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勉強と進路

FCケルンへ入団決定!専修大学長澤選手のサッカーと勉強の両立②

2013年12月 3日

キーワード:勉強進路

昨日に引き続き、専修大学サッカー部の主将としてチームをけん引した、大学ナンバー1プレーヤー・長澤和輝選手のサッカーと勉強の両立についてお伝えします。
 
 高校生になった長澤選手を待っていたのは、ハードなトレーニングでした。サッカー部は朝練習があるため、毎日早朝に出発。帰宅する頃にはあたりは真っ暗になっていました。日々継続的に勉強の時間を確保しようにも、現実的には厳しいものがありました。
 
<<サッカーと勉強の両立① 姉と相談しながら効率よく学んだ中学時代
 
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■通学で使用する電車での移動時間を利用し、勉強に励む

テスト前になると、中学時代同様、テスト2、3週間前から綿密な計画を立て、それに基づき勉強に励み、教科ごとに使用するノートの使い方も工夫して万全の準備を整えていたようです。
 
「ノートを7:3に分けて、左側の大きなスペースに先生が黒板に書いたことを記入し、右側の小さなスペースには自分が分からなかったことをメモしたり、辞書で調べたことを補足して書くんです。後で見返しても分かりやすいように。また、英語のノートには色ペンを使って単語を書いて、後でその上に下敷きを置くと重要な単語が見えなくなるよう、テスト勉強がしやすいようにノートを取っていました」
 
練習がハードでも、サッカー同様、決して勉強を怠ることはありませんでした。
 
「自分が成績を上げることによって、進路、そして選択肢を増やしたいという思いがありました。そのためにはやはり成績を上げなければいけない。だからこそ、教科ごとに、今ある時間と“勉強の質や量”を照らし合わせ、計算しながら勉強していましたね」
 
 長澤選手には今でも忘れられない言葉があるといいます。それは、高校時代に監督やコーチからかけられていた言葉でした。
 
「サッカーは限界がないものだ。だから、これだけやれば伸びるというのが分からない。どこまでも続くものだから、難しい。でも、勉強には範囲が決められていて、それを必死になって勉強すれば100点を取ることができる、いわば限界があるもの。限界がある勉強を頑張ることができない者に、限界のないサッカーは頑張れない」
 
 高校3年時には主将を務め、激戦・千葉県大会を勝ち抜き、第88回全国高校サッカー選手権に出場。チームを3回戦まで導きました。また、卒業後は専修大学への進学も決定。まさにサッカーと勉強を両立させた充実の3年間を過ごしたのでした。
 
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八千代高校では3年次にキャプテンとして活躍した
 

■大学では教員免許取得をめざして教職課程を履修

 10年、専修大学経営学部に入学した長澤選手は、1つのターニングポイントをむかえることになります。
 
 高校時代までとは著しく環境が変化。サッカーと大学生活の両立を負担に感じると、少しネガティブになることも。1年目は、関東大学サッカーリーグでも、目立った活躍をすることはできませんでした。
 
 そんな状態に、自身も「今のままでは駄目だ」と危機感を抱きながら、それでも、なかなか自分を変えることができませんでした。そんな折、サッカー部の源平貴久監督から、「お前はもっとできると思っていたのに、がっかりしたよ」と声をかけられるのです。原因が分かっているだけに、何も言い返すことはできません。ふがいない自分に苛立ちを覚えました。また、時を同じくして、父・一弘さんからも、激を飛ばされることに。
 
「お前がどれだけ頑張るかで、残りの人生が決まってくる。だから大学生活はとても大切だ。頑張るか頑張らないかは、自分次第だぞ」
 
本当に変わらなければならないと目覚めた瞬間でした。大学1年が終わる頃、長澤選手は教職課程を履修し、教員免許取得を目指すことを決断しました。
 
「高校時代の指導者が本当に素晴らしくて。教員になりたいという思いはそこまで強いものではなかったのですが、将来、サッカー関係の仕事に就く場合に、もし高校の教員になるのであれば、どうしても資格が必要なので」
 
 できれば体育科目でという思いは強かったのですが、所属する学部で取得可能なのは「公民」のみ。それでも「人に物事を教えるという意味では共通しているから」と前向きに捉え、教員免許取得に臨みました。
 
 大学では毎日、朝7時から練習をこなし、その後、授業に出席。教職課程を履修しているため、日によっては18時過ぎまで学校で過ごすこともあったそうです。
 
「僕の場合、高校でサッカーを教えるために取得しておきたいというスタンスでした。それゆえ、本当に教員になりたいという人たちの姿勢を見ていると、自分が教員免許の取得をめざすのは、果たして良いことなのだろうかと考えるともありました」
 
 それでも踏みとどまったのは、こんな思いがあったから。
 
「“とりあえずやってみる”ではないのですが、中学、高校も、その先どうなるか分かっていて勉強したわけじゃない。結果的に、一生懸命勉強したことが、高校や大学に進学する上で役立ったのかもしれませんし、“辞めたほうがいいな”と確信が持てていれば、教職課程を放棄していたかもしれません。しかし、そのような確信もなく、将来のことは見えない部分が多かった。だからこそ、“やれることはやっておこう”という気持ちの方が勝ったのだと思います」
 
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小学生時代に所属した、ちはら台SCでプレーする長澤選手
 
 11月末現在、まだ長澤選手の進路は発表されていませんが、おそらく、来季からプロサッカー選手としてのキャリアをスタートさせるのは間違いありません。結果的に“プロサッカー選手”という夢を、見事に叶えることになったわけですが、あらゆる可能性を模索し、選択肢を広げる努力をし続けてきた過程と経験は、プロの世界でも、そしてその先の人生でも、きっと武器になるはずです。
 
 勉強とは「自分の人生の過程」であり、勉強とサッカーの両立は「成長の手段」だと、あらためてその重要性を痛感する長澤選手。何事にも真摯な姿勢で取り組むその姿勢は、プロのピッチでも必ず生かされるはずです。
 
 
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長澤和輝(ながさわ・かずき)//
1991年12月16日千葉県出身。5歳でサッカーを始める。小学校時代はちはら台SC、中学時代は三井千葉サッカークラブでプレー。高校はサッカーの強豪・八千代へ進学。3年時には全国高校サッカー選手権大会に出場し、大会優秀選手にも選出された。10年に専修大学経営学部に入学。大学2年時に全日本大学サッカー選手権大会に初出場し、初優勝。また、関東大学サッカーリーグでは、11~13年まで優勝し、3連覇を達成。今季はリーグ戦でベストイレブン、ベストヒーロー賞も受賞。7月にロシア・カザンで行われたユニバーシアード競技大会に出場し、銅メダル獲得に貢献。昨冬からJクラブによる争奪戦が繰り広げられた大学ナンバー1プレーヤーの去就が注目されている。
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取材・文・写真/石井宏美

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