インタビュー

2021年10月19日

「あこがれの舞台で思い切りサッカーができるようにサポートしたい」30年に渡り、全国高校サッカー選手権大会をスポンサードする、帝人株式会社の熱意

サッカーを支える企業にスポットを当て、想いを聞く特別企画。今回は帝人株式会社です。冬の風物詩・高校サッカーのテレビ中継で流れる「DAKE JA NAI テイジン」という印象的なCMが耳に残っている人も多いのではないでしょうか。30年に渡って高校サッカー選手権大会をスポンサードする、帝人株式会社の川地隆介さんに、サッカーに対する想いをうかがいました。(取材・文 鈴木智之)

(大会会場で掲出されている看板)

――帝人さんは創立100年を超える歴史ある会社ですが、どのような事業を行っているのでしょうか?

大きく分けると、マテリアル(素材系)とヘルスケアの2大領域で事業を展開しています。皆さんが着ている服に使われている繊維を開発したり、航空機などに使われる炭素繊維や、消防服などに使われているアラミド繊維など、軽くて丈夫な高機能繊維を手がけています。ヘルスケア部門では、医薬品や医療機器、機能性食品などを製造販売しています。

――サッカーとは、どのような関わりがあるのでしょうか?

帝人の素材がサッカーのユニフォームやウェア、スパイク、ボールなどに使われています。メーカーさんとの契約上、多くを語ることはできないのですが、世界的に有名な選手が履いているスパイクに帝人の素材が使われていたりします。また、毎年高校サッカー選手権大会の都道府県の代表校には、帝人の人工皮革を使ったサッカーボールをプレゼントしています。

――サッカーボールの寄贈は、学校からするとうれしいですね。

100回大会からはボールメーカーのミカサさんと一緒に作って、都道府県の代表校に寄贈する予定です。帝人は全国に営業所や工場があるので、そこの所長や代表者が優勝校を訪問し、ボールを寄贈する取り組みを1996年から続けています。

(都道府県の代表校に寄贈されているボール)

――30年ほど前から全国高校サッカー選手権大会のスポンサーをしていますが、どのようなきっかけで始まったのでしょうか?

高校サッカー選手権は夏の高校野球と並ぶ、高校生の2大スポーツイベントです。帝人のことを広く認知してもらうためにふさわしい大会ですし、我々としても青少年の育成支援を通じた社会貢献活動の一貫として考えています。企業理念と重なる部分も多いので、スポンサーという形で協力させていただいています。

――高校サッカー選手権をテレビで見ていると、「DAKE JA NAI テイジン」というフレーズが印象的なCMが流れています。

普段はあまりCMを流しておらず、高校サッカー選手権のときに一気に露出しています。帝人のCMを見ると、年末年始だなと感じる方も多いようです。私自身、帝人に入社して「帝人の川地です」と自己紹介をすると、サッカーに詳しい方は「高校サッカーでよく見ます」と言っていただくことが多いです。

――私もそうですが、高校サッカーをよく見る人には、帝人の名前が刷り込まれています(笑)

それは本当にありがたいことです。帝人の名前を出すことで、高校サッカー選手権の認知や拡大につながる部分もあると思いますし、逆に高校サッカーといえば帝人、と思い出してくれる方もいます。高校サッカーを通じて、帝人に良い印象を持ってもらえることが多いので、スポンサーメリットを超えた付加価値だと思います。

――高校サッカー選手権は全国で放送されるので、影響力は大きいのではないでしょうか?

おっしゃるとおりで、ブランド戦略で言うと、高校サッカー選手権は各地方局で試合が放送されるので、全国でCMが流れます。ただ、それらを抜きにしても、高校サッカーは企業理念と親和性が高いので、協賛させていただいている部分が大きいです。

――スポンサーとして、大会期間中はどのような活動をしているのでしょうか?

98回大会ではCEOの鈴木 純が協賛社の代表幹事として、優勝した静岡学園にトロフィーを授与させていただきました。その光景を見たときに、少しでも彼らの力になれているのであれば、サポートしてきてよかったなと感じました。

――昨年の99回大会は無観客で行われました。帝人さんとしては、どのような取り組みをされたのでしょうか?

帝人は繊維も取り扱っているので、何ができるかを考えたときに「高校サッカーのマスクを作って、皆さんにプレゼントしよう」というアイデアを思いつきました。感染症対策に協力したいという気持ちで6000枚ほど作り、チームや運営関係者に配布させていただきました。

(99回大会で配布されたマスク)

――SNSでも精力的にキャンペーンをしていた印象があります。

スタジアムで観戦ができない中、どうやれば大会の盛り上がりに協力できるかを考えて、SNSに注力しました。高校サッカー選手権の思い出に残っている試合や選手への応援メッセージを投稿してくれた方に、抽選でボールをプレゼントしました。今年は記念すべき100回大会です。お客さんが観戦できることになるのかどうかはわかりませんが、帝人としても大会を盛り上げるために、できることをしたいと思っています。

――いま話が出ましたが、記念すべき100回大会に向けて、想いをお聞かせください。

昨年感じたことですが、選手たちはコロナ禍で練習もままならない中、素晴らしいプレーを見せてくれます。彼らがあこがれの舞台で思い切りサッカーができるようにお手伝いすることが、協賛社の務めだと思っているので、引き続きサポートしていきたいです。

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