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蹴球子育てのツボ ~サッカーで子どもは一人前になる~

子どもに良い影響を与えないコーチ問題

公開:2018年2月21日

キーワード:コーチスタメン保護者小学生指導者片づけ規律遅刻GK

集合時間に遅れたり、片づけをやらない子が試合に出て、真面目に行っている息子はスタメンで出られない事も。さらに、GKが足りないからと頼まれて引き受けたのに出場したのは別の子...。このままで良いという子どもの気持ちは尊重したいけれど、コーチに不信感を抱くママ。読者の方も共感できる人もいるのでは。

自身もサッカー少年少女の母として子育てした経験を持つ、教育・スポーツジャーナリストの島沢優子が、読者の悩みに答える『蹴球子育てのツボ』。今回は、わが子の力を信じて支えるために先輩ママとして経験を踏まえた状況改善の3ステップをアドバイスします。(文:島沢優子)

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※写真サカイクキャンプの写真です。 質問者及び質問内容とは関係ありません

<<ナショナルトレセンまでもう少しなのに自信がない問題

 

<サッカーママからの相談>

小学4年の息子が入団しているチームは、地元のクラブチームです。チームの所属選手は、U-11が7人、U-10が9人で普段はU-11で活動をしています。

何が悩みかというと、集合時間に遅刻してくる子がスタメンに出る、片付け等をやらない子がいてもコーチは何も言わない、といったことがあり、クラブに対して不安感を持つようになりました。

息子は時間に遅れた事はありません。いつも準備や片付け等をやっています。それでもスタメンで出れない事は多々あります。

そんな矢先に、U-11での公式戦を前に、コーチから息子へGKをやって欲しいと頼まれました。元々、1人しかGKがいないので2人居ないと試合が出来ないからと。息子は「この日だけ」と前置きし、やりますとコーチに伝えたそうです。

当日、試合は引き分けで延長戦でPKになったのですが、その際のGKは元々のGKでも、頼まれた息子でもないフィールドプレーヤーの4年生がやりました。

息子は、自分がGKになった意味あったのかな? と疑問を持ちつつ、フィールドに出たかったなと言ってました。

保護者がコーチに不信感を持ってしまって移籍も考えていますが、子どもは「このままで良い」と言います。ただ、コーチを見ていて子どもに良い影響がないと思えてしかたないです。子どもの気持ちを尊重しつつ悩んでいます。
アドバイスをお願いします。

 

<島沢さんのアドバイス>

ご相談ありがとうございます。

お母さんのおっしゃる通りだと、私も思います。
どうやらお世話になっているコーチは、息子さんに良い影響を与えそうにありません。

集合時間に遅刻してきた子どもをいつも通り先発で出場させてはいけないと私は思います。その日の試合に対して「しっかり準備してこなかったよね」ということを理解させなくてはなりません。

それと同じようにチームの一員として規則を守れなかったり、みんなでやる片付けをしない子には一度反省してもらってから、試合に出てもらったほうがいいでしょう。そうでなければ、「サッカーが上手ければ何でも許される」ということになるからです。

■子どもとどう接するのか、大人のかかわり方の質

しかしながら、コーチの方はそのような「子どもの育ち」について、無頓着のようです。

そのため、PK戦になると、試合でゴールキーパーをやった子ではなく、チームのなかで運動神経が良く相手のシュートを阻止してくれそうな子にやらせてしまいます。

本来なら、その試合でゴールキーパーを務めた子どもに最後まで任せる。それがコーチとしてのフェアプレーだと私は思います。

よって、息子さんが「僕がゴールキーパーをやった意味はあったのかな?」と感じるのは当然でしょう。

とはいえ残念なことに、そのコーチは遅刻した子を先発で出してしまうように、子どもを成長させることよりもチームが目の前の試合で勝利することを優先させているため、ゴールキーパーを最もセーブ確率の高い選手に交替させることもごくごく普通の感覚でなさったのだと思われます。きっと悪気もないでしょう。なぜなら、少年サッカーではよく見られる光景ですから。

もし、お母さんが「おかしいのではないか?」と疑義を唱えても、どうしていけないことなのか、そのコーチには理解できないかもしれません。

「いや、ほかのチームもそうしてますよ?」

そうおっしゃるような気がします。

日本はいま格差社会と言われますが、子どもとどう接するかという大人の「かかわり方の質」にも個人差があるようです。それは、その大人の学歴や社会的立場などの高低には比例しません。

■状況改善の3ステップ

では、ご相談者様の方の場合はどうしたらよいか。

以下の順番で考えてみてください。

① コーチは若かったり、まだ指導キャリアが乏しかったりするので、話せばわかってくれるかもしれない。
→そう感じたら、まずはお母さんの考えを説明してみてはいかがでしょうか。

② どうやら話は通じなさそう。
→であれば、コーチのことはスッパリあきらめましょう。

息子さんは「このままでいい」と言っているのですから、彼はそのクラブを卆団するつもりだということです。そこを支えてあげましょう。
それに影響を与えるのはサッカーコーチだけではありません。サッカーが楽しくできていて、楽しめる仲間がいればいいのです。4年生ということは、春から5年生。高学年になれば、子どもの中の力関係や関係性も変わってくるし、大人を見る目も違ってきます。

③ 次は支える親の心得です。
まず、コーチのことでお母さん自身に不満があっても、息子さんにいろいろ言わないほうがいいでしょう。言葉に出しても仕方のないことを大人に言われても、子どもは困るだけです。

ただ、息子さんが傷ついたり、不満を訴えてきたときは「そうか、そうか。それは腹が立つね。残念だったね」と心を寄せてあげてください。

「じゃあ、辞める?」などとプレッシャーをかけてもいけません。彼自身が決意したときに新たなチーム探しなりを手伝ってあげればいいことです。

「楽しくサッカーができるといいね」
そう声をかけて見守りましょう。

次ページ:「何かしなくちゃ...」と焦るより、子どもに良い影響を生む心構えに切り替えを

あなたが抱えるお悩みに、先輩サッカーママ島沢優子がお答えします! ※記事になります
※ご相談者様のお名前、チーム名等は記事に掲載いたしませんのでご安心ください。
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文:島沢優子

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