思うのですが、小学生年代ではいろんなことが思い浮かべられる選手になってほしいのです。
 

■U-12世代はサッカー脳を作る時期

「いま、真ん中が空いているから、僕は真ん中を突破するよ」
そのように状況を見て、さまざまなトライができたほうがいいでしょう。
 
ジュニア期は、基礎的なスキルを習得するのと同時に「サッカー脳」みたいなものをつくる時期です。例えば、サッカーだけでなく、単純に仲間で遊んでいるときも「これだとつまらないから鬼をひとり増やすルールに変えよう」などと遊びを“変化”させられる。そのような柔軟性や創造性がサッカーというスポーツには必要です。ぜひとも、そこを形成することに心を砕いていただけるとうれしいです。
 

■スタイルにこだわりすぎない

ご相談者がお考えのように、サイドアタックは有効な攻撃方法ではありますが、指導者がそれにこだわり過ぎると、うまくいかない場合もあります。
 
例えば、チームにサイドプレーヤーに適した選手がいない場合はどうするのでしょうか。また、サイドからボールが上がったとしても、真ん中でうまく合わせられる選手がいないことだってあるでしょう。そうなると、サイドからいくら攻めても点が取れないという状況が生まれます。
 
ご相談の方の文章を読むと「結果、コーナー付近で3人の相手に囲まれたりして、時々抜け出してクロスまで行くのですが、時間がかかりすぎるためか、中はしっかり固められ、得点にいたりません」とあります。ということは、抜け出すには至ってないようです。
 
もちろんサイド攻撃の練習をしてもいいでしょう。サイドに開いたプレーヤーにボールをフィードし、数人で真ん中に走り込む。ボールサイドに流れる選手もいれば、ブラインドに走り込む選手もいる。そこで合わせてフィニッシュという型を教えておくことは必要です。ただ、それはひとつの選択肢であって、チームのスタイルだと表現しないほうがいいでしょう。
 

次ページ:有効な手段を考える力を養う


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コーチからの【チーム指導の悩み】に池上正さんがお答えします(例:年代がバラバラなチームの練習メニューなど)※記事になります
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