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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
試合に負けても悔しくないという息子、どうしたらもっと熱が入る? 意欲を引き出せず悩ましい問題
公開:2026年6月10日
■負けて悔しくないのは息子さん自身の問題ではない
(写真は少年サッカーのイメージ ご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
息子さんが今置かれている環境に目を向けてみましょう。息子さんは楽しめる状況ですか? ご相談文に「試合中もほぼボールを触ることなく終わります。声も一言も発しません。試合に負けても、悔しいとも感じない」とあります。しかし、それらは息子さん自身の問題ではありません。
試合中ほぼボールを触れないのは、そのレベルやチームのサッカーに息子さんがフィットしていないからではありませんか? 声を発しないのは、楽しめていないからではありませんか? 悔しいと感じないのはフィットしていないのと、チームに愛着を抱いていないからです。
当然ながら、愛着を持てない彼に非はありません。合っているか否かに目を向けない周囲の大人たちの責任だと私は考えます。
例えばお母さんがお書きになった「難しいことは言わないから、コートの誰よりもたくさん走れ」は大いに矛盾しています。誰よりもたくさんなんて、どう測るのでしょう。すごく難しい。こんな要求はぜひ控えてください。
10歳の今ならまだ間に合います。息子さんに対し抑圧的な態度で接したり、叱ったりせず、彼の気持ちを聴いてあげてください。そして時間は余計にかかるかもしれないけれど、やる気に訴えかけてはいけません。抑圧が繰り返されると、そのことがトラウマになり何に対してもバーンアウトしやすくなるとも言われています。
ぜひとも、やる気という根性論からの脱却を目指してください。

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『東洋経済オンライン』などでスポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』(講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシムの遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館)『教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向けの講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグリティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。新著は「ファジアーノ岡山「地熱」の奇跡 親会社なき市民クラブがどうやってJ1昇格を遂げたか 」(竹書房)
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