蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

2018年11月21日

サッカーは面白くないのでやめたいと言い出した小3問題

■サッカーをするのは誰? 親に必要な厳しさとは

※写真は少年サッカーのイメージです。ご質問者様とは関係ありません

三つめは、「厳しさ」の質を転換すること。
「高学年の難しい戦術が加わるカテゴリに変わる段階」にチャレンジしよう、したいと思うかどうかは息子さんが決めることです。主体はあくまで子どもなのですから。本人が「難しいかな」と迷っているようなら「やってみたら? 応援するよ」と背中を押してあげればいい。

好きならやってみたら? 目標は?どうやったら目標に近づけるかな?

そんなふうに、道を整理してあげる手伝いをしてあげられるといいですね。「やりなさい!」と抑圧する厳しさではなく、「自分でやれてる?」と主体性を要求する厳しさをぜひもってください。

相談文を読む限り、お母さんは息子さんにサッカーを続けてほしいと強く思っていらっしゃることがよくわかります。

しかしながら、すでにお伝えしたように、サッカーをするのは息子さん本人です。

親として一番に考えるべきは、子どもがスポーツを通していかに豊かな時間を過ごせるか。毎日笑顔で楽しく過ごせるかだと私は考えます。

島沢優子(しまざわ・ゆうこ)
スポーツ・教育ジャーナリスト。日本文藝家協会会員(理事推薦)1男1女の母。筑波大学卒業後、英国留学など経て日刊スポーツ新聞社東京本社勤務。1998年よりフリー。『AERA』や『東洋経済オンライン』などで、スポーツ、教育関係等をフィールドに執筆。主に、サッカーを始めスポーツの育成に詳しい。『桜宮高校バスケット部体罰事件の真実 そして少年は死ぬことに決めた』(朝日新聞出版)『左手一本のシュート 夢あればこそ!脳出血、右半身麻痺からの復活』『王者の食ノート~スポーツ栄養士虎石真弥、勝利への挑戦』など著書多数。『サッカーで子どもをぐんぐん伸ばす11の魔法』(池上正著/いずれも小学館)、錦織圭を育てたコーチの育成術を記した『戦略脳を育てる テニス・グランドスラムへの翼』(柏井正樹著/大修館書店)など企画構成も担当。指導者や保護者向けの講演も多い。
最新刊は、ブラック部活の問題を提起した『部活があぶない』(講談社現代新書)。
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