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楽しまなければ勝てない~世界と闘う“こころ”のつくりかた

2018年6月27日

「大迫、半端ないって」を生み出した滝川二高のDNAとは

キーワード:グッドルーザー大迫勇也岡崎慎司日本代表滝川第二黒田和生

■グッドルーザーの特権 敗戦から学ぶこと

黒田さんの下でずっとコーチをしていた栫さんも、黒田さんの指導哲学を継承していました。
中西君は「大迫うまいなあ。どうやったら大迫止めれんのやろ?」とも言い残しています。


彼のように「うまいなあ」と相手を評価し、「どうやったら止められる?」と考え始める機会を与えられる。これこそ「敗者の特権」。つまり成長する機会を与えられる。
「グッドルーザー」は、ある意味「成長する人」という解釈ができます。

それなのに、2018年の今もって、負けた後に違う話をしてしまう指導者は少なくないようです。ミスをした選手に「負けたのはおまえのせいだ」と名指ししたり、「勝ちたいという気持ちが足らなかった」と精神論にもっていったり。さらには、審判の悪口を言ったり、相手の反則をとってもらえなかったことを嘆いたりと、次に取り組むべきことになかなかたどり着けません。

もっといえば、少年サッカーであっても、敗戦後に号泣することは上級生になったら少しずつ我慢することを覚えたほうがいいと思います。負ければ悔しいので涙は出ます。が、ぐっとこらえながら前を向いたほうが、早く冷静になれます。

2009年。滝川二高の栫さんは、ロッカールームで「みんなで鹿児島城西を応援しよう!」と選手に声をかけています。

指導者として素晴らしい態度です。黒田さん、栫さんと、滝川二高のDNAは脈々と継承されていたのです。サッカーは人間形成であるという指導の「軸」は決してブレることなく、選手に伝わっています。

よって、「大迫、半端ないって」は起こるべくして起きたことだと言えます。

私たち、サッカーファミリーが眠れないW杯はまだまだ続きます。子どもたちにとって、世界基準の技術やプレーを目に焼き付けることも大事ですが、試合後の勝者と敗者のふるまいにもぜひ注目させてください。

日本のコロンビア戦終了後にインタビューを受けていた日本人に、コロンビアのサポーターが握手を求め「おめでとう!」と笑顔で声をかけていました。選手も、サポーターも、世界のスタンダードを見ることができる。そのような意味でも、4年に一度のW杯は子どもたちにとって半端なく貴重な時間だと思います。

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高橋正紀さんprofile.jpg

高橋正紀(たかはし・まさのり)

1963年、神奈川県出身。筑波大学体育専門学群ではサッカー部。同大学大学院でスポーツ哲学を専攻。ドイツ国立ケルンスポーツ大学大学院留学中に考察を開始した「スポーツマンのこころ」の有効性をスポーツ精神医学領域の研究で実証し、医学博士号を取得。岐阜経済大学経営学部教授及び副学長を務めながら、講演等を継続。聴講者はのべ5万人に及ぶ。同大サッカー部総監督でもあり、Jリーガーを輩出している。
Jリーグマッチコミッショナー、岐阜県サッカー協会インストラクター、NPO法人バルシューレジャパン理事等を務める。主な資格は、日本サッカー協会公認A級コーチ、レクリエーションインストラクター、障害者スポーツ指導員中級など。

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監修:高橋正紀 構成・文:「スポーツマンのこころ推進委員会」 写真:新井賢一

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