サッカーの指導が学べる動画配信サービス「COACH UNITED ACADEMY」では、強豪チームや豊富な実績を持つ指導者によるトレーニング動画や、指導していく中で必見な理論や情報を配信中だ。

今回より、クラブ・ドラゴンズ柏と流通経済大学付属柏高校サッカー部でゴールキーパーコーチを務める、鳥井翔太コーチによるトレーニングメソッドを公開したい。

鳥井コーチはRKUゴールキーパーアカデミーで指導を始め、2021年よりクラブ・ドラゴンズ柏、2024年より流通経済大学付属柏高校サッカー部のゴールキーパーコーチとして活動している。

今回紹介するのは、シュートストップの基本をテーマとしたトレーニング。前編ではローリングダウンの基本技術を、段階的に習得するトレーニングを行っていく。（文・鈴木智之）

足を動かして、ボールの近くまで行って触る

COACH UNITED ACADEMY動画、前編のテーマは「ローリングダウンの基本技術を身につける」。鳥井コーチは「このトレーニングでは、横へのシュートを止めるための基本技術を段階的に習得していきます」と話し、トレーニングがスタートした。

最初のトレーニングは、ウォーミングアップを兼ねた「ハンドパスゲーム」。2人1組で向かい合い、ボールを円の中でバウンドさせて相手に返しながら、自分のコーンをタッチする。これを連続で10回成功させることが目標だ。

鳥井コーチは選手たちに「ボールをしっかり見て触るよ」「ステップを踏んで」と声をかけ、ボールへの集中力を高めていく。さらにコーンの距離を遠くし、片手でのプレーに設定をチェンジ。

「しっかり足を動かして、ボールの近くまで行って触ること」「ボールをよく見て、しっかりステップ踏む」といった声掛けで、プレーの精度を高めていった。

最後は逆手でのプレーに変更。徐々に難易度を高めていくことで、動きの質と正確性に言及。ウォーミングアップとレクリエーションを兼ねているので、フィールドプレーヤーも取り組みたいトレーニングとなっている。

　

　

3段階のローリングダウン

次のトレーニングでは、ローリングダウンの基本動作を習得するため、浮き球とゴロのボールに合わせて、座った状態、立ち膝の状態、立った状態の3段階で実施。鳥井コーチが重視したのは、構える、取る、倒れるという3つの流れを明確にすることだ。

座った状態での練習では「ボールにアタックする。ボールを待つんじゃなくて、自分からボールに向かっていくこと」と、基本となる意識を伝えていった。

次のパターンでは、立ち膝の状態での動作を追加。鳥井コーチは「構えて取る時に、膝で踏み込んで取る形」と指示し、ボールに合わせて膝を踏み込むことの重要性を強調した。

最後は立った状態で、キャッチから倒れ方の技術をトレーニングしているので、詳細は「COACH UNITED ACADEMY」の動画を確認してほしい。

ゴロのボールでキャッチング技術を磨く

トレーニングの後半では、ゴロのボールを使ったローリングダウンを実施。浮いているボールとの違いは、キャッチの仕方にある。ゴロのボールは両手と地面の3点で取ることがポイントだ。

鳥井コーチは「構える、置く、滑る」という3つの流れで動作を指導。「上の手と下の手、地面の3点でボールを押さえるよ」とアドバイスし、座った状態から立ち膝の状態、立った状態へと段階的に技術を積み上げていく。

そのアドバイスにより、正確なキャッチングからの安定したローリングダウンが生まれているので、全容は動画をチェックしてほしい。

動きの中でローリングダウンを実践

最後のトレーニングでは、ステップとローリングダウンを組み合わせた、実戦に近い形を実施。

鳥井コーチは「ボールをよく見てキャッチする、ボールにアタックする、全身で倒れる。これまでやってきたことを意識しよう」「移動のスピードと構え、一つひとつの動きをしっかりやろう」と選手に声をかけていった。

前編のトレーニングはここまで。鳥井コーチは「このトレーニングでは正しい形を段階的に行っていくことと、動きがある中でボールに合わせてボールをよく見て、その形を出すことが大切です」と振り返った。

次回の後編では、ローリングダウンを基にダイビングと実践的なシュートストップのトレーニングを実施する。ゴールキーパーの技術を向上させたい指導者は、ぜひ次回の動画も視聴していただければと思う。

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【講師】鳥井翔太／
RKU GK アカデミーで指導者としての活動をはじめ、國學院久我山高校・ジェファFC、Wingsでコーチを歴任し、2021年よりクラブ・ドラゴンズ柏、2024年より流経大柏高校サッカー部のGKコーチとして指導を行う。世代別日本代表選手や全国大会出場選手を輩出するなど幅広いカテゴリーでトップレベルを目指す選手たちの指導にあたっている。