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サッカー豆知識

少年サッカー大変革:後編 「週末にリーグ戦」を当たり前の環境に

2013年12月12日

キーワード:育成

昨日に引き続き、少年サッカー大変革についてお伝えします。後編では、今回の改革で全日本少年サッカー大会以外にも行われる他の大会スケジュールの変更や新しい取り組みについて、さらに保護者のみなさんへの影響や変化についても迫っていきます。
 
<<【前編】リーグ戦推進で全ての選手に試合経験を
 
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■リーグ戦を通じて「次」を考えながらの指導をめざしてほしい

――目的は、まずリーグ戦を広くやってもらうということなわけですよね。
 
「そうですね。リーグ戦を行うことで指導者のレベル向上にもつながっていくと考えています。一発勝負が悪いというのではありませんし、カップ戦にはカップ戦の良さがあります。ただ、一発勝負だけだと、どうしても“次”を考えながらの指導というのはできなくなるものです。同様にリーグ化を進めているU-15年代では良い効果が出てきているという実感もあります。1週間、前の試合の分析をして、週末の試合のことを考えて、それを練習に反映させてということを繰り返すことで指導者が得るものは大きいと思っています」
 
――全少以外のスケジュールも動いていくわけですよね。
 
「そうなる部分と変わらない部分があります。たとえば、8月に全国単位でのトレセン研修会を新規に開催することになりました。これまでナショナルトレセンU-12は関東、関西などの地域単位で行われていたわけですが、一堂に会する機会を作り、都道府県対抗戦を行う予定です。47都道府県のトレセン選手と指導者がすべて参加する形ですね。中央に集めて、その経験やノウハウを地域に戻すという考え方です。選手を発掘するという意味もありますが、選手に経験させるというほうが狙いとしては大きいかもしれません。『こんな選手が全国にはいるのか! 俺はまだまだな』といったことを、ですね。指導者も学ぶこと、感じること、良い経験になると思います。今後は審判との協調に関するプログラムや保護者の皆さんにも講義などを開催しようかなと考えています。それから、日本代表選手を出した指導者を、その場で表彰するといったことも考えているんですよ。この年代を大切にして、みんなで一緒に子どもたちを育てていくんだぞということを考え、共有する場にしたいと思っています」
 
――小学生年代の指導者のモチベーションを高めていく重要性は感じておられますか。
 
「はい。全少でもフェアプレーコンテストの表彰や、良い指導をしている成果が見られるチームを特別に表彰するといったこともしています。こういうことをやると、どうしても『あそこはイエローカードが多いぞ!』みたいな減点方式の採点をすることが主流になりがちでしたが、『あそこは応援が素晴らしい』とか、もっと幅広く評価しましょうということをやっています。指導者・保護者に浸透していくにはまだまだですけれど、そこは考えていきたいですね」
 
――ほかの大会はどうですか。たとえば、ゴールデンウィークのチビリンピック。
 
「チビリンピックはいままでどおりですね。これはそもそも日本サッカー協会の主催大会ではありませんが、3ピリオド制の非常にユニークな大会ですし、これは残していきたいというのがありました。地域で予選をやってほしい、という結論にしました。あとは現在1月に行われるバーモントカップ(全日本少年フットサル大会)ですが、これは8月に移すことになりました。3月案もあったのですが、試合会場になる体育館を確保するのが非常に難しいんですね」
 
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■保護者も余裕を持って、子どもたちや指導者を見守ってほしい

――15年度からの改革で、保護者にとっての変化はありますか?
 
「カップ戦を中心に考えると、指導者へのプレッシャーがすごく強いですよね。“負けたら終わり”という感じで。そして僕は保護者が感じるプレッシャーもすごく強いと思うんですよ。『勝たせてあげたい!』という気持ちがあるのも当然ですよね。あと『出場してほしい』というのもあると思います。僕も先日、娘のハンドボールの試合を観に行ったのですが、得点差が開いている試合にも関わらず選手交代もなく、寂しい気持ちになりました(笑)。そういう気持ち、すごく分かります。リーグ戦になると、もう少し指導者も余裕をもって選手を起用できますよね。そういう部分は指導者と保護者の双方で考えていってほしいですね」
 
――ただ、カップ戦をやめてほしいということじゃないですよね。
 
「はい、それは違います。ただ、リーグ戦が普及のためにあって、カップ戦が強化や勝負のためにあるというのも絶対に違うと思うんです。次のチャンスがあるリーグ戦を“ゆるく”やってほしいということではありません。海外の育成年代のリーグ戦などを観るとビックリされると思いますよ。本当に激しいし、一人ひとりの選手が勝負にこだわって戦っています。その試合に負けたくない、もっと上を目指したいという気持ちを持つことは絶対に必要です。その両立は決して不可能じゃないと思っていますし、そのためにどういうレギュレーションが最適なのかという議論も、皆さんと一緒にやっていければと思っています」
 
 日本サッカー協会の趣旨は明確でした。大目的は「リーグ戦の環境」を全国津々浦々まで広く整え、「週末に公式戦がある」という状態を当たり前にしていくこと。そのための制度を整え、カレンダーの整理を行うのが2015年度のU-12年代の大改革となります。
 
 都市部ではすでに何らかのローカルリーグが行われている場合も多く、それを尊重する形になるのかもしれません。ルールやレギュレーションを押し付けるのではなく、地域ごとの事情を尊重するとしているのは印象的でした。おそらく、いざやってみることで新たな問題も出てくるでしょうし、制度やルールを走らせながら改めていくということも必要になるでしょうが、「子どもたちのため」という前提を忘れない協調を期待したいところです。個人的には「3ピリオド制」の各地域リーグ戦への導入は、ぜひ検討していただきたいと思っています。
 
 
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取材・文/川端暁彦 写真/サカイク編集部

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