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親子でチャレンジ

子どもの夢を無理してさがす必要はない

2014年4月25日

キーワード:サポート成長

今は夢や目標がなくても大丈夫。成長のカギは子どもの「わくわく」発見から。

有名選手が小さい頃から具体的な夢を持っていたというエピソードを聞いて、「うちの子には夢がない」と嘆いたり、「あの人は特別」とあきらめたりするのは待って!最初から“夢ありき”の考え方ではなかなか見つからない、その子が本当に好きなこと、やりたいことを探す方法がちゃんとあるのです。
 
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■遠い将来の夢を分かっている人は少数派

本田圭佑選手が小学校の卒業文集に書いた“将来の夢”。「セリエAの10番になる」など細部まで具体的で、その多くを実現させていることで話題になりました。だからといって自分の子どもに対して、「うちの子には夢がないのでは?」「どんな夢を持っているかよく分からない」と嘆く必要はありません。
 
「そもそも遠い将来を具体的にイメージできて、達成するために計算して行動できること自体が才能です。大人だって目標に対して情熱的に取り組む、計画性のある人はめったに見かけないでしょう?」
 
と、私たちを安心させてくれるのは、小学生から大人までを対象に「夢!自分!発見プログラム」を実施している朝山あつこさん。朝山さんは「認定NPO法人キーパーソン21」の代表として、おもに子どもたちが将来の仕事や生き方を考えるきっかけ作りを行っているそうです。
 
「子どもたちが自然にスター選手に憧れる、それはとても素晴らしいことです。しかし保護者が『○○選手すごいね、あんな風になりたいでしょ』と“夢ありき”でお子さんと話しているのなら、少し先走り過ぎだと思います」
 
そう心配する朝山さん。とても遠くて大きな目標を“夢”というゴールに見立てて、あきらめずに進んでいくのは確かに難しいこと。仕事や暮らし方が多様化し、変化のスピードも速くなった現代社会には合わないのかもしれません。ではどのように子どもたちの進む道を捉えればいいのでしょうか?
 
「私たちの団体が実施しているのも『夢!自分!発見プログラム』ですから、夢そのものを否定するわけではないんです。ただその夢は子ども自身からの発信、子どもの言葉や行動から見つけることが大切だと考えています」
 

■子どもが感じる「わくわく」をスタート地点に

朝山さんたちが実施する「夢!自分!発見プログラム」は講演、ワークショップ、個別サポートなど多様なプログラムが用意されています。どれもさまざまな人との出会いや交流によって、子どもたちが自分を見直し、興味を探すことが目的です。中でも人気を集めているのが、子どもたち一人ひとりが好きなものを見つけ、将来とのつながりを考えるワークショップで、その名も「好きなものビンゴ&お仕事マップ」。これは“夢ありき”のやり方と何がどう違うのでしょうか。
 
「この体験では『何になりたいか』を聞くのではなく、その子自身が好きなこと、『わくわく』すること探しから始まって、なりたいものを見つけていきます。聞いていると難しそうですが、子どもたちの意見がどんどん出てきて、いつも騒がしいんですよ(笑)」
 
ワークショップの詳細はまた改めてご紹介しますが、この体験は本人だけでなく保護者も大切な発見ができるそうです。
 
「例えば、自分が『わくわく』するのはサッカーだと、同じ回答をした子が3人いたのですが、サッカーのどこに『わくわく』するのかを詳しく聞くと三者三様でした」
 
作戦や戦略を立てるのがおもしろいという子、チームでの目標達成に役立つことがやりがいの子、自分自身の成長を感じられるのが好きという子。これだけ「わくわく」するポイントが違っていて、その子がサッカーを好きな本当の理由が保護者と分かれば、子どもと一緒にやりたいことを考えるとき、大いに役立つのではないでしょうか。
 
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■「わくわく」探しは日々の子どもの言葉から

「ほかのケースでは、自分が『わくわく』する仕事として、一見脈絡のない職業をいくつも挙げる子もいました。しかしその子に『これのどんなところにわくわくするの?』と詳しく話を聞くと、実は『誰も見たことのない景色や出来事に出会える』のように、好奇心を満たす職種という共通項があったんです」
 
その子の好奇心が強いという特性をふまえた上で、朝山さんが「同じように新しい発見をする考古学者や研究者とかは好き?」と尋ねると、「それも好きだよ」と返事が戻ってきたそう。「何になりたいか」「○○になりたい」という聞き方では、このような新たな将来像は本人もイメージできなかったに違いありません。
 
これが“夢ありき”ではなく、その子の「わくわく」からスタートして考えるよさなんですね。では実施プログラムに限定せず、いつもの暮らしの中で子どもの「わくわく」に気づくにはどうしたらいいでしょうか?
 
「意識して子どもの話をよく聞いてあげることだと思います。『今日はこんないいことがあった、こんなことがうれしかった』と話すお子さんに、『どんなところがうれしかったの?』と自然な流れで聞き返し、『コーチに片付けのことをほめられた』のがうれしいのなら、『○○ちゃんはそれがうれしいんだね』と一緒に喜んであげてください」
 
一方で話を聞いて「それではダメだ」という否定や、「もっとこうしたら」などアドバイスすることは基本的にNG。自然に「そうなんだ」「よかったね」と受け止め、会話を進めることで、その子がどんなことに「わくわく」するのか見えてくるでしょう。
 
「サッカーの技術、チームでの態度を中心にコーチは子どもたちを評価するでしょう。それも大切な見方ですが、本人の『わくわく』を一緒に探せるのは、一番身近にいる保護者だからできること。毎日1つずつ『わくわく』を探していけたらいいですね」
 
 
朝山あつこ//
1982年清泉女子大学文学部卒。三人の子育てをしながら「子どもたちに夢と職業意識を運びたい」という願いで2000年にNPOキーパーソン21を設立。オリジナルのキャリア教育プログラムを開発し、2005年日経WOMAN主催「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2005」クリエイティブ部門受賞。設立以来25000人以上の子どもたちに生き方学習支援を続けている。
 
認定NPO法人キーパーソン21
2000年設立、2001年NPO法人化、2013年認定NPOに認定。会員数250名。主な活動は、キャリア教育プロクラムの開発、ファシリテーター養成、学校なとにおける企業連携実施、パートナー提携による全国普及、キャリア教育を主とする各種セミナー・イべント、自治体連携など。2005年~2006年経済産業省 地域自律民間活用型キャリア教育プロジェクト、2012年文部科学省復興教育支援事業を受託。協賛企業は、SAPジャパン、日本コカ・コーラ、富士通、WOWOWなど多数。
 
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取材・文/山辺孝能 写真/田川秀之(ダノンネーションズカップ2014inJAPANより)

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