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運動能力

2014年8月18日

試合や練習後のクールダウン、しっかりできていますか?

キーワード:ストレッチリラックス予防怪我指導者運動

■理想的なクールダウンの順序とは?

 
では、金成さんがサカイクキャンプで実際に実施したクールダウンを順序立てて紹介しましょう。金成さんが提案するクールダウンの理想的な順序は次のとおりです。
 
1.軽い数分間のジョギングで心拍数を整える
2.目を閉じて、ゆっくり深呼吸をして、リラックスをする
3.ストレッチ(腿の前、腿の裏、アキレス腱など)
4.パートナーストレッチ(腿の裏、肩もみ)
5.白樺のポーズ
 
以上の流れを、サカイクキャンプでは30分間ゆっくり時間をかけて行います。ただし、子どもが飽きてしまう可能性もあるので「できれば20分程度の時間をかけてゆっくりこなしてほしいです」と金成さんはいいます。
 
まず、①「軽い数分間のジョギングで心拍数を整え」たら、次は「目を閉じて、ゆっくり深呼吸をしながらリラックス」します。
 
「今回は80人もいたので、子どもたちをペナルティエリア内に全員を仰向けで寝てもらい、目を閉じさせました。子ども同士でおしゃべりをしていたので、視覚的な刺激をなくさせることでシーンと静かになり、クールダウンに集中してくれるようになります。大人でもクールダウンのときに試合を振り返って話し合ってしまう場合もあるので、そこで指導者は『ここではしっかりクールダウンに集中するように』とコーチングを行います。そうやってクールダウンに集中できる状態になってから、ゆっくりと深呼吸をするようにします」
 
深呼吸は、吸って、ゆっくり長く吐く、を繰り返します。「吸って」が「1」に対して「ゆっくり長く吐く」が「3」という時間配分が理想的です。
 
心拍数が整い、気持ちもリラックスした状態になったら、いよいよ「ストレッチ」に入っていきましょう。
 
ここで時間に余裕があれば、いろいろな部位を時間をかけてストレッチしていくのが理想ですが、そうではない場合はストレッチする部位を限定して進めます。金成さんが「硬くなりやすい部位なので優先的にストレッチしてほしい」と考える部位が「腿の前」と「腿の裏」と「アキレス腱」です。
 
ストレッチを行う際に注意すべきポイントは以下の図とともに説明します。
 
1.腿の前
img01.jpg
やり方:
片方の足の膝を垂直に立てて、もう一方の足の膝を地面につけます。その状態で膝をついている足のほうの腕を真上に上げて、そのまま逆方向へと身体を捻っていきます。顔も後ろを覗くようにしてください。
 
2.腿のうら
img02.jpg
 
やり方:
片方の膝を地面につけて、もう一方の足を前へ投げ出すようにします。その状態から背中が丸くならないように、骨盤から腰を折るように意識をしながら上半身を前へ傾けていきます。
 
3.ふくらはぎ
img03.jpg
やり方:
両手を前へついて、腕立て伏せをするような状態をつくります。そして、いずれかの足をもう一方のアキレス腱の上に乗せるようにします。このとき背中は丸まらないように。さらに地面についている足の踵を左右に振るなどしてアキレス腱が伸びる位置をさがしていきます。
 
これらのストレッチが終わったら、④「パートナーストレッチ」に移っていきます。
 
これは二人一組で進めるものですが、金成さんはパートナーストレッチを行うメリットをこう言及します。
 
「二人一組で行うことでコミュニケーションが生まれます。たとえば、選抜チームの合宿などで初めて知り合ったメンバーたちの雰囲気は硬いものです。その緊張をほぐすためにもパートナーストレッチを行うことをおススメします。二人一組で行うことで、お互いに相手のことを思いやりながらでき、初対面同士でも親交が深まります。今回のキャンプでも、小学4年生が相手の様子を見ながら『大丈夫?』『できる?』などと気を遣いながらできていたので、子どもでもここまでできるのだな、と感心してしまいましたね」
このパートナーストレッチのメニューとして金成さんが挙げたのは「腿の裏」と「肩もみ」です。後者の「肩もみ」は一般的な肩もみですので、子どもの自由に任せてやらせてみてください。コミュニケーションの一環として行い、その場の雰囲気を和らげるための意味合いが強いものです。
 
4.腿のうら
img04.jpg
 
やり方:
一人(A)が仰向けになって横になります。もう一人(B)が、Aの片方の足の踵をもって90度の角度まで曲げます。このとき、BはAの踵を持ちながら、Aの腿のうらに自分の膝を折り曲げながら突きつけるようにして押します。初めはAの膝が多少曲がるくらいがちょうどいいです。初めからAの膝を曲げずに足をピンと伸ばして行おうとするとかなり無理が生じますので、二人一組でコミュニケーションをとりながら進めてください。
 
④のパートナーストレッチを行ったあとは、最後に⑤「白樺のポーズ」でストレッチを終了させます。
 
「胸郭が内側へと狭まっている状態、つまり猫背になっている状態で、たとえば練習後に子どもがバスに乗って座っていたりすると、バスの振動で腰や首に負担をかけてしまうケースもあります。でも、白樺のポーズを行うことで、肩甲骨が左右に張って、胸郭も前へ突き出たような格好になり、普段から背筋がピンと伸びた良い姿勢を維持できるようになります」
 
5.白樺のポーズ
img05.jpg
やり方:
足と足の踵をつけて90度の角度をつくって直立します。その状態で両腕を真上へ挙げて、両手は握りこぶしをつくって、真上へ挙げられるだけあげます。このとき両足の踵が浮かないようにしてください。深呼吸をするように、胸を前へ突き出すように意識しながら、ゆっくりと何度か繰り返してください。
 
ここまでが金成さんが提案してくれたクールダウンの一連の流れです。次回は「クールダウンを行う際に指導者が注意すべきこと」をテーマにお届けします。
 
クールダウンの重要性。子どもは理解してますか?>>
 
金成仙太郎
ジュニアからトップアスリートまで(J1リーグチーム・日本代表ユース年代・中学高校大学サッカー部・サッカー大会など)幅広いカテゴリー・レベルの選手をサポート。国際スポーツ医科学研究所代表取締役としてだけでなく、勝浦整形外科クリニック理学療法士/パーソナルトレーナー/大学専門学校講師/セミナー開催など多方面で活躍している。現在はできるだけ多くのサッカー選手をサポートするために、全国から医療従事者・アスレティックトレーナーを集めたサポート活動を展開中。
 
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取材・文/杜乃伍真 イラスト/田中竜輔 写真/サカイク編集部

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