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楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた

子どもの自己肯定感を低下させないために。 厳しさのなかでサッカーを楽しむのに「大切にしなければならないもの」とは

公開:2018年7月31日 更新:2018年8月29日

キーワード:スポーツ障害バーンアウト症候群努力指導者発達結果重視自分を磨く自己肯定感

■上手くなるために家族、友達より大切なのは

「この世の中で、君たちが一番大切にすべきものは何ですか?」
子どもたちに尋ねると、「友達」「家族」といった心温まるものから、「お金!」「学歴!」といったリアルな答えまでいろいろ出てきます。でも、そのなかに「自分」という子がいます。

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「一番大切にすべきものは?」に「自分」と答えられる子がいる。 (写真はサカイクキャンプ)

スポーツを楽しみながら成長するには「自分を大切にする」という視点が必要です。大切であるならば、大切だからこそ自分を磨く必然性がでてきます。


ダイヤモンドやルビーなどの原石と、磨いたあとの宝石になった姿の両方を見せ「どっちになりたいか?」と尋ねると全員が磨いた宝石を指差します。これは小学校低学年でも同じです。

では、自分を磨くために必要なことは何か。

それは「挑戦すること」「困難を乗り越えること」です。

挑戦したけれど「できなかった」という結果は、「ダメなこと」なのでしょうか?


「一流のスポーツマンのこころ」では、全力を尽くした挑戦の結果としてできなかったとしても、それを「ダメ」なこととは考えません。

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上達・発達の階段(C)高橋正紀

上記「上達・発達の階段」の図に注目してください。
スポーツのスキルの習得は右肩上がりで一直線で伸びるのではなく、このように停滞期(黄色ヨコ矢印)があって、上昇期(赤色タテ矢印)があります。

なかなかできない停滞期に、指導者やまわりの大人が「ダメだね」と否定したり、怒ったりすると一定の好結果につながることもありますが、それだと怒られないと努力しない習慣がついてしまいます。怒られての努力はすぐに限界を迎えるので、実は効果的ではありません。

よって、ぜひこう言ってあげてください。
「むずかしいねえ。でも、最初はできないのは当たり前だよ。どんなプレーヤーも練習してできるようになったんだよね。そして、一流のプレーヤーは練習の課題がむずかしければむずかしいほど燃えてくるんだって!」

むずかしい課題を乗り越えると、もっと楽しくなるということを一流のプレーヤーはわかっているのです。

そうすると、「できないけど、だから楽しい」につながります。そして、できるようになって上昇期を迎えると「できた!嬉しい!」を味わいますが、そのときにはすでに次の「できない」を探しだすのです。

それができるのも、すべて「自分を大切にしよう」(=自分を磨きたい)という気持ちが発露になります。

あとのふたつは、次回お話ししますのでお楽しみに。

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高橋正紀さんprofile.jpg

高橋正紀(たかはし・まさのり)

1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜経済大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。

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監修:高橋正紀 構成・文:「スポーツマンのこころ推進委員会」

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