インタビュー

2022年7月 7日

セレッソ大阪とサカイクがコラボキャンプを開始! 元日本代表選手とサカイクコーチが語る、成長に必要な「5つのライフスキル」とは?

サッカーの技術だけでなく、ライフスキルも伸ばすことのできるキャンプとして、参加者のみなさんから好評を得ているサカイクキャンプ。2012年からスタートし、延べ4000人以上の子どもたちが体験しています。

2022年夏、サカイクはセレッソ大阪とコラボし、新たなキャンプ(3日間、宿泊なし)を開催します。それが「セレッソ大阪×サカイクキャンプ2022summer」です。

今回は関西では初となる、Jクラブとのコラボキャンプを記念し、セレッソ大阪アンバサダーの勝矢寿延さんと、サカイクキャンプのヘッドコーチである菊池健太コーチが、キャンプで身につけることができる「5つのライフスキル」について対談を行いました。

サカイクキャンプってどんなことをするの? ライフスキルって何? セレッソ大阪の育成についての考えを知りたい! という方々は、ぜひ読んで参考にしてみてください。(取材・構成 鈴木智之)

■非日常体験が子どもを変える


(写真は、サカイクキャンプの様子です。)

菊池:サカイクキャンプのテーマは「非日常体験が子どもを変える」です。普段とは違うグラウンド、違う仲間、違うコーチのもとでサッカーをすることは、非日常だと思っています。その中で、サッカーの技術だけでなく、コミュニケーション能力を始めとする、「5つのライフスキル」(考える力、コミュニケーション、リーダーシップ、チャレンジ、感謝の心)を身につけることができるのではないかと思い、カリキュラムを組んでいます。

勝矢:ライフスキルの5つの項目がはっきりしているので、子どもたちも受け止めやすいですよね。我々も子どもたちの指導をする上で、ここに挙げた5項目は大事にしています。一方で、伝えたい事を明確に言語化することにより、指導にも落とし込みやすいと感じています。このキャンプに参加してくれた子どもたちが、5つのライフスキルの中の1つでも日常生活やサッカーの場面で意識してくれたら、それはもう成功です

菊池:私もそう思います。この「5つのライフスキル」は慶應義塾大学の東海林先生と一緒に設定したもので、サッカーのスキルに加えて、人間性を高めていくことが、サッカー選手としての成長につながると考えています。オフザピッチでは「サカイクサッカーノート」を導入して、自分のプレーについて考える時間を設けています。

勝矢:サッカーは常に状況を判断して、プレーを選択していくスポーツです。ボールの展開であったり、プレーの流れを読む力は、すごく大切です。先を読んでプレーすることも、考える力につながりますよね

■コミュニケーション力を高める


菊池:続いて「リーダーシップ」ですが、リーダーシップと聞くと、サッカーのうまい子が周りに指示を出して、みんなを鼓舞するイメージがあると思いますが、私が子どもたちに伝えているのは、「相手の立場に立って行動することが、リーダーシップだよ」と言うことです。

勝矢:素晴らしいと思います。リーダーシップというと、声を出してみんなを引っ張っていくイメージがありますが、性格的にそれが向いていない子もいます。でも、チームの一員として、周囲と協力して目標に向かっていくことも、リーダーシップのひとつの形です。そこで、意思表示をしたり、周りと意見交換をすることも、リーダーシップにつながっていくのではないかと思います。

菊池:おっしゃる通りで、それは「コミュニケーション」にも関連しますよね。サカイクキャンプでは、練習の最後に試合をするのですが、試合前、休憩時間、試合後に、子どもたちだけで作戦会議をする時間を設けています。そこで「必ず、前向きな話をしよう」と伝えています。お互いのミスを責め合っても、良い結果にはつながりません。誰かが一方的に言うのではなく、双方向で会話をすることが、コミュニケーションだと感じてほしいからです。

勝矢:いまの子どもたちは、試合中に要求しあうことがほとんどありません。私が現役だった頃は、自分の前と横の選手との関係性をすごく大切にしていました。お互いにプレーについて話し合って、試合中もできるかぎり、思っていることを伝えるようにしていました。それが結果として、自分のプレーにプラスになると痛感しています。

菊池:サッカーはチームスポーツで、周りと協力しながらチャレンジすることで、大きな達成感や喜びが得られますよね。子どもたちに「ここではチャレンジしてもいいんだ」と感じてもらうために、「チャレンジして失敗したとしても、責められたり、怒られることはないんだ」という環境づくりが大切だと思っています。

勝矢:そのとおりですね。

【2022夏休み通い開催】セレッソ大阪×サカイクSummer Camp>>

■子どもたちがチャレンジできる環境を作る


菊池:サカイクキャンプに参加すること自体も、大きなチャレンジです。初めての場所、初めてのコーチ、初めての友達、初めての環境で3日間を過ごすことに対して、「大きなチャレンジができたね」って、認めてあげたいです。

勝矢:チャレンジでいうと、私は小学生のときに剣道を習っていて、学校の授業で柔道もしていました。そこで身につけた体の動かし方や間合い、相手との駆け引きは、サッカーにすごく生きています。子どもの頃、一歩踏み出してチャレンジしたことが、プロサッカー選手として、38歳まで現役を続けることができる土台を作ってくれたと思っています。子どもたちにも、自ら進んでチャレンジすることで、将来の自分に還元できるんだよと伝えたいです。

菊池:そう思います。最後に「感謝の心」ですが、「キミたちがサッカーができているのは誰のおかげかな?」という話は、常にしています。サッカーに送り出してくれる、スパイクを買ってくれる保護者の方々がいるからこそ、サッカーができているわけです。私が伝えているのは「みんなが楽しくサッカーをしている姿を見ることが、親御さんや、応援してくれている人にとって、うれしいことなんだよ」ということです。子どもたちには、今回のキャンプでもその気持ちを忘れず、サッカーを楽しんでほしいです。

勝矢:キャンプ初日、子どもたちの表情や行動から性格等を早く見抜いて、変化を促すためにどうすればいいかを、コーチ陣で共有してきたいですね。キャンプを通じて表情や行動が変わっていくと思うので、そこを見逃さずに適切なサポートをしていきたいと考えています。(後編に続く

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