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お父さんコーチや少年団にオススメのトレーニング特集
数多くのJリーガーを輩出するクラブが実演!攻守において数的不均衡が起きた際の立ち振る舞いを知る練習法
公開:2025年1月23日
サッカーの指導を学ぶことができる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、指導経験の浅いコーチに向けて、U-8~U-10年代を指導する際の参考になる動画を配信中だ。
前回より「数的不均衡での立ち振る舞いを整理し、トランジション局面を制する」をテーマにした動画を配信している。
指導を実践してくれたのは、P.S.T.C. LONDRINAテクニカルダイレクターの阿久津貴志氏。同クラブは今年度の高校サッカー選手権大会で大活躍した、流通経済大学柏の亀田歩夢選手(カターレ富山加入)を輩出するなど、注目を集めている。
JFAフットサル指導者養成チューターを務め、指導手腕に定評のある阿久津氏による「数的不均衡(数的不利)の局面で、どのようにプレーするべきか」を身につけるトレーニング。
後編では「同数から数的優位を作る攻撃」「数的不均衡とトランジションが頻出するトレーニング」を紹介したい。(文・鈴木智之)
後編最初のトレーニングは「同数から数的優位を作る攻撃」をテーマに「2対2+1」を実施。サイドのフリーマンは、ボールより高い位置にいるときのみ使用可能(複数タッチOK)で、右サイドに1人のみ配置。フリーマンはボールを受けたらグリッドの中に入ってよく、その場合はフリーマンにパスを出した選手が外に出てフリーマンになる。
阿久津コーチが着目したのが、攻撃側がパスを通せなかった場面。攻撃側のボールを持っていない選手のポジショニングが悪く、ボール保持者はパスを出せないでいた。そこで「攻撃側の受け手の選手が、相手の背後に抜ける動きをすることで、サーバーを使って3対1ができる」と説明。
「自分たちで苦しくしない」「自分たちで数的優位を作るよ」と声をかけ、ポジショニングの重要性に意識を向けさせていく。
ほかに「サーバーを使うことが目的ではなく、ゴールを奪うことを考える」といったポイントを提示。「相手にとって嫌な選手になろう。1対1で外せるなら突破すればいい。それができないなら、サーバーを使って数的優位を作る」とアドバイス。
数的優位を作るためには「どこに立っているか」を各自が理解することが大切だ。その局面を偶然ではなく、意図的に作りたい。そのためにどう動くかをデモンストレーションを交えて説明しているので、詳細は動画で確認してほしい。
2つ目のトレーニングは「2対2+2対1 セパレート」。センターラインでコートをセパレートして実施。手前の2対2では、数的同数の状況でボールを前に送ることが目的で、2対1のエリアにボールを入れて、ゴールを目指す。
2対1の守備側がボールを奪ったら、その選手が攻撃に加わり、3対2になる。(その場合はセパレートされたグリッドを横断しても良い)。
阿久津コーチは「フットサルのトレーニングですが、ビルドアップの局面など、サッカーでも活かすことができます」と話し、トレーニングがスタートした。
ここでは「2対1の守備側はパスラインを切って、どうやって1対1にするかを考えよう」と、前編でトレーニングした内容にフォーカスしていく。
さらに守備2対攻撃3の不均衡になった場合、「守備の2人は幅を取って、局面で2対1にする。ボール保持者が右利きだったら右足側から寄せる。そして2対2にする」「そうならないために、攻撃側は深さをとる」といったポイントを整理して説明。
ボールを奪うためには、前のグリッドへのパスラインを切り、サイドにボールを出させたところで寄せる。そうすると局面で1対1ができるとともに、前のグリッドにいる守備の選手は、縦パスが入ってきたときに寄せて、インターセプトしやすくなる。
ほかに、あらかじめ相手を近くでマークをすることで、縦パスを入れさせない方法もある。阿久津コーチは「そこは駆け引きだよ」と、相手を観てプレーすることの重要性を伝えていた。
一方、攻撃3対守備2の局面では、攻撃側の2人が同じ高さ(平行)に立つのではなく、片方が深さをとるポジションに入ることで、守備側を惑わすことができる。
それに対して、守備側は2人のギャップや縦にパスを出させないようにすることがポイントだ。守備としては、奪いに行けるところにいる選手にパスを出させたい。そのためにどこにポジションをとるか。それを常に考えて動くといった部分にアプローチしている。
阿久津コーチの細やかなコーチングは、動画を見ることで、より理解が深まることだろう。サッカーの本質に触れることのできるトレーニングなので、何度も繰り返し見て、指導の真髄を感じていただければと思う。
【講師】阿久津 貴志/
中学時代は神奈川県寒川町旭が丘中学校の部活に所属。
その後、帝京高校、国士舘大学を経てアルビレックス新潟トレーニー、東京佐川SCでサッカーキャリアを終えた後、フットサル選手に転向しエスポルチ藤沢→P.S.T.C. LONDRINA-湘南ベルマーレフットサルクラブ所属でFリーグ開幕から3年間プレーし引退
フットサル選手に転向と同時に指導者キャリアをスタートし、P.S.T.C. LONDRINAで24年間、育成年代を指導
現在は、P.S.T.C. LONDRINAテクニカルダイレクター、湘南ベルマーレフットサルクラブリクールートダイレクター兼GKコーチ、JFAフットサル指導者養成チューターと多岐に渡り指導現場に関わっている。
〈保有ライセンス〉
JFA公認サッカーB級ライセンス
JFA公認フットサルA級ライセンス
AFC Level 1
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