本番に強い子を育てるために大切なこと

2017年1月26日

ダメなところ探しをしないで「ありのままの我が子」を受け止めることが自信をつけさせる第一歩

■お子さんのありのままの姿にOKをあげられる親になろう

私はさまざまなアスリートやビジネスマン、そして子どもたちのメンタル・サポートに携わっているのですが、初対面の人と話すときや人前に出るときは、とても緊張します。小さい頃から気が弱い性格でしたが、一般的に見れば、いまでも間違いなく、自分のメンタルは弱いほうの部類に入ると思っています。それでも、本番で自分の力を発揮することはできるし、結果も出せる。そういう自信は持っています。
 
その自信が持てるようになった第一歩は、「気が弱い自分」や「人前で緊張する自分」が本当の自分の姿なのだということに気がついたことです。弱い自分を素直に受け入れた、と言ってもいいでしょう。
 
「もっと子どもに自信を持たせたい」とおっしゃる親御さんほど、ありのままのお子さんの姿にOKをあげられていません。「気持ちをもっと強く持ちなさい」「人前で緊張するなんてダメな子だ」「いつも弱気だからうまくいかないんだ」etc…… お子さんの隣でお父さんやお母さんがそんなふうにお子さんの悪いところばかりを指摘していると、子ども自身もいつのまにか自分にOKをあげられなくなってしまいます。
 
「自信を持たせたい」と言いながら、むしろ、それを奪う行為を繰り返しているのです。
 
多くの親御さんは、我が子の「ダメなところ探し」ばかりをしています。しかも、「ダメ」か「ダメじゃない」かは、世の中基準で決めているのです。それでは、その子なりの成長に気づいてあげることができなくなります。
 
5キロマラソンで25分を切ることが「できない」という部分にばかりを意識していると、30分から27分になった小さな成長を心からほめてあげることができなくなります。そして、なぜ25分を切ることができないのか、という原因探しばかりをしてしまうのです。
 
いくらできない原因を探しても、それは自信にはつながりません。そこに頭を悩ませるなら、25分という目標に向けて、できた!という自己肯定感をどうやって積ませていけばよいのかを考えるべきだと思います。
 
お子さんに自信をつけさせる第一歩。それは、お子さんのありのままの姿をありのままに受け止めることです。そして、いまできていること、昨日よりできるようになったことにたくさんのOKをあげてください。
 

■親の反応が子どもの自己肯定の基準になる

子どもの自信を育てるのに、親御さんの関わりは重大な肝になります。なぜなら、子どもにとっては他の誰でもない、親の反応こそが、自己肯定の基準になるからです。
 
友だちからバカにされたり、先生からあまりほめられなくて悔しい思いをしたことでも、お父さんやお母さんががたくさんほめてくれれば、「自分はこれでいいんだ」という自己肯定感を得ることができます。逆に、先生やコーチなどの第三者にもほめてもらったりして、どんなにいい気分になったとしても、お父さんやお母さんから「これじゃあ、ダメだ」「全然できてないじゃない」と言われたら、子どもは、一気に自己否定に転じてしまいます。
 
子どもの自信を育てられるかどうかは、お父さんやお母さんがお子さんにどれだけOKをあげられるかにかかっているといっても過言ではありません。
 
どうか、お父さんやお母さんから、たとえ小さいことでも、お子さんにたくさんのOKをあげてください。子ども自身が「できないこと」ばかりに意識が向きがちであるなら、なおさら、お父さんやお母さんはいつも「できたこと」「できるようになった」ことにいつも注目してあげるくせをつけてください。
 
そうしたお父さんお母さんの関わりこそが、お子さんの自己肯定感を育てるのです。
 
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森川陽太郎/
サッカー選手としてスペインやイタリアでプレーし、その後、心理学やメンタルトレーニングを学び、株式会社リコレクト設立。「OKラインメンタルトレーニング」という独自のトレーニング方法で、横峯さくら(プロゴルファー)などのトップアスリートや子ども、企業向けに「結果を出す」ためのメンタルサポートサービスを展開。

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