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早熟・晩熟の選手を、どうトレーニングすべき? オランダ発「3つの年齢」に基づく評価とグループ分けの具体例

公開:2026年4月 6日

サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。

今回のテーマは前編に引き続き、「同じ学年でも別年齢? サッカー選手が持つ、3つの年齢と育成・評価の見直し方」。

講師はオランダで17年間の活動を経て、現在は日本での育成指導に携わる白井裕之氏だ。

前編では歴年齢、生物学的年齢、サッカー年齢の3つを踏まえて、なぜ差が生まれるのかを解説した。後編となる今回は「成熟度を踏まえて評価、グルーピング、トレーニングを現場でどう変えていくか」という実装編をお届けする。(文・鈴木智之)

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APHVを用いた生物学的年齢の測定

白井氏はまず、生物学的年齢の測定方法として「APHV(Age at Peak Height Velocity)」というテストを紹介。

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これは日本サッカー協会のWebサイトにあるもので、「対象とする選手の生年月日、身長、座高、体重のデータを計算式に入力することで、その選手が早熟、平均、晩熟のどの段階にあるかの判定が可能になるもの」だという。

動画では14歳、中学3年生のデータを入力する様子が、具体的なエピソードとして紹介された。

身長171センチ、体重62キロ、座高88センチという数値を入力した結果、PHV年齢(身長が最も伸びるピークの年齢)は13.11歳、成熟度はプラス1.39という結果が出た。

「この数値は成長の『フェーズ3』に相当し、成長のピークは過ぎたものの、身長の成長が続いている段階であることを意味します」

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JFAのサイトによると、このフェーズの選手に対しては、ゴムチューブや軽い負荷での基礎パワートレーニングを導入し始めても良いとされている。

白井氏は「ただし、ジャンプ動作を取り入れる際は必ず低い高さから始め、5回以内、1から2セットに留めるなど、専門家の知識と相談しながら無理なく行うことが推奨されています」と補足する。

歴年齢が同じでも異なる成熟度

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歴年齢がほぼ同じであっても、生物学的年齢が大きく異なる場合がある。セミナーでは、14歳3ヶ月、14歳7ヶ月、14歳5ヶ月という3人の選手が例に挙げられた。

歴年齢の差はわずか数ヶ月だが、成熟度はマイナス1.4(第二次性徴期前)、プラス0.1(開始直後)、プラス1.8(ピークを過ぎて成長中)と大きな開きがあった。

白井氏が在籍したアヤックスやオランダ代表では「暦年齢、生物学的年齢、フットボール年齢という3つの年齢で、個人のプロフィール作成を常に行っていた」と話す。

また、フットボール年齢を知るためのヒントとして、サッカー以外のスポーツ経験(水泳や柔道など)や、幼少期にうんていや鉄棒が得意だったといった運動歴も確認し、ポテンシャルを見るための重要な指標としているという。

成熟度に合わせたグループ分けとトレーニング

身体的成熟度を重視したアプローチとして、カテゴリー内でグループ分けを行う方法が提示された。これは週1回、週明け最初のトレーニングで実施し、歴年齢と生物学的年齢の成長の進み具合をもとに、早熟、平均、晩熟の3つのグループを編成する。

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「例えば早熟グループの場合、身体差に頼ったプレーが通用しないよう、狭いスペースでの正確なスキルや素早い認知・判断を求めるトレーニングを行います」

一方、晩熟グループでは、体格の近い選手同士でプレーさせることで、普段得られない成功体験を積ませる環境を用意する。

「頻繁に得点シーンを作り出せる少人数のゲーム形式のほか、相撲や柔道などのコンタクトスポーツを導入し、身体操作への負荷をかけることも有効となります」

このようなグループ分けにより、早熟な選手は戦術理解やテクニックを重視するようになり、晩熟な選手は対人プレーへの挑戦を恐れなくなるという効果が期待できる。

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動画では「デメリット」も紹介し、その解決策を提示。サーキットトレーニング形式を提案し、選手をローテーションさせることで、限られたコーチの数でも効率よく各グループに合わせた指導が可能となる例を示した。

COACH UNITED ACADEMY動画では、具体的なトレーニングの運用について解説しているので、ぜひ「COACH UNITED ACADEMY」動画でチェックしてほしい。

新たな視点で選手を見ることにより、ポテンシャルを引き出すことが可能になるかもしれない。

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【講師】白井裕之/ 愛知県名古屋市出身。18歳から指導者を始め24歳でオランダに渡る。2011/2012シーズンからAFCアヤックスに入団後、アヤックス育成アカデミーのユース年代専属アナリストなどを務めた。2016年にはオランダ代表U-13、U-14、U-15の専属アナリストも務め2018年に帰国。サガン鳥栖、FC東京、FC琉球のトップチームコーチ、アカデミーコーチなどを歴任。オランダサッカー協会指導者ライセンスTrainer/coach 3,2(UEFA C,B)ライセンス、JFA 公認S級コーチを所持。

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