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コラム

大前元紀ママの金言「息子が本気なら、やらせてあげたかった」

2015年4月17日

キーワード:サポート大前元紀母親清水エスパルス

清水エスパルスのナンバー10・大前元紀。彼の特徴は、ずば抜けた得点感覚と、シュートレンジの広さ、そしてフィジカルの強さ。身長は166cmと小柄ですが、彼がこれほどまでのストライカーに成長できたのは、本人の努力はもちろん、家族のサポートがあったからこそです。
 
今回は、彼のお母さんにお話をうかがってきました。元紀少年が壁にぶつかったとき、母・恵子さんはどのように彼をサポートしたのでしょうか。子どもの意思を"尊重"し"見守る"ことの大切さを、今一度考えましょう。(取材・文 安藤隆人)
<<小さかったら高く飛べ!大前元紀の点を取り続けるコツとは?
 
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■飽くなき向上心は小学4年生のころから

大前元紀は平成元年12月10日に神奈川県横浜市で生まれた。彼が最初にふれあったスポーツは、サッカーではなく体操だった。
 
「子どもにはスポーツをやらせたかった。スポーツの基礎は体の柔軟性なので、体操が一番適していた」。
 
こう語るのは、母・恵子さん。まずは運動のベースとなる身体の柔軟性を育むために、2歳半から体操を始めた。幼稚園に入ると、体操以外にも水泳とゴルフを始め、持ち前の運動神経のよさを磨いていった。
 
そして、小学1年生になって、初めてサッカーと触れ合った。きっかけは7歳違いの兄がサッカーをしていたことだった。兄に導かれるようにサッカーを始めると、たちまちその楽しさにはまっていく。
 
体操で磨かれた柔軟性を武器に、元紀少年はメキメキと頭角を現していった。所属した『しらとり台FC』でのプレー以外に、小学校4年生になると、川崎フロンターレのサッカースクールにも通うようになる。
 
このスクールも決して恵子さんが通わせたわけではなく、「他のチームに入っていても、フロンターレのコーチが教えてくれるところがあるんだよ」という友だちの情報に元紀少年が「行きたい!」と主張したことから始まった。毎週1回、電車とバスを乗り継いで、友だちと休むことなく通い続けたという。
 

■手渡した食費をセレクション費にされた

元紀少年のサッカーに対する情熱は凄まじかった。小6になるころには「日本代表として活躍したい」と、夢は大きく膨らんでいた。ただ夢を見ていただけではなく、少しでも近づくためにどうしたらいいかをつねに考え努力を惜しまなかった。
 
それを象徴する、あるエピソードがある。小6の11月、恵子さんが残業で帰りが遅くなるため、元紀少年のために夕飯代として千円をテーブルの上に置いていた。しかし、その千円を彼が食費としてつかうことはなかった。その日、友人から「町田JFCのセレクションがあるんだけど、一緒に受けて入ろうよ」と誘われていたからだ。
 
町田JFCは多くの優秀な人材を輩出するジュニアユース年代の強豪チーム。もともと高校選手権に強い憧れを持っていた彼は、兄から「うまくなれば強豪校に推薦入学できる。友達も町田JFCから前橋育英や市立船橋に行っている。強豪校で活躍すれば、プロからも声がかかる」という話を聞かされ、プロへの近道として町田JFCの存在を強く意識していた。
 
友人からの誘いを断る選択肢はなかった。「受けたい!」と強く思った元紀少年は、母が置いていった千円を握り、友だちの親が運転するの車に乗せてもらいセレクション会場に向かい、その千円をセレクション代金に充てた。
 
後日、何も知らない恵子さんの元に、町田JFCから連絡が入った。
 
「合格です」。
 
当然、最初は何のことか分からなかった。しかし、自らの意思で自ら行動をして、勝ち取った合格通知だと分かったとき、反対する理由はなかった。
 
それから、片道1時間かけて練習に通う日々が始まった。もし意思が中途半端なら途中で投げ出すはず。元紀少年は「みんなすごくうまいから楽しい」と、サッカーによりのめり込むようになり、町田まで通い続けた。
 
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