サッカーを観て学ぶ

2015年1月23日

岡崎慎司に学ぶ!得点しつづける選手とそうでない選手の違い

アギーレジャパンのエースストライカー、岡崎慎司が絶好調です。岡田ジャパンやザックジャパンなど、過去にはサイドハーフとして起用されることが多かった岡崎ですが、現在は所属するマインツ、そして日本代表でも1トップとして活躍しています。(取材・文 清水英斗)
 
174cmと小柄ながら、1トップとして所属クラブと代表で結果を残している岡崎慎司(写真 松岡健三郎)
 

■背丈がなくても1トップとして活躍する術

「(アギーレ)監督が、動きを出す1トップを求めているというのは、自分の頭の中にある。動きのないFWを使うのなら、自分を選ばないと思うし。そういう意味では(動きを出すことを)意識しています」(岡崎)
 
ザッケローニ監督は、1トップというポジションに対し、2つの要求を出していました。それは、ペナルティーエリアの幅でプレーすること。そして、中盤に下がらず、相手センターバックに近いところで攻撃の“深さ”を作ること。つまり、岡崎の言葉を借りるなら、「動きのないFW」を求めていたことになります。体が大きく、ハイボールの競り合いも得意なFWのほうが、相性は良いでしょう。したがって、岡崎はサイドハーフでプレーすることが多くなりました。
 
ところが、アギーレ監督は違います。1トップが積極的に動き、たとえば本田圭佑や乾貴士が中に入ってくる動きに合わせて、サイドの裏のスペースを突く。あるいは中盤に下がり、その動きに合わせて香川真司や遠藤保仁が飛び出すなど、攻撃の“流動性”を高める1トップの仕事を求めました。その方針が、運動量のある岡崎の特徴とマッチしています。
 
「ぼくみたいに背丈がないと、前で張っていても、なかなかボールをもらえずに90分が終わってしまう。それが課題だった。たとえば中盤が中に入ってくれるなら、ぼくがサイドに逃げて、フリーで受けて仕掛けることもできる。今までサイドでやっていたプレーを、1トップでも活かせると自分はとらえています。まだチャレンジの途中ですけど、これを対戦相手が強くなってもできれば、自分の成長になるかなと思います」
 
さまざまな経験を経て、今の1トップにたどり着いた岡崎。サイドハーフという過去のポジションは、決して望むものではなかったかもしれません。しかし、与えられたポジションで常に全力を尽くしてきた岡崎は、"流動性を高める1トップ"として、アギーレ監督の要求に答えられるFWに成長したのです。
 
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