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ミゲル・ロドリゴ監督が感じる日本の指導の気になる4点

子どもを成長させるのは「ポジティブなフィードバック」

公開:2019年8月21日 更新:2019年10月31日

キーワード:ミゲル・ロドリゴ

ミゲルのミラクルフィードバック〜試合で輝く子どもが育つサッカー指導術〜」というDVDを発売するにあたり、日本にいる7年間で感じた日本サッカー/フットサルの指導で気になった4つの点を話したミゲル・ロドリゴ監督。連載企画最後となる今回は、「ポジティブなフィードバックをしていないこと」について独自の考えをお話しいただきました。(取材・文:鈴木智之)

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(※DVD「ミゲルのミラクルフィードバック〜試合で輝く子どもが育つサッカー指導術〜」より)

1回目:練習でパスやドリブルができても試合で実践できない子どもが多い理由とは?

2回目:子どもが成長するのに一番大切なのは自らプレーの決断ができるようになること

3回目:選手の可能性を広げるにはミスを否定しすぎないこと

ミスを指摘するのが正しい指導だと思い込んではいけない

私が7年間、日本で指導をしていて気になった4つのポイント。最後のひとつが「ポジティブなフィードバックをしていないこと」です。日本の文化が影響しているのか、学校でも、サッカースクールでも、コーチが子どもたちに対して、ポジティブなフィードバックをしているのを、あまり見かけることがありません。

日本のジュニア年代のスクールにはスパルタメソッドで練習を行ったり、ひたすらボール技術を磨き続けるところもあり、その様子はまるで選手の生産工場のようです。日本のサッカー文化はまだ歴史が浅いので、マーケットに様々なビジネスが参入している段階です。それらは日本の規律を重んじる習慣とマッチしているのでしょう。日本人は結果を重視するので、ドリルトレーニングをすることで、うまくなっているように見えるんです。

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(※DVD「ミゲルのミラクルフィードバック〜試合で輝く子どもが育つサッカー指導術〜」より)

私はそれを否定はしません。尊重した上で、でも「他にもこういうやり方があるよ」と、日本のみなさんに教えるためにインテグラルトレーニングを提唱し、「ミゲルのミラクルフィードバック〜試合で輝く子どもが育つサッカー指導術〜」というDVDを作りました。選手の上達を促す、可能性を秘めたやり方があるので、色々見た上で、どれを取り入れるかを皆さんがご自身で判断していただければと思っています。

DVDでは子どもたちのトレーニング中に、どうすればより良いプレーができるかというフィードバックを行いました。

多くの日本人指導者の練習ではミスを指摘するのが指導だと思っているようにみえます。フィードバックとミスの指摘は違います。選手がミスを10個したとして、そのすべてを正そうとして10回プレーを止めると、子どもは嫌になってしまいますよね?

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(※DVD「ミゲルのミラクルフィードバック〜試合で輝く子どもが育つサッカー指導術〜」より)

そして、子どものベーシックなメンタリティーに「ミスをしたら怒られる」という気持ちが刻まれてしまうのです。それが不安や怯え、ミスをしてはいけないという気持ちを生み出します。私は日本の指導者に常々言ってきました。「ミスを指摘するべきなのか、それともポジティブなフィードバックを与えるのか。そのバランスを見極めてほしい」と。大人も子どもも、常にミスを指摘されるのではなく、うまくできたことについては「よくできたね」と言われたいですよね。

選手自らが考えて、行動するように仕向けるのがフィードバックの役目

フィードバックをするときのタイミングや内容をどう判断しているか。私がトレーニング中に止めるときは、頭の中の「iCloud」(注:記憶媒体の喩え)に詰め込んだ要素とリンクしたプレーが出現したときです。そして「今日のトレーニングでしたことは覚えているよね?」というところから入っていきます。

周りの選手にも「彼がやったプレーを見た? 今日練習でやったのはあれだよね」「いま、あの子は何をしたと思う?」と問いかけると、子どもは賢いので、すぐに気づきます。「そうか、こうすれば良いんだ」って。

フィードバックのポイントを一言で言うと「hacer hacer」(アセール、アセール。スペイン語で『する』という動詞)です。選手、子ども自身が自らやるように導き、促す。それが私のフィードバックの考え方です。

フィードバックを通じて、具体的なアクションを起こしてもらいたいのですが、それは決して「やりなさい!」と言ってやらせることではありません。選手自らが考えて、行動をするように仕向けたいのです。そこを目的とするための手段が、フィードバックです。

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(※DVD「ミゲルのミラクルフィードバック〜試合で輝く子どもが育つサッカー指導術〜」より)

選手がプレー中になすべきことに気付けるように指導者が導く。考えるように仕向け、最終的には選手自身が自らの意志でできるようにするのです。「hacer hacer」はスペインで普通に使われている言葉です。「やれ!」と言って、選手をロボットのようにやらせてはいけません。やることを促す、仕向けるのです。

そうすることで、やるべきことが頭の中に刻まれ、プログラミングされていきます。それは、大人になっても機能します。

子どもたちは大人が「不可能だ」と思うことも、できてしまいます。子どもは魔法を信じるのです。子どもたちと練習をすると、大人以上に変化します。DVDに出てきた子どもたちも、短時間の撮影ですごい変化を見せてくれました。これもフィードバックの成果だと思います。ぜひ、多くの方に見ていただき、指導の参考にしてもらえれば、これほど嬉しいことはありません。

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ミゲル・ロドリゴ(Miguel Rodrigo)
フットサルベトナム代表監督1970年スペイン生まれ。
2009年、フットサル日本代表監督に就任。日本代表では、チームをワールドカップで史上初のベスト16に導き、AFCフットサル選手権では、2度の優勝を果たす。
2017年よりフットサルベトナム代表監督に就任。多彩な戦術を駆使することから「魔法使い」の愛称を持つ。
「子どもを褒めて伸ばす」トレーニング方を元に育成年代の指導にも精通。日本で定期的に子ども向けのスクールを行っている他、2014年には1週間の特別レッスンを通して、子どもの成長を描いた「奇跡のレッスン~世界の最強コーチと子どもたち~サッカー編」にも出演した。
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