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お父さんコーチでもすぐに実践できるトレーニング

お父さんコーチの悩みを解決!選手にレベル差がある時の工夫や練習の成果がゲームで出ない時の対処法とは?

公開:2023年4月27日

「サッカーの指導が学べる動画配信サービス『COACH UNITED ACADEMY』」では、動画の配信だけではなく、会員限定のセミナーや、質問相談会など、オンラインにおけるイベントを開催している。今回、講師を務めてくれたのが、蹴和サッカースクール代表の上田原剛氏だ。

上田原氏はU-8、U-10向けトレーニング動画の講師として、過去にCOACH UNITED ACADEMYの出演歴があるとともに、鹿島アントラーズのアカデミーで15年間指導し、指導者インストラクターを務めるなど、経験豊富な人物だ。

今回のイベントでは、お父さんコーチや指導歴が浅いコーチの方々を対象にしたオンライン質問相談会として、上田原氏が現場で指導するコーチからの悩みについて答えていく形で進んでいった。

現場で起きているリアルな悩み、問題について、経験豊富な上田原氏は、どのようなアドバイスを送るのだろうか?(文・鈴木智之)

こちらの質問相談会の模様は
COACH UNITED ACADEMYで配信中!

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3対3の4ゴールゲームは、レベル差があっても拮抗した展開になりやすい

上田原コーチはセミナー開始前、「これから、みなさんからのご質問にお答えしますが、僕の考えがすべて正しいとは思っていません。あくまで僕の考えという形で紹介しますので、なにか一つでもみなさんのヒントになればうれしいです」と話し、質疑応答がスタートした。

最初の質問は「子どもたちのレベル差がある中での練習メニュー、対処法を知りたい」。セレクションを行わない少年団などは、選手のレベルや意欲に差が見受けられる場合がある。

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そこで上田原コーチは「まず知っておいてほしいのが、何をするにしても、メリット、デメリットの両面があることです」と前置きし、次のように続ける。

「たとえば選手をレベルごとに分ける場合のメリットとしては、同じレベルの選手とトレーニングができるので、モチベーションや強度はある程度保つことができます。

マイナス面としては、AとBに分けた場合、ギリギリAに行けないBの子をどうするかという問題が出てきます。このときは、どういった基準でどれぐらいの頻度で入れ替えをするかを明確にして、分ける方法もあります」

上田原コーチは、レベルで分ける以外にも、いくつかの方法を提示。レベルに関係なく、ミックスでトレーニングをする場合は「上手な子たちには、できない子に教えてあげたり、プレーで見せてあげてねと頼むこともある」という。

「それがないと『この選手、できないじゃん』という空気になってしまいがちので、注意したいところです」

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(COACH UNITED ACADEMYで上田原氏が紹介している3対3の4ゴールゲームの動画より)

他にも、レベルの差のあるチームを指導しているコーチの方々に、どのようにしているかを聞いてみたという。

「たとえば、コーチングするグループとコーチングをしないグループに分けて、トレーニングを行うという人もいました。最初にトレーニングの中でコーチングをして、次にコーチングされたことを意識して、自分たちでやってみる。そうすることで、レベル差があっても上手くいくという報告もありました」

ほかにも、いくつかのステーションを作り、シュートのトレーニング、パストレーニング、対人、ポゼッションと取り組む内容を変えて、時間で区切ってトレーニングをしている人もいたという。

「このやり方であれば、レベル差があっても、それほどは苦労はしないそうです。僕に関して言うと、トレーニングはレベルで分けて、ゲームはミックスでやることもあります」

上田原コーチは「レベル差がある中で、みんなができるメニュー、オーガナイズ、ルール設定とはどのようなものだろう?と考えることが大事」と話す。

「例えば、3対3の4ゴールゲームは、レベル差があっても拮抗した展開になりやすいです。あとは、パスのスキルが低い選手がいるときは、ゴールに対してドリブルインをOKにするのもいいと思います。全然ボールが繋がらないのであれば、ゴールキックのとき、相手チームは必ずハーフウェイラインまで引いた状態で始めるといったルールにするのもいいでしょう」

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(COACH UNITED ACADEMYで上田原氏が紹介している3対3の4ゴールゲームの動画より)

オーガナイズによって、レベル差をなくす方法を考えることは、指導のレベルアップにもつながるだろう。

ゲームのトレーニングでは、練習したことが出やすいルール設定を行う

セミナーでは、ほかに「練習の最後にゲームをしているのですが、ゲームになると子どもたちは必死になって、練習で取り組んだことを活かせません。その日の練習メニューを効果的に実践させる方法はありますか?」という、誰しもがぶつかるお悩みも飛び出した。

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それに対して上田原コーチは「練習したことが出やすいルールでゲームをすることも大事」とアドバイスを送る。

「トレーニングで運ぶドリブルをしたとして、ゲームでたくさん出してほしいと思うのであれば、最後のゲームでドリブルゲームをするとか、シュート練習をした後に8対8のゲームをしたとして、なかなかシュートが打てないこともあります。

そうなったら3対3など少人数にして、ボールに関わる回数を増やし、ゴールとの距離を近くすると、シュートが出やすくなります。ポゼッションであればフリーマンを入れてみるなどして、練習したことをどうしたらゲームの中で出るのかなと考えることは大事だと思います」

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ほかにも「守備の戦術理解が浅く、失点したときに『切り替えよう』『ドンマイ』という声かけしかできません。上田原コーチは試合中の守備に関して、どのように見ているのでしょうか?」といった質問や「U-10までに抑えておくべき、サッカーの原理原則はどのようなことでしょうか?」「フニーニョについて」「U-12以下のトレーニングで欧州や南米の違いは?」「U-8の4対4のトレーニングのアプローチ」といった、実用的な質問が次々に飛び出し、上田原コーチは実体験を含めて、ていねいに回答していった。

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セミナーの最後には、上田原コーチからの質問として「自分を知ること」「サッカーとはどういうスポーツか」というテーマで、いくつかの問いが参加者に提示された。

この質問を通じて、ご自身はどのような指導者なのか、もしくはどのような指導者になりたいかを改めて考える、良いきっかけになるだろう。

COACH UNITED ACADEMYでは、このようなリアルな学びの場も提供している。興味のある方は会員になり、多くの情報を得て、指導に役立てていただければと思う。

こちらの質問相談会の模様は
COACH UNITED ACADEMYで配信中!

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【講師】上田原剛/
15歳の時にジーコサッカーキャンプに参加、ジーコにスカウトされアントラーズユースへ入団、その後大学を経て指導者の道へ。CFZ(ブラジル)で指導者をスタート。2005年〜2021年までの15年間は鹿島アントラーズのアカデミーにて指導。茨城県トレセンU12、ナショナルトレセン(関東)U12担当。2021年4月に蹴和サッカースクールを立ち上げ現在は小中学生の指導にあたる。スクールのほか指導者育成活動(練習会や講義)を行い、2021年6月からスタートした「お父さんコーチ向け練習会」には既に150名以上の指導者が参加している。

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