1. サカイク
  2. 連載
  3. U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2025
  4. バルサに唯一黒星をつけた、ジェフ千葉U-12エスクデロ監督が語る、日本人に必要な「勇気を持って挑む」メンタリティ

U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2025

バルサに唯一黒星をつけた、ジェフ千葉U-12エスクデロ監督が語る、日本人に必要な「勇気を持って挑む」メンタリティ

公開:2025年8月29日

キーワード:FCバルセロナジェフユナイテッド市原・千葉バディーサッカークラブバルサワーチャレワールドチャレンジ大泉学園

U-12ジュニアサッカーワールドチャレンジで、ホストチームを務めたジェフユナイテッド千葉。予選リーグでFCバルセロナに2対1で勝利し、今大会バルサに唯一黒星をつけたチームとなりました。

ラウンド16では優勝候補のバディサッカークラブ(東京)とスコアレスドローの末、PK戦で敗退したものの、強豪相手に一歩も引かない姿勢は鮮烈な印象を残しました。

試合後、ジェフユナイテッド千葉U-12監督、アルゼンチン出身のエスクデロ・ホアン氏に、大会を通じた感想と指導哲学について、うかがいました。
(取材・文:鈴木智之 写真:兼子慎一郎)

 

jwc_jef2.JPG
(大会3日目はバディーサッカークラブと対戦)
 

 

タイプによって響く言葉が違う
子どものタイプ診断>>

 

620_300.png

 

 

 指導者インタビュー 

■バルセロナの特徴を分析した

――バディサッカークラブとの試合はPK戦で敗退となりました。試合の感想を聞かせください。

エスクデロ 緊張感がある中で、強い相手との試合でした。ゲームプランとしてはボールをしっかり持つことを選手に伝えていたのですが、前半はちょっとバタバタしてしまって簡単に失うことが多く、もったいないと感じていました。

後半は落ち着いて相手を引き付けてボールを保持し、循環させることができました。そこからゲームを作り、チャンスも増えましたが、残念ながらPK戦で負けてしまいました。

相手に能力の高いFWの選手がいたのですが、最後までしっかりと対応して頑張れたのは良かったと思います。

 

――予選リーグでバルセロナに勝利しましたが、それについてはいかがですか?

エスクデロ バルセロナの特徴を分析し、どうすれば嫌がるかを考えました。重要なのはプレッシングの部分です。守備では相手センターバックの正面に入り、ボールを前に運ばせないようにしました。

バルセロナはそこがメソッドとして特徴的なので、最終ラインからボールを運ばれると、数的優位の状況を作られてしまいます。そこをまず抑えて、どこかでエラーが出ればチャンスが生まれると思っていました。

結果的にプレッシングから、我々のショートカウンターにつながりました。バルセロナのリアクションは早かったですが、カウンターの綺麗な形でゴールまで行くことができました。

  

■日本とアルゼンチンのメンタリティの違い

jwc_jef1.JPG
(対バルセロナ戦を振り返るエスクデロ監督)
 

――監督はアルゼンチン出身とのことですが、バルセロナ戦に対して、どのような気持ちで臨まれましたか?

エスクデロ 海外のチームと対戦し、外国人コーチもいる中で、選手たちもモチベーションが高く、自分のプラスアルファを出せることが大事だと思います。自分もこういう試合ではゲームプランを選手に伝え、選手をうまく活かすことを考えました。実際に結果も出て、本当に良かったと思います。 

 

――日本の選手の球際について、アルゼンチン出身の監督として、どう感じますか?

エスクデロ 自分の育った国の基準から見ると、日本やアジアの選手たちはまだ低いと感じます。ただし、やろうとする意識はありますし、連続して球際に行ったり、しっかりと体をぶつけ合うことができる選手もいます。そうでない選手はやはり、後押しが必要だと思います。

 

――バルサのメンタリティ的な部分ではいかがですか?

エスクデロ バルセロナの選手たちが声を出して雰囲気を作るのは、向こうでは普通のことです。アルゼンチンもそうですが、ラテン系の選手たちはそれが当たり前になっています。日本の選手もやろうとしていますが、全員はできませんし、試合の流れがうまくいかなくなると、静かになることが多いですね。

日本の選手たちもメンタル的にコントロールすることができれば、ゲームは常にやり直せると思います。日本には他者をリスペクトする文化がありますが、アルゼンチンやスペインでは「全力を出して戦うこと」がリスペクトであり、戦わないとリスペクトしていないという考え方です。

 

■成長のために「勇気を持って挑むべき」

――バルセロナ戦の勝利を、選手たちに今後どう活かしてほしいですか?

エスクデロ 日本のチームは相手が強いと引いて守ったり、リスペクトしすぎる傾向がありますが、それでは成長することはできません。

強い相手が目の前にいるからこそ、成長するチャンスだと思って、勇気を持って挑むべきです。負ける可能性はありますが、それをしないと成長はできません。この経験を今後に活かしてほしいですし、バルセロナ相手でも勇気を持ってプレーすることが、成長につながると思って臨みました。

 

――ワールドチャレンジという大会の意義についてはいかがですか?

エスクデロ 本当に素晴らしい大会だと思います。海外の選手たちと対戦できることで成長できますし、サッカーだけでなく様々なコミュニケーションを取ったり、みんなで話したりすることができます。試合中も色々な言葉が飛び交っていましたよね。11人制ということもあり、中学年代に向けた準備ができる、素晴らしい大会だと思います。

 

――ホストチームとして、どのような意識で大会に臨んでいますか?

エスクデロ この大会では、選手たちがベンチやコーナーフラッグを置くといった、会場の設営を手伝っています。ホストチームとして感謝の気持ちを忘れず、プレーで全力を出すことはもちろん、オフザピッチでの行動も大事だと思っています。

 

ワールドチャレンジ2025大会結果はこちら>>

準決勝、決勝はアーカイブ配信も!>>

1

こちらもおすすめ

サッカーのトレセンに選ばれる子のはどんな選手? 日本サッカー協会が選手たちに求めること
サッカーのトレセンに選ばれる子のはどんな選手? 日本サッカー協会が選手たちに...
2017年10月26日
小学校高学年や中学生になると「セレクション」や「地区トレセン」「ナショナルトレセン」といった言葉を聞くと思います。低学年のうちはボールを蹴ることが純粋に楽しかった子どもたちも、向上...続きを読む

サカイク公式LINE
\\友だち募集中//

子どもを伸ばす親の心得を配信中!
大事な情報を見逃さずにチェック!

友だち追加
サッカー少年の子育てに役立つ最新記事が届く!サカイクメルマガ
取材・文:鈴木智之 写真:兼子愼一郎

募集中サカイクイベント

サカイクイベント一覧

関連記事

関連記事一覧へ

U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2025コンテンツ一覧へ(10件)

コメント

  1. サカイク
  2. 連載
  3. U‐12ジュニアサッカーワールドチャレンジ2025
  4. バルサに唯一黒星をつけた、ジェフ千葉U-12エスクデロ監督が語る、日本人に必要な「勇気を持って挑む」メンタリティ