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インタビュー

いつでもいいパフォーマンスができる自分でいられる 遠藤保仁選手に学ぶ「いいメンタル」の保ち方

公開:2019年6月14日

キーワード:セルフプロテクトプレッシャーマイペースメンタル緊張しない遠藤保仁

ガンバ大阪の遠藤保仁選手は、20年以上Jリーガーとして第一線で活躍すると同時に、どんな時も自分らしさを失わず、シンプルかつナチュラルな生き方でも知られています。メンタルトレーナ―の浮世満理子先生は、遠藤選手を『決して無理をせず、誰に対しても媚びることなくフラットで、自然体でありながら、どんな場所でも自分が心地よくいられる環境を整えている』と表現されました。

そんな"遠藤選手らしさ"はどういう行動力、思考、メンタルで支えられているのかを、浮世先生が遠藤選手との対話を通してメンタルトレーナ―の視点から分析し、緊張を緩和させる、不安な気持ちを緩和させる、失敗を恐れず立ち向かう、自分の弱点を克服する など遠藤選手のようなメンタルに近づくために、私たちにできる22のメソッドを収録した『「マイペース」が引き出す可能性~常に自分らしくいられる簡単メソッド~』。

後編では、遠藤選手が「普通の生活でも、スポーツでもそうですけど、ものすごくメンタルが重要視されてきているというのが時代の流れです。メンタルの持ちよう一つで考えや、大きく言えば人生まで変わってしまう可能性があるので、メンタルトレーナーの仕事はこれから非常に重要になってくると思います。ですから、このような形で自分の考えを示せるのはとてもありがたいことだと思います」と語る、「メンタル」のありかたをお伝えします。
(取材・文:貞永晃二、写真:平木千尋)

<<前編:「ミスなくやらなきゃ」が緊張を生む! ガンバ大阪・遠藤保仁選手に聞く常にいつもの力を出す方法

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いつでも自然体で自分の力を出せる遠藤選手のメンタルについて伺いました

 

■ストレス耐性は日常で高められる

『ストレスは溜まらない。ぜんぶスルーしてるから』
遠藤選手は、ストレスが溜まっていると感じることはないそうです。試合中に「なぜそこにパスを出したの」など味方のプレーでイラっとすることがあってもそれは一瞬で、味方を責めずに、「今、自分はパスをもらえるところにいたのか」など自分のプレーに他の選択肢がなかったかと考えるそうです。

「僕の見ている絵と他の人が見ている絵とでは全く違うと思いますし、違うからこそミスが起こりうる。それは僕のミスも同じこと。人が見ている絵をわざわざ壊す必要はないと思います」という考え方なのだそうです。

浮世先生によれば、遠藤選手がストレスに強い理由を、都会に比べ何かと不便だったり厳しい環境で育ったことで、さまざまな事態を受け入れる力(ストレス耐性)が育ったのではないか、ということですが、遠藤選手も「(鹿児島の桜島だったので)まあ厳しい環境でしたね。普通の生活でもあまり便利なところではなかったし。幼い頃はあまり外の世界を知らないせいか、それが当たり前と思ってやっていましたね」と認めていました。

浮世先生の解説は、ストレス耐性はトレーニングで高められるもので、メソッドとしては月に一度でいいから厳しい環境で過ごすこと。例えば、月に一度電気なしで過ごしてみる。すると、自分がどこまで耐えられるかが分かってきて、その対処法も見つけられるということです。

『オンオフはきっちり分けます』
遠藤選手は、フィールドを出たら、サッカー(仕事)のことは一切考えないそうです。試合に勝っても負けても、気持ちを次の日に持ち越さないといいます。遠藤選手にオフの過ごし方を尋ねると、「何かに没頭するというのはないですね。もちろんゴルフが好きだとか、たまに街ブラするのは楽しいですけど。家でもいたって普通です。子どもと遊びますし、嫁さんと出かけるとか」。やはり、家族と一緒の時間が一番の癒しでありリラックスタイムのようです。

浮世先生によれば、オンからオフへと切り替えてリラックスしないと、休息の質が落ちて、パフォーマンスも落ちるのだそうです。頭や気持ちを切り替えるメソッドとしては、心から集中できるものを多くストックしておくこと。例として、ペットと遊ぶ、小説を読む、アロマや足浴などを挙げられています。

■いいパフォーマンスができる自分にもっていく方法

『ルーティンやジンクスはまったく必要ない』

この言葉は、少し意外でした。テレビで放送されて有名になりましたが、遠藤選手がハーフタイムにシャワーを浴びて裸のままロッカールームをウロウロするのはルーティンだと思っていたからです。「今でもやっていますし、代表でもやっていましたけど、なかったらなかったで全然問題ないですね。暑い時に身体を冷ますために浴びているだけです」とそっけない答えでした。

浮世先生の解説では、普通ルーティンやジンクスは「いいパフォーマンスができる自分」になるための意識的な心のスイッチであり、遠藤選手は長い経験の中で試合に向かう自分なりの心のスイッチを体得して、今ではすぐ無意識に切り替えられる。そして、いい時も悪い時も自分自身や置かれた状況から逃げずに向き合い、その中でベストの状態を作ることを習慣化している。だから、ルーティンもジンクスも必要ないのだろうということでした。

しかし、意識せずに「いいパフォーマンスができる自分」に持っていくというのは一般的にはなかなかハードルが高いものです。

浮世先生はこの遠藤選手の境地に至るまでの第一段階のメソッドとして、いざという時に行う簡単なルーティンを1、2個作って、それを習慣づけると、ある時意識せずにできるようになるそうです。例として、好きな歌手の歌を聴く、大きな声を出すなどを挙げています。

■プライドと誇りの違い

『プライドってなんだろう...。傷つけられたくないプライドなんて僕にはない』
遠藤選手は、引退したある選手の「プライドが成長の邪魔をする」という言葉を聞いて納得感があり、プライドは捨てるべきものだ、という考えになったといいます。ガンバ大阪にとって屈辱といえば、J2降格ですが、あのシーズンのことを尋ねると、「もちろん、当時は代表選手でしたけど、日本代表は絶対にJ1でプレーしないといけない、とは思っていなかったですし。自分に対しての自信はありましたけど、だからといってJ2では無理だとかもなかった」とやはりプライドが傷ついたという話にはなりませんでした。

浮世先生によれば、プライドとは他者から受ける評価などのメンツ的なニュアンスを含むもので、一方、誇り(自尊心)とは自分を大事にする気持ち。遠藤選手は「プライドはない。だけど、誇りはもっている」と言えるのだと解説しています。

人間は目標を達成できると、自分はできるのだという「自己肯定感」が高まり、その状態が続くと、安定した自信を手にして、誇り(自尊心)を持てるようになるそうです。

浮世先生が勧める自己肯定感を高めるためのメソッドは「OK日記」です。それは、一日の最後に今日頑張ったことを5つ書き出すというもの。今日「できたこと」、ではなく「頑張った」ことを5つ些細なことでもいいから書くのです。最初は5つもないと困っていても、日記に書けるようなことをしよう、と思うようになるそうです。特にスランプ状態の選手に最適とのことです。

これは、自分をなかなか認められず他人のことが気になってしまう人、他人と自分を比べてしまう人、周囲の人をマウンティングしてしまう人にもやっていただきたい取り組みなのだそう。

遠藤選手のように、いつでも自然体で自分の力を発揮するためのメソッドが詰まった一冊ですので、ぜひ読んで参考になさってください。

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取材・文:貞永晃二

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