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なぜ、メッシはゴールをたくさん決めることができるのか?

2013年10月 6日

キーワード:シュートバルセロナメッシ

世界中にはドリブルがうまい選手はたくさんいます。しかし、メッシほどのフィニッシュのうまさを持ちあわせた選手はそう多くはありません。また、2012-2013リーガエスパニョーラ第27節デポルティーボ戦ではリーグ戦17試合連続となるゴールを決め、世界記録をうちたてました。
 
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なぜ、メッシはこれほどゴールを決めることができるのでしょうか? 
 
少し前になりますが、今年の3月25日に行われたヨーロッパチャンピオンズリーグ1回戦、ホームにACミランを迎えたセカンドレグでの戦いを振り返ってみましょう。前半5分の先制ゴールはメッシの質がよく表れた場面でした。このゴールを取り上げ、メッシのフィニッシュプレーが優れているポイントを検証したいと思います。
 

■メッシはシュートを打つ前の動きが速くてスムーズ

前半5分、ブスケツからのパスを受けたメッシは、シャビとのワンツーからペナルティーエリアのライン辺りでボールを持ち、”素早く”左足のインサイドでシュート。ボールはミランDFメクセスとサパタの間を抜け、ゴールネットを揺らしました。このときGKアッビアーティは全く反応することができていません。
 
メッシのフィニッシュの最大のポイントは、シュートを打つ前の動きがドリブルしてる時とほとんど変わらないほどスムーズで速いことです。
 
これが普通の選手なら、シュート時にはしっかりと軸足を踏み込み、体のひねりを加えて、大きく蹴り足を後ろに振り上げてボールをとらえます。ところがメッシの場合は、シュートを打つ蹴り足の振り上げが短く、まるでそのまま走りながらシュートしているかのような蹴り方です。つまり、とてもコンパクトなフォームで蹴っているのです。普通の選手が1秒かけてシュートを打っているとしたら、メッシは0.5秒くらいで済ませているイメージでしょうか。
 
このタイミングの早さが大切で、あと1歩、余計にステップを踏むなどしてシュートを打つタイミングがおくれたら、DFメクセスやサパタのブロックが間に合っていたか、あるいはGKアッビアーティがセーブするチャンスはあったでしょう。それをさせなかったのが、メッシの素早いシュートフォームということになります。
 
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■メッシのシュートにかくされた、4つのポイント

①蹴り足の振り上げが短くなるぶん、フォロースルーでは蹴り足を前方へ押し込むようにして、ボールに勢いを加える。
 
②ボールの芯をしっかり打ち抜く。リラックスしてボールの芯をジャストミートすることに集中したほうが良い。
 
③ボディーバランスや身体の筋力が優れていること。バランスの悪いとフォームが崩れてキックの正確性を欠く可能性が高い。
 
④シュートを打つ前のコントロールの工夫。シュートを打つ際にどちらの足で蹴るか、足の運びを一歩でも少なくして相手をかわす。
 

■良いシュートとは、早くて強いのではなく、ゴールに入るシュートのこと

メッシにとってシュートは特別なものではないのでしょう。ドリブルと同じようにかけ引きをしながら、抜けるタイミングやコースを見つけてボールを通すだけ。メッシは以前、インタビューの中で「(ドリブルは)感覚でやっている」と答えていたので、おそらくシュートも頭で考えているわけではなく、感覚でやっているのでしょう。
 
バルセロナにデビューしたばかりの若い頃のメッシは、ドリブルのキレこそ素晴らしかったですが、今ほどのシュートのうまさはありませんでした。ここまでゴールを決める選手へと変わり始めたのは、エースがロナウジーニョからメッシへとかわっていく頃のタイミングだったでしょうか。
 
これまでにチャレンジして、成功したシュートはどんな蹴り方だったか。どんなタイミングだったか。どんなフォームが蹴りやすかったか。自分を知り、成功したプレーを忘れずにしっかりと体で覚えているからこそ、メッシはあのチャンピオンズリーグの舞台でチームを救うシュートを決めることができたのでしょう。
 
今のメッシは完成形なのか、それともまだ伸びしろがあるのか。25歳のメッシは、どこまで進化するのか楽しみですね。
 
清水英斗(しみず・ひでと)//
フリーのサッカークリエイター。ドイツやオランダ、スペインなどでの取材活動豊富でライターのほか、ラジオパーソナリティー、サッカー指導、イベントプロデュース・運営も手がける。プレーヤー目線で試合を切り取ることを得意とし、著書は、『イタリアに学ぶ ストライカー練習メニュー100 』『サッカー観戦力が高まる~試合が100倍面白くなる100の視点』『サッカー守備DF&GK練習メニュー100』『サイドアタッカー』 『セットプレー戦術120』など多数。
●twitterID:@kaizokuhide
 
 
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文/清水英斗 写真/新井賢一(第37回全日本少年サッカー大会決勝大会より)

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