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インタビュー

"勝ち"か"負け"かではなく"勝ち"と"学び"。リバプールFCスクールコーチが教える子どもたちの自信を深める方法

公開:2020年12月17日

キーワード:アルファゴールサッカースクールミニゴールリバプールFCスクール

2018-2019シーズンにヨーロッパチャンピオンズリーグで優勝し、欧州ナンバーワンに輝いたリバプールFC。サラーやファン・ダイク、南野拓実を始め、たくさんのスター選手を揃え、攻撃的でスピーディなサッカーを展開しています。日本のリバプールサッカースクールでメインコーチを務めるエリス・ニクソンコーチに、リバプールの指導や保護者の振る舞いなどについて、話を伺いました。

前編:常にゴールを意識したトレーニングを。リバプールFCスクールが大切にする育成哲学>>

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インタビューに答えてくれたエリス・ニクソン ヘッドコーチ

――リバプールのスタイルは攻撃的、ハードワーク、素早いトランジションなどのキーワードがありますが、それを日本の子どもたちに落とし込む場合、どこにポイントを置いていますか?

我々はディテールにこだわっています。小さなことが、大きな違いを生み出します。たとえばミニゲームをする時に、ボールがピッチの外に出たら、すぐにコーチが入れます。そうすると子どもたちは、ボールがタッチラインを割ったからといって集中を切らしたり、気がゆるんだりすることはありません。すぐにボールが入れられてプレーが再開するので、子どもたちはそれに反応して、プレーを切り替えなければいけないという認識になっていきます。トレーニングの中で条件を付け加えることによって、子どもたちが反応せざるを得ないシチュエーションを作っています。それが素早いプレーや攻守の切り替えなどにつながるのだと思います。

――リバプールFCのトップチームには、日本代表の南野拓実選手が所属しています。彼については、どのような印象を持っていますか?

南野選手のチャレンジは称賛に値するものです。若い年齢で海外に出て、チャレンジを続けてきました。それがあったからこそ、リバプールの一員になることができたのだと思います。彼には、日本に留まって、慣れ親しんだ環境でプレーを続ける選択肢もあったと思いますが、リスクをとって海外に出てチャレンジしました。とても素晴らしいと思います。日本の子どもたちにも、南野選手のチャレンジや決断を例にあげて話をしています。

――子どもたちへの接し方についての考えを教えてください。例えば試合に負けた時、子どもたちにどのような声をかけますか?

まず私は、試合の結果は「勝ち」と「負け」ではなく、「勝ち」と「学び」であると思っています。試合には負けたかもしれないけど、そこで学ぶことがたくさんあったという考え方です。勝つ時もあれば、負ける時もあるのがサッカーです。勝ったからすべてOKではなく、負けから学ぶこともたくさんある。それはサッカーだけでなく、人生も同じことですよね? そう思いながら、子どもたちに接しています。

――具体的にはどんな言葉をかけていますか?

日本の子どもたちには「失敗してもいいんだよ」と言い続けています。一度や二度言うだけでは、子どもたちも「そうは言っても...」と感じるかもしれませんが、言い続けることによって、「失敗してもいいんだ」と信じて安心するようになってくれます。「いいよ、続けよう」「失敗しても立ち上がってプレーしよう」ということで、シャイな日本の子どもたちは変わっていきます。

――指示をするところと、黙って見ておくところのバランスはどうしていますか?

トレーニングの枠組みは、コーチである我々が作ります。指導のテーマがある中で、選手たちをトレーニングメニューや声掛けを通じて、進んでほしい方向へガイドします。そして、ピッチの中では選手に自由に決断させるようにしています。コーチがあれをしろ、これをしろと細かく指示を出すと、指示待ち人間になってしまい、言われなければ行動できない人間になってしまうからです。

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「Good!」などポジティブな声かけを行うコーチたち

――自立心を育む上でも、大切なアプローチですね。

そう思います。トレーニングの設定とルールを伝え、「後は自由にプレーしよう」というアプローチをすると、子どもたちには「自分で判断していいんだ」という安心感が生まれます。そうやってトライアンドエラーを繰り返しながら、徐々に自信を得ていくのが理想です。同じようなミスが2、3度続けて起きた場合は、「いまのプレーはどうだった?」「どうしてそうなったと思う?」と問いかけて、選手自身が気づく中で、より良い判断ができるように導いていきます。

――リバプールのトレーニングは、基本的にゴールを設置して行う(※前編参照)と伺いましたが、コーチの中には、ゴール前で選手がシュートを打たないときに「シュート打てよ!」「なんで打たないの?」「いま打てたよ」などと言う人もいます。

もし選手がゴール前でシュートを打たなかったのならば、それはテクニックの問題なのか、判断ミスなのか、それとも他になにか理由があったのか...と考えます。そして試合の後に、その選手に対して「次の試合で同じような場面があったらどうする?」とたずねます。そうすると、選手は状況を冷静に振り返り、自分で正しい答えを導き出せることが多いのです。そこで私は「よし、わかった。じゃあ、次はそうやってみよう」と言います。

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ミニゲームでもしっかりとシュートの意識をもたせる

――試合中に怒鳴ったり強く指摘したくなることはないですか?

ありません。時にはトレーニングがうまくいかず、子どもたちも集中していないなと感じることもありますが、それはコーチである自分の責任です。トレーニングがうまくデザインできていなかったので、それについては自分自身に怒鳴りたくなります(笑)。一方で、子どもたちが一生懸命プレーしないことについては、強い口調で言うときもあります。我々はトップチームに、お手本となる素晴らしい選手たちがいるので、彼らを引き合いに出して「サラーはどんなスピードで動いている? ファン・ダイクだったら、そんなにゆっくりプレーするかな?」などと問いかけて、子どもたちが自ら動き出すように刺激を与えていきます。


――サカイクには子どもたちへの声かけに悩む声が多く届きます。子どもたちがサッカーの練習、試合から帰ったときに、保護者はどのような声をかければいいでしょうか?

まずは「うまくできた」「できなかった?」と高圧的にきかないこと。「楽しかった?」「おもしろかった?」などのシンプルな問いかけでいいと思います。年齢が下の子であれば、「今日は楽しかった?」「どんな練習をしたの?」「いつもと違うことはあった?」などのスモールクエスチョンをするのがいいと思います。「一生懸命やれた?」とたずねられたとき、それに子どもが答えることで「今日の自分は一生懸命やれた」と口にすることになります。それが自己肯定につながるので、とても意味のあるやり取りです。

――今後、日本でどのような選手を育成していきたいですか?

スクールを卒業するときに、保護者の方から「うちの子がこんなふうに変わりました」「自信を持てるようになりました」「すごく成長しました」と言ってもらうことがあり、とても幸せを感じます。サッカーを通じて、子どもたちが自信を深めること、成長していくことに喜びを感じているので、これからも引き続き取り組んでいきたいです。

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エリス・ニクソン
リバプールFCスクール ヘッドコーチ
イングランド出身。学生時代から街クラブなどで子どもたちを指導。リバプールFCスクールにて指導経験を積み、4年前にヘッドコーチとして来日。伝統あるリバプールFCの哲学にもとづいた指導を行っている。

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取材・文/鈴木智之 写真/新井賢一

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