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インタビュー

近賀ゆかり「小学生の女子には、毎日ボールを触ってほしい」

2014年6月12日

キーワード:なでしこアーセナル女子

ベトナムで女子アジアカップ初優勝を決めた、なでしこジャパン。表彰台の上で優勝トロフィーをかかげ、メンバー全員が喜びを爆発させたシーンが記憶に焼きついている人も多いことでしょう。
 
ただし、今回の大会は国際Aマッチデーではなく、海外で活躍する選手の中には、出場したくてもできずにいる者もいました。イギリスのアーセナルレディースに所属する近賀ゆかり、大野忍もそうです。ところが、悔しい思いをした彼女たちには別の大舞台が用意されていました。女子FAカップの決勝戦です。FAカップとは、日本の天皇杯のモデルになったともいわれ、イギリスではとても由緒ある大会です。
 
決勝は6月1日。 アーセナルレディースはエバートンレディースと対戦し、2-0で勝利。13度目の優勝を決めました。この試合は2人ともフル出場、近賀選手はゴールも決めました。今季は男子もアーセナルがFAカップを獲得、W制覇という快挙を成しとげました。
 
それから一週間もたたない6月7日。
 
千葉にあるアーセナルサッカースクール市川に、2人はやって来ました。
 
前日は大雨警報が出た悪天候にもかかわらず、クリニック&サイン会には少女選手が70名近くが集まりました。未来のなでしこたちは、憧れの近賀、大野両選手のプレーを目の前で見て、直接声をかけてもらって、興奮を隠しきれない様子。少女たちにとっては、きっとかけがえのない体験となったことでしょう。
 
彼女たちは、どんなサッカー少女時代を過ごして、どんな練習をしてきたのでしょうか。
 
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(取材・文/上野 直彦 写真/サカイク編集部)
 

■海外で驚いたのはシュートエリアの広さとシュートの意識の高さ

―まずは、FAカップ優勝おめでとうございます! まずはに今回の優勝をふり返っていきましょう。
 
ありがとうございます。じつは、決勝前のリーグ戦では、チームが4連敗していて…チームの悪い雰囲気を一掃するためにもFAカップで優勝することが重要でした。まずは、チームとして1試合勝ちたいというなか、すごく思い入れの強い試合になりました。
 
―そんな仲、見事ゴールを決めました。後半17分に、近賀選手が中央から走り込みながらダイレクトで打ってゴールネットを揺らしました。優勝を決定づけたゴールでした。
 
FWのケリー・スミスが突破して、自分はフリーの状態でボールをもらっただけなので、おいしいところを頂いたという感じです(笑)
 
――大野選手、おめでとうございます! FAカップを振り返ってみてどうですか。
 
どれぐらい価値のある大会なのかは、自分たち日本人にはちょっと分からなかったんです。でも、イギリスではすごいことで。そのタイトルを獲ることが、どれだけ重要なことなのかをすごく感じる試合でしたね。
 
アーセナルに行ってすぐ、チームの関係者から「FAカップを獲りたい」と言われていたので、やっとその意味が分かったというか。リーグじゃないんだなって。全てのタイトルを獲りたいと思っていますけど、やっぱりFAカップを重視している雰囲気を感じました。
 
――イギリスでは、伝統のある大会ですからね。さて、本題に入りたいと思います。今回は近賀選手におうかがいします。イングランドのリーグに移籍して1シーズン、どこが日本と違うと感じましたか。
 
フィジカルの部分もありますし、シュートエリアの広さですね。遠いところから打っても枠にいくことは、日本のリーグではなかなかありません。日本だと、遠めから精度の高いシュートを打てる選手は少ないと思います。あとは、ペナルティエリアの外で蹴っても枠にいくシュート技術の高さ、シュートの意識の高さです。
 
――ここで打ってくるか、みたいな。
 
イギリスでは、とにかくシュートに対する意識が高いというのを感じますね。
 
 
近賀ゆかり選手

■小学生のころは男子チームでプレー。毎日、楽しくてしかたなかった。  

――子ども時代の練習についてですが、たとえば小学生時代、どういう部分に注意して練習していましたか。
 
基礎練習が多かったです。本当に基本的なドリブル、パス、トラップなどの練習が多かったと思います。
 
――それは地元の町クラブですか。
 
小学校のチームです。でも、練習らしい練習はそんなに多くなかったんですよ。どちらかと遊びの延長線上でゲーム形式ばかりでした。学校が終わって、家にランドセルを置いて練習に行く日々。鬼ごっこをやるか、サッカーやるか。日が暮れるまでサッカーをやっていました。楽しかったですね。
 
――サッカーが遊びっていうのは楽しそうですね。練習、練習という部活っぽい感じではなくて。
 
ずっと遊びのような感覚で試合をしてました。上の学年とかの子も交じって、みんなで楽しむといった感じでした。
 
――そもそもサッカーを始めたきっかけは?
 
サッカーを始めたのは小学校3年生の時。四つ上の兄がやっていたので。ですので、地元の小学校の男子チームに交じってやっていました。
 
――男子チームだったんですね。いま振り返ってみて、男子チームに交じってサッカーをやるメリットはありましたか?
 
男子のほうが単純に上手です。女子だけだと、どうしてもスピードが劣ったり、激しさだって男子には敵わない。男子チームはメリットしかないと思います。
 
――デメリットはなにか感じませんでしたか。
 
特にないですね。合宿に行って同じ部屋に泊まれなかったことぐらいです(笑)
 
 

■小学生の女子には、どんな形でもいいから毎日ボールに触ってほしい

――小学生年代の女子に、この練習はしておいてほしい。この練習は必要だというものは何でしょうか。
 
小学生のころには、とにかくボールを触っている時間を多くしてほしいです。女の子は練習とかで、おしゃべりしている時間が多いんです(笑) 見て自分がやる、のではなくて見てるだけという子が多いんです。とにかく毎日ボールに触れてほしいです。
 
―とにかくボールに触る。それは練習時間以外でも、たとえば家の中とかでも?
 
ええ。なにかあったらボールに振れてるくらいがいい。女子って、休憩時間になるといつもボールに座って話すんですよ。座るのではなく、蹴らないと上手くならないです。小さいときから、女子ならではかもしれません(笑)
 
 

■どんな道を選んでも、いつも背中を押してくれた両親に感謝

いままで生きてきて、進む道というかどこに行くかは、全部自分で決めたあとに両親に報告してきたんです。あまり相談もしない。だけど、親は反対しなかった。「自分のやりたいことだったら、それに進んだらいい」と、自分の決断を後押ししてくれるんです。
 
――ワールドカップ優勝後と違い、当時はまだ、女の子がサッカーをするには難しい環境でした。親はそれでもずっと応援してくれたんですね。
 
そうです。それは本当にありがたかったです。
 
―女の子がサッカーを続けていくには、親の応援は絶対に必要ですよね。最後に、プレーを参考にしている選手がいれば教えてもらえますか。
 
ブラジル代表のダニエウ・アウヴェスです。
 
―ダニエウ・アウヴェスのどこが良いですか?
 
運動量もそうですけど、あれだけ攻守に関わるサイドバックは他にいません。攻撃に特徴がある選手ですが、あれだけ得点に絡んでいるサイドバックはなかなかいないと思います。真似したい部分がたくさんありますね。
 
 
一つひとつ質問にていねいに答えてくれた近賀選手。女の子がサッカーを続けていくために必要なこと。それはまずサッカーを楽しむこと。そして基礎練習。もうひとつは親の理解。
 
男の子の中でプレーした経験は、イギリスでのリーグでも活かされています。ダニエウ・アウヴェスのプレーからも学び、どんどん成長を遂げている近賀選手。来年の女子ワールドカップに向けて、いまから目が離せません。
 
 
大野忍「失敗を恐れてはダメ。やりたいプレーをやるべき」>>
 
 
アーセナルサッカースクール市川
 
 
近賀ゆかり(きんがゆかり)
■所属チーム:アーセナルレディース
■誕生日:1984-05-02
■身長:161cm
■体重:53kg
■代表歴
05年~日本女子代表
04年アテネ五輪バックアップメンバー
07年女子W杯中国大会メンバー
08年女子アジア杯ベトナム大会メンバー(3位)
08年北京五輪メンバー(ベスト4)
10年女子アジア杯中国大会メンバー(3位)
11年女子W杯ドイツ大会メンバー
12年ロンドン五輪メンバー
 
 
<<サカイク女子キャンプ開催
スペシャルコーチとして元なでしこジャパン・矢野喬子さん帯同!>>
 
●日程
2014年8月6日(水)~8日(金)
6日集合時間⇒13:00 8日解散時間⇒12:00予定
 
●開催・宿泊会場
サンセットブリーズ保田
千葉県安房郡鋸南町大穴1032
※東京駅から貸切バスの運行を予定しています。
 
●対象
小学校4年生~6年生、中学1年生~3年生
※サッカー経験は問いません。レベルに応じたトレーニングを行います。
 
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取材・文/上野 直彦 写真/サカイク編集部

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