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未体験の夏 2020年版知っておきたい熱中症対策 ―基本編―

公開:2020年6月 9日 更新:2020年6月10日

新型コロナウィルスが確認されてから迎える初めての夏。コロナ対策もしつつ、熱中症などに対応することを余儀なくされる、これまでに経験したことのない夏がやってきます。

そこで、熱中症について再確認をするとともに、新型コロナウィルス対策が必要な今年だからこそ覚えておきたいことを池袋大谷クリニック院長の大谷義夫院長に教えていただきました。(記事提供:大塚製薬株式会社)

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■熱中症は重症度によって3段階に分かれる。重篤化する前に適切な対処を

熱中症の症状は3段階に分かれます。最初は軽い脱水症状に始まり、脳の血流が減って熱失神を起こしたり、めまいがしたりします。次に塩分濃度が減り、筋肉が硬直してこむら返りなどが起こります(I度)。さらに脱水が進むと熱疲労となり頭痛や吐き気、倦怠感を感じるように(Ⅱ度)。さらに体温調節ができなくなる熱射病となります(Ⅲ度)。

軽症であれば、日陰やエアコンのついた部屋に行くなど涼しい場所へ移動し、着衣を緩めて水分補給をします。摂取する水分は体内塩分の減り具合、時期にもよりますが塩分がある程度失われている初期の熱中症では電解質(イオン)の入ったスポーツドリンクや経口補水液を飲ませます。分量としては0.5~1リットル程度が目安です。汗の99%が水分で、残りの1%にナトリウム・塩分を中心にカリウム、カルシウム、マグネシウムとミネラルが含まれています。失われた水分を補うという意味では麦茶や水でも有効です。

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■日本人は汗をかくことで暑熱順化する

暑熱順化とは、徐々に体が暑さに慣れていくこと。一年を通して気温の高い国で過ごすタイ人と、寒暖差のある日本人のどちらが汗をかきやすいかというと、同じ環境であれば日本人の方が汗を多くかくというデータがあります。実は体温調節には2つの方法があり、ひとつは汗をかいて気化熱で熱を逃がす方法、もうひとつは皮膚の表面に血流を集めてそこから熱を逃がす方法です。暑い国に住む人たちは皮膚の表面に血流を集めて熱を逃がすことができるのですが、四季のある私たち日本人は皮膚に血液を集めることができず、汗をかくことで体の熱を逃がしています。

■7月の汗はベタベタ、8月はサラサラ

例年ゴールデンウィーク辺りから熱中症の患者さんが出始めます。梅雨の間は気温の上昇が抑えられるので発生人数がひと段落し、熱中症がピークになるのは梅雨明けの7月です。気温が高い日が続く8月よりも梅雨明けの7月の方が熱中症にかかる人が多いのは、8月になると暑熱順化ができていてうまく汗をかけるようになっているからです。

5月の連休は暑いといっても気温が30度になることはめったにありません。けれど5月初旬ではまだ体が汗をかくのに慣れていないので、熱中症になりやすいのです。梅雨に入ると若干落ち着きますが、梅雨明けに汗をかく体ができていないと、気温が上昇しても上手く汗がかけません。そして7月に入りさらに暑くなった最初の頃にかく汗は塩分濃度が高いのです。汗を上手にかけない上、塩分濃度が濃い汗が体内から出るので、7月の熱中症には水分に加え塩分の補給も必要になります。

8月になると暑熱順化もできていて、汗のかきかたが上手になります。そのため8月の汗の塩分濃度は低くなります。そういった理由で7月の汗は塩分濃度が高くベタベタしていて、8月の汗は塩分濃度が低くサラサラしているのです。体内の水分調節は8月の方がしやすく、塩分も喪失しにくいのです。ですから7月は特に注意が必要で、熱中症の症状が出たら電解質(イオン)が入っているポカリスエットなどのスポーツドリンクを飲みましょう。さらに脱水が進んでいるなら、より塩分濃度の濃い経口補水液が適切です。

■今年は梅雨の間に積極的に汗をかいて

今年は3月ごろからステイホームとなり、外で遊んだり運動することができていないと思います。このまま7月を迎えると熱中症のリスクは高くなります。ですので、梅雨の間ちょっとでも晴れているときや家の中でも運動をしておくことが重要です。

さらに今夏は暑くなると気象庁が予測しています。気温が高いうえに暑熱順化できていないと熱中症になる確率は高まります。ですので、梅雨の合間の晴れ間を使って外出したり、部屋の中などで何か運動をして汗をかく練習をしていただきたいですね。

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運動は毎日少しずつで大丈夫です。内容については、大量に発汗するほどの運動をする必要はありません。ウォーキングやジョギングなどから始め、汗をかく練習をしておくことが今年の熱中症対策になります。もちろん、梅雨の間の運動の際にも、ポカリスエットなどのスポーツドリンクなどで水分補給をしてください。

対策編はコチラ>>


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大谷義夫(おおたに・よしお)
医学博士、池袋大谷クリニック院長
東京医科歯科大学 第一内科、呼吸器科、睡眠制御学講座において21年にわたり内科疾患、呼吸器疾患、アレルギー疾患、睡眠医療に従事。2005年に東京医科歯科大学呼吸器内科医局長に就任。2009年に東京医科歯科大学呼吸器内科兼睡眠制御学講座准教授就任。呼吸器内科の専門医として2009年に呼吸器とアレルギー領域の診療に特化した池袋大谷クリニックを開院。「絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理」「疲れやすい、痩せにくいは呼吸が原因だった」など著書多数。テレビなどのメディアでも呼吸器内科の専門家として医学的知見からアドバイスを送っている。


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