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サッカー豆知識

【ボバン編】子どもに語ろう サカイク・スーパースターminiストーリー

2010年12月12日

キーワード:クロアチアスーパースター海外サッカー

■サッカーのスターが国民の希望を担うヒーローに

ズヴォニミール・ボバン(クロアチア)

boban.jpgいつの時代もファンを歓喜させるキラ星のごとしフットボールスター達。このコーナーでは子どもに語って聞かせたい、過去、現在、未来のスターたちのちょっとしたエピソードを紹介していきます。

今回は90年代、世界を舞台に活躍したズヴォニミール・ボバン選手です。
自国の名門、ディナモ・ザグレブでデビューしたボバンは18歳でキャプテンとなるほど、仲間から信頼される青年でした。ポジションはMF。中盤に位置しながら激しい守備を基本に、チャンスとなれば前線へも顔を出し、決定力も備える非常にアグレッシブな選手でした。

ところがこの頃、ボバンの母国は歴史の大きなうねりに飲み込まれていました。旧ユーゴスラビアにおける内戦です。1929年に成立したユーゴスラビア王国は、セルビア人、クロアチア人、スロベニア人という異なる民族が共存する複雑な構成の国家でした。この民族間での思想や政治的対立が激しくなり、1991年には大きな紛争へと発展していきます。

ボバンの生まれたクロアチアは91年6月、ユーゴスラビアからの独立を宣言。これを機に大規模な争いが始まるのです。この時代、サッカーの世界でも紛争の影響を少なからず受けた試合が多くありました。90年の5月、クロアチア人とセルビア人の緊張が高まるなかで行われたディナモ・ザグレブ(クロアチア)とレッドスター・ベオグラード(当時のユーゴスラビア)の試合は、代理戦争とも言わていました。

案の定、サポーター同士の争いは激化。ピッチには選手、サポーター、警官隊が入り乱れるという壮絶な風景が展開されます。そのなかでクロアチアサポーターが襲われるのを見かねたボバンが警官隊の前に立ちはだかります。どちらが良いとも悪いとも言えない状況の中、乱闘にはなってしまいましたが、ボバンは祖国のために立派な態度をとったのです。

その後、ボバンは国民の英雄となりました。96年には欧州選手権に出場し、ヨーロッパサッカー協会(UEFA)から報奨金をもらったボバン。この時も戦争で荒廃した故郷のために、お金を寄付したのです。サッカーだけでなく祖国の復興のために力を尽くしたボバンは言いました。「自分は100人の政治家にも出来ないことが出来る」。

サッカー選手としての能力に恵まれたことを自分だけの利益とせず、国や人々のために役立てるという精神から、この発言は生まれました。激動の時代に生きた英雄は、有名なサッカー選手が持つ影響力を良く理解していたのです。

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