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サッカーボールの歴史!真ん丸に近づくための道のり

2013年8月 9日

キーワード:サッカーボール夏休み

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 お子さんの夏休みの自由研究課題は進んでいますか? せっかくサッカーをやっているのですから、この機会にサッカーの歴史を遡ったり、サッカーについて詳しく調べさせてみたりするのもいいかもしれません。
 
 今日はサッカーにはなくてはならない必需品、ボールについてのお話しです。
 
 

■最初のサッカーボールは意外なもので作られていた?

 みんなが当たり前のように蹴っているサッカーボール。サッカーがはじめられたばかりの頃は、ある意外なものを使って作られていたってご存じですか?
 
 当時の記録によると、初期のサッカーボールは牛や豚の膀胱! を膨らませたもので作られていたそうです。それを牛の皮で覆うようになり、段々と現在のサッカーボールへと進化していったわけです。
 
 その後、ゴムチューブの発明で膀胱に代わりゴムが使われるようになります。現在のボールも中身にはラテックスと呼ばれる薄いゴムを使っています。この頃になるとパネルの枚数も黒い五角形の皮12枚、白い六角形の20枚というお馴染みの「サッカーボールらしい」サッカーボールに外見も変化していきます。
 
 さらに人工皮革が登場すると、サッカーボールは最初の転換期を迎えることになります。
 
 

■プレーにも変化をもたらすボールの進化

 表面を覆う素材に、本物の皮を使っていた時代は雨が降ったらそれはもう大変でした。水をたっぷりと吸い込んだ皮のボールはとんでもない重さになります。ヘディングなんてしようものなら、こっちの身体がおかしくなってしまいます。縫製技術も発達していなかったので、ボールはでこぼこ。グラウンダーのパスはどこに行くか予想がつかないほどでした。
 
 この状況を一変させたのが、軽くて加工のしやすい人工皮革製のボールの登場です。このボールが登場したのは1986年のメキシコW杯だと言いますから、サッカーの歴史からするとそう昔のことではありませんね。加工しやすくなったことで、より“まん丸”に近づいたボールは、まっすぐ転がるようになり、サッカーのプレーにも変化をもたらします。それまでボールを大きく蹴り出してそこめがけて走り込む「キック&ラッシュ」戦法が主流を占めていました。しかし、ボールの進化で短いパスがつながるようになったため、パスをつなげて戦略的にゴールに迫る洗練されたスタイルを採用するチームが増えたのです。
 
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■無回転シュートを生んだ「チームガイスト」

 さらに大きな変化をもたらしたのが、2006年に登場した「チームガイスト」というボールでしょう。これまでの五角形、六角形パネルではなく、プロペラ状のパネル6枚とローター状のパネル8枚の計14枚で構成された斬新な見た目。縫い目をなくすためにサーマルボンディングと呼ばれる「熱圧着技術」を採用して、より“まん丸”を目指した当時の最先端技術を駆使した新世代のボールでした。
 
 このチームガイストの登場で注目を浴びたのが日本代表の本田圭佑選手も得意にしている「無回転シュート」です。ボールがより真球に近づいたことで、空気抵抗の受け方が変わり、ある蹴り方で「無回転」のシュートが打てるようになったのです。これに困ったのがGKです。21世紀を生きるGKたちは無回転への対応を迫られ、不規則に変化する予測不能な魔球と対峙しなければいけなくなりました。
 
 2010年の南アフリカW杯で採用された「ジャブラニ」も基本的には真球を目指し、チームガイストを進化させたボールでした。サッカーボールを実際に作っているメーカーの人に話を聞いたことがあるのですが、サッカーボールに限らず、バレーボール、バスケットボールなども「とにかくまん丸、真球に近づくように開発をしている」ということです。
 
 動物の膀胱からスタートしたサッカーボールは、究極にまん丸に近づいています。もう進化の余地はなさそうに思えるのですが、FIFAが導入を決めたゴールラインを割ったかどうか機械的に判断する「ゴールラインテクノロジー」のためにボールにチップを埋め込むなど、また違った進化の道筋も見えてきています。
 
 これまでもサッカーのプレースタイルに大きな影響を与えてきたサッカーボールの進化。これからのサッカーボールはサッカーにどんな変化をもたらすのでしょう。
 
 ニューヨークタイムズのサイトに、過去のW杯の決勝戦のボールを一覧できるコーナーがあります。ここで紹介したボールたちも詳しく見ることができるので、順番にボールを見てみるのも面白いかもしれません。
 
 
大塚一樹(おおつか・かずき)//
育成年代から欧州サッカーまでカテゴリを問わず、サッカーを中心に取材活動を行う。雑誌、webの編集、企業サイトのコンテンツ作成など様々 な役割、仕事を経験し2012年に独立。現在はサッカー、スポーツだけでなく、多種多様な分野の執筆、企画、編集に携わっている。編著に『欧州サッカー6大リーグパーフェクト監督名鑑』、全日本女子バレーボールチームの参謀・渡辺啓太アナリストの『なぜ全日本女子バレーは世界と互角に戦えるのか』を構成。
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文/大塚一樹 写真/新井賢一(第37回全日本少年サッカー大会決勝大会より)

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