インタビュー

2023年7月11日

プロになった今も自分でシューズを磨くという柴崎岳選手が語る、スパイクのこだわりとキック精度を高める練習

サッカー選手にとって大切なシューズ、そのこだわりについて、契約メーカー「アンブロ」を展開するデサント社にて1日社員として活動した柴崎選手に聞きました。

小学生の頃にやっていた、キックの精度を高めた練習についても話してくれました。
(取材・文:前田陽子)

 

プロになった今でも自分でシューズの手入れをするという柴崎岳選手

 

<<関連記事:「子どものころから、自分のプレーを自問自答するタイプだった」という柴崎岳選手の考える力とは

 

サカイク公式LINEアカウントで
子どもを伸ばす親の心得をお届け!

 

■シューズでこだわっているのはフィッティング

正確なパスから攻撃を組み立てる柴崎選手にとって、スパイクとボールとの相性がとても大事だと言います。
 
「シューズでこだわっているのは履いた時のフィッティングです。自分の足に対して不快な部分がないかどうかを、履くだけでなくてちゃんと動いて確認します。自分のプレースタイルの中でキックの部分は非常に重視しているし、大事なポイント。ボールを蹴った感覚、技術もそうですが、思ったところにボールが行くかとか、そういうところを重視しています」

  

■自分のスパイクは自分で手入れしている

試合では前後半でスパイクを履き替えるという柴崎選手。それは長くいい状態でスパイクを履くためだそう。試合で履く2足と練習用で2足。長いと半年ほど同じものを使用しているそうです。

レザーのスパイクは手入れをしないとすぐにダメになってしまいます。チームに用具係の人がいますが、スパイクの手入れはご自身でされています。

「チームにも用具係がいますけど、自分のスパイクは自分で管理をしています。使用後、水で汚れを落として、拭いて、オイルを塗って皮のいい状態を保っています。時間にしたら5~10分くらい。子どものころは、自分で手入れはしていなかったですね。使う物は綺麗な方がいいし、自分のスパイクなので自分できれいにした方がいいと思うので、子どもたちにはやってほしいです。どんなスパイクでも、土などの汚れを落とさないと、すぐにダメになってしまうものです。ちゃんと手入れをしていけば、自分の足に馴染んだ状態で履けます。皮の状態によって蹴った感覚も変わります」

シューズのケアを親に任せっぱなしの子は多いと思いますが、自分がサッカーで使う道具だからこそ、自分で手入れして大事に使うことで良いプレーにつながるのです。

 

■ボールを正確に蹴り分けるためにスパイクに蹴るポイントを書いたことも

柴崎選手が子どものころは、ジュニア用のシューズのほとんどが合成皮革だったので、素材でスパイクを選ぶことはなく、デザインを見て、履いてみて、足に合うものを選んでいたそう。

当時から重要視していたのはフィッティング。そして、ボールをキックすることが好きだったので、自身のシューズに蹴るポイントをマークして、そのマークにボールを当てて蹴る練習をしたこともあったそうです。

「小学5年生の一時期だけ、スパイクにマジックで印を付けていました。でも、書いたら消えなくなるし、そのまま履くのは恰好が悪いなと後から思ったので、子ども達に真似してほしいとは思わないですね」

 


小学生時代に柴崎岳選手が実際に印をつけたスパイク ご実家に保管されていたそう

 

 

■蹴りたいボールをイメージして、スパイクのどこにどう当てるかを考える

アンブロのはじめてサッカーシューズは、止める、蹴る、運ぶのポイントを色分けして足のどこに当てるかボールタッチの部分を色で覚えることができるシューズなので、サッカーを始めたばかりの子におすすめです。

 


アンブロはじめてサッカーシューズを手に小学生時代を語る柴崎岳選手

 

柴崎選手は小学生のころ、このシューズの甲の部分や、かかとでも蹴る練習をしていたそうです。

「どこで蹴るとまっすぐに行く、ボールを上げられるというのを気にすると同時に、足の入れ方や足首の角度などを変えながら蹴って、自分がイメージしている通りのボールをどうやったら出すことができるかを考えていました」

ボールを何となく蹴るのではなく、どんなボールを出したいかを意図し、そのイメージに合ったものが出るまで探求する。これからの練習にぜひ取り入れたい方法です。

スパイクのどこに当てれば蹴りたいボールを蹴れるか考え、実践した柴崎選手の「考える力」も大いに参考になるのではないでしょうか。

上手くなるために何をすればいいか、考えて行動することの大切さがわかるお話でした。

 

サッカーする子どもを伸ばす親の心得
「サカイク10か条」とは

1

関連記事

関連記事一覧へ