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- 「考える力」が身につくサカイクキャンプ2013春
- マークを外すために、動き方と身体の向きは?サカイクキャンプ2013その③
キャンプ2日目のトレーニングはよりグループとしての動き方を意識したものになりました。」
「まず初日が個人のスキルにフォーカスしたメニューだったのに対して、2日目は徐々にチームプレーに近づけていくために、グループ戦術、そしてチーム戦術という段取りで必要な要素をメニューに入れました」
須田コーチは2日目のトレーニングのコンセプトをそう話します。
メニューとしては「ドリブル」「マークを外す動き」「チャレンジ&カバー」「攻撃の幅」「攻撃の厚み(深み)」などなど。
「ドリブル」については、メッシやロナウドを例に挙げて「下を向いてボールばかり見ていないで、姿勢をよくして、視野を確保すること」を強調しました。
ここまでは子どもたちもすんなり理解できているようでしたが、「マークを外す動き」以降のメニューについてはなかなか苦労している様子でした。たとえば、「マークの外し方」は、コーチがポイントを伝えた前と後では、子どもたちのプレーがガラリと変わりました。
図のようなラインを引いての3対3。一人はパスを出すだけのサーバーという役割を担います。他の3人はいかにサーバーからボールをフリーで受けられるか。それをスムーズにこなせるようになることが目的です。
まずは、子どもたちが自己流で相手のマークを外しにかかります。しかし、マークされている相手の前後をダラダラと走り回るだけで、なかなかマークを外せません。
「マークを外すときは大きく動く必要はないよ!」
須田コーチが子どもたちに伝えます。
「パスを受ける直前に、相手の逆を突いて、一歩でも二歩でも瞬間的に動けば相手から少し離れることができるよね?」
「このときにボールだけ見ないでしっかり相手の動きも見ておくこと。相手の逆を突いたときに、もしも相手がついてこなかったらその位置でボールをもらえるよね?」
須田コーチが実際に身体を動かして実践しながら子どもたちへ伝えます。
「そして、このときに相手がマークについて来たら、すかさず相手の背後をとってボールをもらう」
実際、須田コーチのコーチングのとおりに実践すると、相手の逆を突いてマークを外せる子も出てきました。さらに須田コーチが続けます。
「いったん下がって相手を釣り出すときは、身体の向きにも注意しようね。(相手ゴールに対して)背中を向けたままボールをもらってしまったら、どうなると思う?」
須田コーチが問いかけると、子どもたちが考え込みます。ある子は「相手にプレスをかけられちゃう?」と答えます。
「そうだね。ボールをもらったときに相手に押し込まれて自分が苦しくなっちゃう。だから、いったん下がって相手を釣り出すときは、必ず相手のゴール方向におへそが向くように身体の向きを意識しよう。相手の動きもしっかり見られるように」
ポイントを踏まえて実践してみると、ずいぶんと子どもたちの動きに緩急のメリハリが出てきました。
■瞬間的な動きを入れながら、ボールをもらう意識を持つことが大事
須田コーチがさらにポイントを伝えます。
「まっすぐ後ろに下がってしまうと視野が狭くなってしまうから、できるだけ斜め後ろに下がってピッチを広く使うように。ボールも、相手も、そしてピッチ全体まで広く見られるようにしよう」
すべての子どもが理解し、それを実践するまでには至りませんでしたが、須田コーチは「日頃から意識を持つことが重要」だと言います。
「頭で理解をしてもフィジカル的なスピードやコーディネーション(自分が思うように身体やボールをコントロールする能力)がない子は、なかなか相手を振り切れない場合があります。それは、ある程度は仕方がありません。でも、多くの子どもが瞬間的な動きを入れながら、何とかマークを外してボールをもらう意識をもちながらプレーしてくれました。まずはそれが重要なんです」
この「マークを外す動き」は、バルセロナのシャビやイニエスタが得意とするところ。「彼らは全然動いていないように見えるけれど、瞬間的にマークを外してボールをもらうことができます。ただし、バルセロナの選手たちのマークの外し方は、今日伝えたポイントにさらに高度な技術を取り入れたものなので、中学生になってから取り組めばまったく問題ありません」と須田コーチ。
「マークを外す動き」については、まずここに書いた基本なポイントだけをしっかり抑えておきましょう。
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取材・文/鈴木康浩 写真/山本善弘
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