運動能力

2016年5月27日

足の速さは姿勢で決まる!足が速くなる姿勢をつくる3ポイント

いよいよ運動会シーズンがやってきました。「どうにかして速く走りたい!」と思うお子さん。そして「子どもの足が速くなってほしい!」と願うお父さん、お母さんは多いのではないでしょうか。そこで今回は『タニラダー』でおなじみ、ヴァンフォーレ甲府のフィジカル・コンディショニングコーチの谷真一郎さんに“速く走るためのコツ”を聞いてきました。谷さんが提案するエクササイズにチャレンジして、スピードアップをめざそう!
 
谷さんによると、速く走るために必要なことのひとつが“姿勢”だと言います。(取材・文 鈴木智之 写真・映像 八木竜馬)
 

■わるい姿勢とは、骨盤が後傾し足の指が浮き猫背になっている状態

[わるい姿勢]
骨盤が後傾し猫背になりつま先が浮いてしまうわるい姿勢
 
[いい姿勢]
骨盤が前傾し肩甲骨が寄ったいい姿勢。小指で地面を感じることがポイント
 
「速く走るためのポイントは、一歩一歩地面をしっかり踏むこと。そのようにして、地面からエネルギーを得て、前に進んでいきます。このときに大事なのが、姿勢です。猫背になっていると、地面を踏む力が弱まり、地面からの力を得ることができません。最近の子どもはよくゲームをしているので、背中が丸まった、猫背の状態でいる時間が長いんですね。そのために骨盤が後ろに傾いて、足の指が地面から浮きやすくなっています」
 
谷さんが『わるい姿勢』と定義するのが、「骨盤が後傾して足の指が浮き、猫背になっている」状態です。
 
[わるい姿勢の骨盤]       [いい姿勢の骨盤]
 
 
[わるい姿勢の背中]       [いい姿勢の背中]
 
 
 
「わるい姿勢で立つと、非常に不安定です。なぜならば、猫背になることで足の指が浮き、足のかかとに重心が乗ることになります。その状態で走っても、踏み込むことで得られる地面からのエネルギーを、十分に使うことができません。たとえばサッカーをするとき、姿勢が悪く、しっかり地面を踏み込むことができないと、相手に当たられたときに、簡単にバランスを崩してしまいます。それに、猫背になると目線が下がるので、視野も狭くなります」
 
それでは、速く走るために必要な「良い姿勢」とはどのようなものでしょうか? 
 
[わるい姿勢からいい姿勢へ]
 

■肩甲骨を寄せることで、骨盤が起きて上体が立つ

「まず足の指で地面をつかむようにして立ちます。このときに肩甲骨を寄せると、骨盤が起き上がり、背筋が伸びます。すると顔も上がり、肩、ひざ、足の裏の拇指球が同じラインになり、無理なく立つことができます。サッカーの試合中に疲れてくると、腰に手を当てて、下を見たりしてしまいますよね。そうなったときは、猫背になって姿勢が悪くなるので、肩甲骨を寄せることを意識しましょう。肩甲骨を寄せると骨盤と連動して上体が立ち、良い姿勢になることができます」
 

■速く走れる姿勢をつくるエクササイズ

速く走るために必要な「いい姿勢」を身に付けるために、どのようなエクササイズをすればいいのでしょうか? 谷さんは子どもでもひとりでできる、トレーニングを実演してくれました。
 
[正面]
 
[横]
 
1.両手を下ろした上体で、両足を肩幅に開いて立ちます
2.両手を同時に、体の横から頭の上へと円を描くように引き上げます
3.両手を引き上げると同時につま先立ちになり、伸びをした状態で1秒間キープ
4.足と両腕を下ろし、1の状態に戻ります
5.1~4までを1、2回くり返します
 
 
「ポイントは肩甲骨を寄せて胸を張ること。そして、腕を上げ、つま先立ちになることで骨盤を立たせ足の小指で地面を押せる状態をつくります。これを数回くり返し、いい姿勢を体感してみてください」
 
最近の子どもは座ってスマホやゲームをしたり、わるい姿勢でイスに座ったりと、いい姿勢を保つ妨げになる生活習慣をたくさん持っています。その結果、腰に極度の負担がかかって腰痛になったり、肩こりがひどくなったりと、さまざまな弊害が生まれることもあります。子どもたちはもちろんのこと、デスクワークが多いお父さん、お母さんも、このエクササイズをしてみてはいかがでしょうか。速く走るために、親子でいい姿勢をつくるところから始めてみましょう!
 
 

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