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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

他の親にわが子を注意されてイラっとする。監督に相談すべきか問題

公開:2021年10月20日

キーワード:ほかの親イライラ注意泰然自若監督試合中に泣く

上の学年の試合に出してもらうが、ミスしたときなど試合中に泣いている息子。監督には「そのままでいい」と言われているが、上級生の親に「雰囲気が悪くなるから泣くのをやめろ」と注意された。

監督は良いと言っているのに、他人の親に注意されてイラっとする。このことを監督に相談してもいい? というご相談をいただきました。

今回もスポーツと教育のジャーナリストであり、先輩サッカーママでもある島沢優子さんが、悩めるお母さんに心を軽くするアドバイスを送ります。
(文:島沢優子)

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(写真はご質問者様及びご質問内容とは関係ありません)

 

<<サッカーが嫌で辞めたい息子のやる気を引き出したいが、どこまでやれば過干渉かわからない問題

 

<サッカーママからのご相談>

10歳の息子が上の学年の練習や試合に呼ばれているのですが、ミスをして干されることがあり、試合中や練習中に泣いていたため、監督に泣くことの是非を問いかけたところ「何を考えているか分からない子どもより良いから、そのままで」と言われています。

しかし、同じクラブの別の子の親がうちの息子に対し「上級生の雰囲気が悪くなるため、試合や練習で泣くことはやめろ」と注意します。

他の親が人の子どもに対してのこのような発言をすることに対し、イラっときます。

このような場合、監督に相談しても良いのでしょうか。

 

 

<島沢さんのアドバイス>

ご相談いただき、ありがとうございます。

お母さんのお気持ち、察します。その保護者と、お母さんたち親子の関係性というか、親しさの度合いによっては「雰囲気悪くなるね。どうしたらいいのかなあ?」と相談に乗ってもらえそうです。が、それほど付き合いのない方から注意されると、ちょっとイラっとしますね。

 

■本人を飛び越え監督に話をすると、問題が拗れる可能性がある

しかしながら、イラっとしたからと言って、監督に話を持ち込むのはトラブルの素になりそうです。結論から申し上げると、監督に相談しないほうがいいでしょう。息子さんに注意した上級生の親御さんの発言を問題にするというわけですよね。こういった場合、お付き合いのルールとして、まずは注意してきたその親御さんに、お母さんからお話しするのが筋だと思います。

本人を飛び越えて監督さんに相談した結果、そのことを監督さんからその方に万が一「○○さんから苦情が来た」などと伝わるとしましょう。その上級生の保護者は「なぜ、直接言わないのか?」と憤りを覚えるかと思います。

仮に、お母さんが何かあって他の子どもを注意したら、その子のお母さんが自分には言わずに監督さんに「○○さんが......」と相談していたことを知ったら、どんな気持ちになるでしょうか。

 

■イラっとするが、基本的には放っておくに限る

したがって、まずはその方にやんわり話すことをお勧めします。例えば、こんなふうに言ってみることが考えられます。

「息子は悔しがりなので、すぐに泣いてしまいますが、大目に見てもらえませんか? 監督からも、このままでいいと言われました」

そこで、相手の方が反論してきたら「一度、一緒に監督に話しませんか?」と提案してもいいかと思います。ただし、基本的に放っておくに限ると私は思います。放っておくのは、この上級生の保護者もそうですし、干されると泣いてしまうお子さんのこともです。

「泰然自若」という言葉をご存知かと思います。

何事にも動じない。何かトラブルが起こっても慌てない姿勢を指します。人は皆そうありたいと思いつつ、ついついジタバタしてしまいがちだから、このような四文字熟語が生まれたのでしょう。

泰然としていられないけれど、せめて「そうあろう」と心がけることは大切です。イラっとするし、「悪いのはあっちの親」と思われるかもしれませんが、そこを受け流す寛容さをぜひ身につけてください。

 

■ミスをしたら干す指導法に疑問

そのほかに、気になることが二つありました。

息子さんがミスをしたからと言って干す指導法については、お母さんは何も感じられないのでしょうか? 上級生の親御さんの発言云々よりも、私はそのことが気になりました。

ミスすると交替させられると思うと、息子さんは思い切ったプレーができません。手を使う競技以上に、足でプレーするサッカーは「ミスのスポーツ」と言われます。トラップミス、パスミス、判断ミス。さまざまな失敗をしてこそ、「じゃあ、次はどうするか」と自分で解決法を探って、次の練習や試合に活かす。そうやって上達するのがスポーツです。

このままでは息子さんは委縮して、自分で考えてサッカーをすることができなくなるのではないでしょうか? もし、監督さんと話しやすい関係性を築いているのであれば、ぜひそのことを話してみてはいかがでしょうか。

  

  

次ページ:他者に意見を求める前に親としてすべきこと

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文:島沢優子

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