蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~
2025年7月 9日
「サッカーで進学できるぐらい......」小3に現実的な話しはマズイ? プロになりたい息子をどうサポートすればいいのか問題
■親が気楽でいることのほうが子どもは助かる
(写真は少年サッカーのイメージ ご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)
そもそも「高校もサッカーで行くぐらいじゃないとプロの世界は行けるかわからない」という答えは正解でしょうか。
サッカー推薦など使わず高校に行ったあと、ぐっと伸びてプロになった選手もいます。何より、高校をサッカー推薦で行くことを小学生のうちから教えてしまうと、勉強しないでサッカーだけやっていればいいという感覚になりかねません。
もちろんお母さんがそのようなつもりで話したわけではないことはわかっています。が、お母さん自身が「これ以上はいらんことを言わないでおこう」と思ったようなので、今後は「どうせダメ」とか「ものすごく努力しても叶わないのはわかっている」などと先を見通したような話はやめましょう。
それよりも「頑張ってるね」「真面目だねえ」「すごいねえ」と、プロセスをほめてあげてください。
親は気楽でいること。息子さんはとても頑張り屋さんのようなので、きっとそのほうが助かると思います。
島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
ジャーナリスト。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ 新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』『 東洋経済オンライン』などでスポーツ、 教育関係等をフィールドに執筆。サッカーを始めスポーツの育成に 詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシ ュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』(小学館)『世界 を獲るノート アスリートのインテリジェンス』(カンゼン)『部活があぶない』 (講談社現代新書)『スポーツ毒親 暴力・性虐待になぜわが子を差し出すのか』(文藝春秋)『オシム の遺産 彼らに授けたもうひとつの言葉』(竹書房)など著書多数。『サッ カーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著・小学館) 『教えないスキル ビジャレアルに学ぶ7つの人材育成術』(佐伯夕利子著・小学館新 書)など企画構成者としてもヒット作が多く、指導者や保護者向け の講演も精力的に行っている。日本バスケットボール協会インテグ リティ委員、沖縄県部活動改革推進委員、 朝日新聞デジタルコメンテーター。1男1女の母。