サッカー豆知識

2018年6月 8日

W杯出場国と比較して見えてきた、日本が強くなるために必要なこと

■ランク1位のドイツが感じる危機感とは?

ドイツほど競技者人口の多い国でも、危機感を感じています。ドイツサッカー協会の指導書によると、「これから少子化が来るのは確定した未来であり、サッカー選手の人口が減ることが確実視されている。そのため一度サッカーを始めた子が途中で辞めたり、ドロップアウトさせず、成人になるまで続けることができるような指導、環境が重要になる」という記述があります。

「日本もドイツと同じ先進国なので少子化は避けられない未来です。そのため、一度サッカーを始めた子を途中で辞めさせたりせずに、続けさせる環境を作ること。中学、高校、大学の区切りや受験で引退などはせず、続けていくのが当たり前の環境になり、競技者人口が増えた時、日本の FIFA ランキングが上がり、ワールドカップでも結果が出るのではないでしょうか」

その国のサッカーを強化するためには、トップだけでなくボトムを引き上げることが大切です。トップとは A 代表、Jリーグの強化。ボトムはジュニアや育成年代をはじめとする、グラスルーツの環境整備です。その両輪が揃うことで、ワールドカップ優勝という目標に向けてまっすぐ進むことができるのではないでしょうか。

後編では、どのようにサッカー環境を作り、プレイヤーの増加につなげていけばいいかという提言を紹介します。

幸野健一(こうの・けんいち)

サッカーコンサルタント、アーセナルサッカースクール市川代表
10歳よりサッカーを始め、17歳のときにイングランドにサッカー留学。以後、東京都リーグなどで40年以上にわたり年間50試合、通算2000試合以上プレーし続けている。
日本のサッカーが世界に追いつくためにはどうしたらいいかを考え、育成年代を中心にサッカーに関する課題解決を図るサッカーコンサルタントとして活動中。
2014年4月「アーセナルサッカースクール市川」代表に就任。スクールの運営でも手腕を発揮している。

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