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インタビュー

「スポーツを通じて、地域を盛り上げたい」川崎フロンターレやシント=トロイデンVVにスーツを提供する、『AOKI』の想い

公開:2021年8月 4日

サッカーを支える企業にスポットを当て、想いを聞く特別企画。今回は川崎フロンターレやベルギー1部リーグのシント=トロイデンVV(以下、STVV)をスポンサードする『株式会社AOKI』です。チームのオフィシャルスーツを提供するなど、選手の外見を支えるAOKIは、どのような想いでサッカーに携わっているのでしょうか? 自身もサッカー少年だった(株)AOKI青木彰宏会長に、サッカーを始めとする地域に根付いたスポーツをスポンサードする理由をうかがいました。(取材・文 鈴木智之)

――青木社長とサッカーの関わりを教えてください。

私はキャプテン翼世代で、小学校の頃、キャプ翼を見てサッカーを始めました。高校は國學院久我山高校のサッカー部でした。その縁で、久我山高校のユニフォームスポンサーもしているのですが、高校のときの監督やコーチから「選手以外にも、サッカーに携わる方法はあるよ」という話を聞いて、それがずっと頭に残っていました。そして、後にサッカー部からスポンサーの申し出を受けたことで、サポートすることになりました。

――スポンサードされることに対して、サッカー部の高校生たちの反応はいかがですか?

移動時などに、AOKIで揃えたジャケットやポロシャツを着るのですが、周りに見られている意識が芽生えたそうで、「周りから見て、恥ずかしい行動はできない」「久我山というブランドを背負っている自覚が出た」という話を聞きました。

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――AOKIさんが最初にスポンサーを始めたのは、川崎フロンターレですね。2006年のことになりますが、どのようなきっかけで始めたのでしょうか?

私が「ORIHICA(オリヒカ)」というブランドを立ち上げた頃に、ブログかなにかで、「サッカーとファッションにはものすごく関連性がある」と書いたんですね。それを読んだフロンターレのフロントスタッフの方が、「フロンターレのサプライヤーになりませんか?」とアプローチしてくださったのがきっかけでした。

――2006年の川崎フロンターレといえば、J1昇格2年目で2位に躍進した年でした。

我々がスポンサーを始めた頃は、J2からJ1に上がったばかりで、いまのように目立ったチームではありませんでした。当時、フロントスタッフの方に「フロンターレの強みって何ですか?」と聞くと、「J1に昇格してから、ホーム試合の観客動員が1試合あたり1万人を割ったことがないことです」と返ってきました。「地域に根ざしたクラブにしていきたいんです」と言われて、1993年にJリーグが誕生したときの川淵チェアマンの言葉がよぎったんですね。

――地域密着の理念ですね。

はい。それで、「一度、等々力競技場に試合を見に来てください」とお誘いいただき、会場へ伺ったところ、スタジアムの空気感がすごく良かったんです。ハーフタイムには、試合に出ていない選手が子どもたちとドリブルで遊んだりしていて、地域との関係を大切にしているチームっていいなと思いました。その光景を見たときに、我々もサプライヤーとして、チームだけでなく、地域を盛り上げるお手伝いができるのではないかと思いました。

――どのような形でスポンサードをしているのでしょうか?

メインはスーツやポロシャツ、パンツなどの提供です。毎年、翌シーズンに着るスーツのデザインを選手と話し合ったり、サポーターの方々からネクタイのアイデアを頂いたりしながら作っています。

――とてもおもしろい試みだと思います。選手の中で、ファッションに敏感な人は誰ですか?

一番は谷口(彰悟)選手ですね。チームのファッション番長だと、僕は思っています(笑)。スーツのパンツの裾を最初は22センチで設定しているのですが、谷口選手が18センチにしてから、パンツの裾幅を指定したり、裾をダブルにするとか、こだわる選手が増えました。優勝記念パーティで、ORIHICAのスーツを着て一列に並ぶ姿を見て、「みんなかっこよく着こなしてるね」と、スタッフと話をしたのを覚えています。日本一になったチームのスーツを我々が作っているのは、私もそうですし、現場で働いているスタッフも非常に誇りに思っています。

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――フロンターレがJ2からJ1に昇格して、ビッグクラブになる過程を間近で見てきているので、2017年のリーグ初優勝のときは、喜びもひとしおだったのではないですか?

優勝が決まったときに、中村憲剛さんがひざまずいて泣いた姿を見て、私も同じように感動しました。いまのようにメジャーではないところから一緒に積み上げてきたことを思い出し、それが喜びにつながりましたね。AOKIがスポンサードを始めた2006年頃から、フロンターレはORIHICAの店内に選手を呼んでサイン会をしてくれたり、マスコットのふろん太を連れてきてくれたり、すごく良くしてくれていました。

――スポンサーとしてはうれしいですね。

フロンターレのその姿勢を見たときに、いつか絶対強いチームになるなと感じました。もし強くならなくても、私はこのチームが好きだ、応援したいと思えたんです。「私もチームの一員」という気持ちで、いまでもお付き合いをさせてもらっています。フロンターレのスポンサー対抗フットサル大会があって、スーツを景品で提供したり、フットサルを通じて他の企業の方ともお話ができるので、すごく良い機会だなと思っています。

――ベルギーリーグのSTVVのスポンサードもされていますが、こちらはどのような意識で携わっているのでしょうか?

STVVはCEOの立石敬之さんと話をさせていただいて、選手だけでなく、監督やトレーナー、ビジネススタッフも世界で経験を積むことのできる場所にしたいとおっしゃっていました。世界を知るための登竜門としてクラブがあり、日本の企業が経営しているところに魅力を感じました。冨安選手、遠藤選手、鎌田選手もSTVVからステップアップしています。素晴らしい取り組みをされていますよね。同じ経営者として理念に共感していますし、刺激をもらっています。

――こちらもスーツ提供などのスポンサードなどでしょうか?

はい。今度、STVVに提供するスーツはジャージ素材でできています。AOKIはテレワーク時に活用できる「パジャマスーツ」のような商品も出していますし、新しい素材で、新しいスーツを見せていく活動は積極的にしていきたいです。

――AOKIの本社は神奈川県で、川崎市のフロンターレ、横浜市のプロバスケットボールリーグBリーグの横浜ビー・コルセアーズをスポンサードしています。地域に根付いたスポーツをスポンサードする意義はどう感じていますか?

色々なスポーツに携わることで、ビジネス以外で世の中に貢献できていると感じます。スポーツを通じて地域全体を盛り上げる、もしくは経済を活性化させるロールモデルになりたいですし、アスリートにスーツを着てもらうことで、スーツスタイルの良さを伝えていきたいです。「ユニフォーム姿も素敵だけど、スーツ姿もいいよね」と見られることで、子どもたちから憧れの眼差しを向けられたり、選手も見られ方を意識するようになりますよね。その良い循環を作ることができればと思っています。

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取材・文 鈴木智之

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